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【 レビューあり 】 酒井恭成 × 佐々木涼平 『妄毒のシッポ』 東京都

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ZINE REVIEW by いのうえ あかね(PARK GALLERY)

『妄毒のシッポ』

すこし奇妙なタイトルの、ショートコミック ZINE が届いた。

表紙を見てみると、シュールなキャラクターであやしい雰囲気をかもし出している。さて、どんなストーリーが繰り広げられるのか …

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このショートコミックの物語を考えイラストを描いているのは佐々木涼平さん、そして編集・デザインは酒井恭成さんといった、2人3脚で制作された1冊となっているそうだ。それ以上の情報は明かされていない。謎のタイトルといい、序盤から謎は深まるばかり。

目次を見てみると全101話のストーリーがこの1冊で読めるようだ。内容量はかなりのボリューム。ショートコミックとはいえ、ここまでの数のネタを生み出すなんて、すごすぎる …


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読み進めてみると、「これぞ!」と言わんばかりの、奇妙でユーモラスなストーリーが繰り広げられている。

だってほら、見たこともない生物が登場したり、

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すごく口のわるいアリがいたり。現実ではありえない事態が続く続く。


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この不思議な描写の世界観で、キャラクターたちの個性を炸裂させる。
意味がないことに意味を持たせる、こんなこと一般の人ではなかなかできない。短い話の中で都度、好奇心を刺激してくる。シュール具合が高レベルすぎて、たまについていけない時もある。それもきっと作者の企みに違いない。なんだか悔しい(笑)

そしてコミックを成立させるのに最も重要な、イラスト。
1話1話欠かせない登場人物も、ギャグ漫画だからこそ成立するフォルムで攻めてくる。

丸い顔に、目鼻口がちょんちょんちょん。

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憎たらしくって、愛嬌がある。求めているところをしっかりと突いてくる。
気づけば夢中になって読み込んでいる、わたしであった。

全101話もあるわけだから悩みに悩んだけれど、わたしのお気に入りページをひとつご紹介。

29話 ゲームフレンズ

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うん、そうなるの?(笑)っていう。
シンプルで、かわいらしい展開がお気に入り。
登場人物の絵の無駄がない感じもなんともいえない。その後、指は抜けたのかな?



くだらないけどおもしろい。
そのゆるさも、愛嬌も、作者たちの “人を楽しませたい” というポジティブな気持ちが爆発したものに違いない。

タイトルには ① の印。
『妄毒のシッポ』に続編あり !? 作者の貧欲さを感じる。

日常にちょっとした小笑いを。
シュール好きにはたまらない1冊です。

レビュー:いのうえ あかね(PARK GALLERY)


---- 以下 ZINE の詳細と街のこと ----


【 ZINE について 】

価格:¥1,100(税込)
ページ数:104P
サイズ:123 × 182mm


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作家名:酒井恭成 / 佐々木涼平(東京都三鷹市)

物語を考える(佐々木)、編集・デザインの(酒井)で、本を企画・制作しています。

https://www.instagram.com/sasakiryohe
https://www.instagram.com/yas_0130

【 街の魅力 】
家族連れが多く、落ち着きがあり住みやすいところです。
【 街のオススメ 】
魔女のカレー ... テレビなどでも話題になっているスープカレーラーメンがおいしいです。


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