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海と山と展 #03 カワイハルナ『額って大事』

額について考える。

パークギャラリーは若い作家、またははじめて展示する作家が多いということもあって、額にあまりこだわりのないひとが多い。間に合わせの安い額は作品の価値を下げてしまうので注意。安っぽい額に入れるくらいなら入れない方がいいと言えるくらい。例えばいい額をちょっと奮発して用意して、額に入れて展示するけれど、額は売らないっていうこともできる。あくまで額に入れることが目的ではなく、作品が『よくみえる』ということを目的にした方がいいですね。97歳まで創作を続けた洋画家の中川一政は、晩年は額にもめっちゃ絵とか模様とか描いてたからね。めちゃかっこいい。

その話を前提に。今回『海と山と』展に参加してくれているカワイハルナの額が最高だ。原画自体は小さなものだけれど、額の存在感が大きい。むしろ、額の方の面積が大きい。オーダーメイドされた鮮やかなグリーンともブルーともつかない色の額が、建築物(屋内)と、外、という構造を生む。異国の情緒ただよう額は、とある知らない国の誰かの家の壁だとして、その家の小窓から見える景色が描かれているかのよう。作品の前に立つと、一気に吸い込まれてしまう。自分がどこに立っているのかわからなくなる。

この「観ている人がどこにいるのかわからなくなる」という額装、またはレイアウトが、作品や展示では重要になる。どうせ見るなら集中できるほうがいいからね。例えば、懐かしさを感じて、一瞬東京にいるのを忘れてしまうような山や海の風景があるように。カワイハルナの今回の作品のよさはもう1つ。「インテリアとしてもかわいい」という点。どんな部屋にも似合う、プロダクトとしても重宝できる。『額』にはそういう力がある。

アートはわからないけれど、部屋に素敵なインテリアを置きたいというひともたくさんいると思う。だから、『額』を考えるのはとても重要という話を前提に、改めて、カワイハルナの作品を見て欲しい。そして、額の向こうの絵の物語にドキドキしてほしい。そして、この額のシリーズをもっと見てみたい。と思うファンの1人です。

 

PARK GALLERY presents
『 海と山と 』展
2020年2月12日(水)- 2020年3月1日(日)
@ PARK GALLERY(東京・末広町)
東京都千代田区外神田3-5-20
最寄駅:末広町駅・湯島駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅(距離順)
13時 - 20時 / 入場無料 / 月火定休
http://park-tokyo.com
【 参加者一覧 】
長 雪恵 / オサユキエ
https://www.instagram.com/yukie.osa
カワイハルナ
https://www.instagram.com/haruna_kawai
河原 奈苗 / カワハラナナエ
https://www.instagram.com/nanaekawahara
菅 風子 / カンフウコ
https://www.instagram.com/fuko_kan
工藤 愁子 / クドウシュウコ
https://www.instagram.com/shk003
SANZOKU / サンゾク
http://instagram.com/sanzoku_shokki
ナカムラ ミサキ
https://www.instagram.com/msknkmr3
nagwang / ナグウォン
https://hugmesweetparadise.tumblr.com
藤本 将綱 / フジモトマサツナ
https://www.instagram.com/fujimoto_masatsuna
山田 将志 / ヤマダマサシ
https://yamadamasashi.jimdo.com

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