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『2021/07/05 中村美和子』 @TARPノート

ドローイング ZINE『TARP vol.02』より、参加作家による日記や写真、絵を更新しています。先日パークギャラリーで開催していた、TARP vol.2 原画展 “STORYLINES” の一部展示作品を、引き続きパークギャラリーのオンラインストアにて期間限定で販売中です。展示は終わりましたが、気になっている作品がある方はぜひオンラインストアでも引き続きおたのしみください。
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『TARP ノート』は、引き続き作家たちによる投稿を更新していきます。

今週は、佐賀在住の中村美和子さんの投稿です。
天気が気になるこの季節。天気予報の受け取り方にも、個性が出ます。

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天気予報何で見てる?といろんな人に聞くと、ヤフーの方が多いようなのでわたしもしばらく使っています。

アプリを開いた画面には当日の1時間ごとの天気マークが表示されているのに加えて、気温と降水確率もひとめでわかるようになっています。

うちを出る時に見たのは、濃い灰色の雲のマークの右側に傘がついたマークでした。「くもり ときどき雨」ということです。

「くもり ときどき雨」だったけれど、スクロールしてそのあとの天気を見てみるとだんだん晴れのマークに変わっていたので、「これは降らないな」とたかを括り自転車でノコノコ出発しました。職場までの20分の道のり、5分すぎたあたりで、おや、これは小雨ではないな?の降りになり、眼鏡が曇り、雨は服を浸食していって、ああ、腕もびしょびしょ、自転車のグリップを握る指がぬるぬるしてきました。次第に肌着に水が染みているのがわかるようになり、全身で乾いているのは靴の中だけということになりました。乾いている感触の靴の中に全神経を傾け、この安全圏ももう時間の問題だということを感じていました。

不快、不快だ。
嫌だ。

土曜日に遊びに出かけた時も同じ失敗をしたのに、また天気マークを甘読みしてしまった。最悪だ。着替えがあるからまだましか。むかいからくる中高生たは当たり前のように傘をさしていない。なぜ中高生は傘をささない。わたしもかつて傘が恥ずかしかった。あれはどういうことなんだ。なんとかこの状況を楽しみたい。雨があたたかいなあ。雨に当たって帰ったのが爽快だった日があったな。気持ちいいー!いまわたしは気持ちいいー!いや、気持ちよくない。やはり不快だ。嫌だ。泣きたい。泣きそうだ。

到着すると、靴の中もいつのまにやらぐっしょりでした。そのあとは恐ろしく晴れたので2時間ほど干しているとすべて爽やかに乾きました。

そして、わたしは雨に当たることを楽しめないのかー、

と、わかりました。終

中村美和子


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中村美和子
佐賀県在住。大学では日本画を専攻。
日々のドローイングをもとに作品を制作しています。
https://www.instagram.com/jugemgirl
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