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issue 13 「なんてことない、革靴を。」 by ivy


スニーカーより『革靴』派だ。

なんやかんやハズれがない。

ちょっとフォーマルな用事が入ってもなんとかなるし、いつもよりラフな服装でも " らしさ " を残せるし、何より古いもの、クラシカルなものが好きな私にはおあつらえ向きだ。

さて、革靴というのは基本的に『良いものを長く』という文化が根強いのだけれど、学生時代から趣味が多く、様々なことに散財を繰り返す私には、なかなか一生モノのためにお金を貯める、ということができない。散歩をしていたら欲しいものができてしまう体質だから、もう仕方がない。

『サンダース』とか、『トリッカーズ』とか、『オールデン』とか、履いていそうといわれるけれど、実は一足も持っていない。

だって、買うまでお金貯められないんだもの。


私が日頃履いている革靴で、みんなが知っているようなブランドの靴はたぶんほとんどない。『クラークス』くらいかな。でもアレは革靴というよりクラークスだから。

多くは、高円寺にある古着屋 " Whistler(ウィスラー)" で買ったもの。着いたらわかるけど、決して広くない店にビンテージの革靴がズラり ...!

『1万円前後から』という手頃さに惹かれたのは言うまでもないし、海外からデザイナーが視察にくるほど、豊富な在庫数も魅力的。ただ。何よりもここがいいのは、スタンダードでクラシカルなアメリカンレザーシューズを取り揃えていること。当然ながら、アメリカでもフォーマルな場面では革靴が望ましい。ビジネスマンもワーカーも学生も軍人も、革靴を履かなきゃいけないシチュエーションは必ずある。

だから様々な仕事やライフスタイルの人の長い歴史の中にある革靴が並んでいて、そこに並ぶ " 足元 " はアメリカのライフスタイルを象徴している。

朝、靴を選ぶとき、革靴の背景から考えて、選ぶ。

例えば、ちょっと大事なプレゼンの今日は、『ボストニアン』の60年代『ストレートチップ』を!

『ストレートチップ』は、最もフォーマルなシチュエーションに向く革靴。さらに『ボストニアン』は歴代大統領にも愛用されてきた老舗。日本ではあまり人気がなく、ビンテージでも1万円前後から買えるんだけど、そんな背景はこのとびきり素敵なストーリー、上品なバーガンディ、特別感を損なうには、微々たる問題だ。


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特別な日のお洒落着としてではなく、あちらのライフスタイルにごく自然に存在する、定番としての "なんてことない" 革靴たち。

普段から革靴を履く私には、その辺りのビンテージを漁るのが、なんともしっくりきて楽しい。



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ivy(アイビー)
会社員で物書き、サブカルクソメガネ。
自己満 ZINE 製作や某 WEB メディアでのライターとしても活動。
創り手と語り手、受け手の壁をなくし、ご近所付き合いのように交流するイベント「NEIGHBORS」主催。
日々出会ったヒト・モノ・コトが持つ意味やその物語を勝手に紐解いて、タラタラと書いています。日常の中の非日常、私にとっての非常識が常識の世界、そんな出会いが溢れる毎日に、乾杯ッ!
https://www.instagram.com/ivy.bayside​

イラスト:あんずひつじ


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