正しい情報を得るのが意外と難しい

私の住むフランスはここ数日で日々いろいろな変化が起きている。昨日の夜第2回目の大統領演説があった。視聴率すごいんだろうな、と思いつつ私達も演説開始のタイミングですぐにテレビをつけてその内容に注目した。と言うのも、前日辺りから何となくいろいろなところで(ツイッター、ネットニュース、テレビのコメンテーター)大統領演説があるのではないかしかもその内容は他ヨーロッパ国に倣って「外出禁止令が出る」「外出禁止は45日間だ」「フランス全土ではなくパリがある地域だけだ」など【憶測】でしかなかった。でもどれもあり得そうだし、どこにいても情報が飛び交っているので真実と噂をかき分けたり、医療関係者の意見や医療関係者から聞いた話とか似たような違う話なんかもあって情報を得ようとするほど混乱してくる。そしてストレスが溜まってくる。

結局噂通り?20時のニュース番組で開始早々大統領演説が始まった。内容は一番誰もが気になっていた「外出禁止令」がやはり出た。それから経済の話も前回に続いてあった。この1週間事態がさらに深刻視されて来てからは在仏日本人の方とツイッター上で情報交換しあっていて、演説内容も気を利かせてさっと完結に日本語訳してくださる方もいる。もはや緊急時のライフライン。私もある程度演説内容は理解したものの、その後色々と気になることが出て来た。国民を守りたいと言う意味で会社や失業者に対するメッセージがあった。確かに十分なフランス語理解能力がないと勘違いしそうなのだが、経済的にダメージを受けている企業向けに家賃や税金を一時延納処置が取られることになった。具体的にどのように手続きするかまでは説明はなかったがこれは一般の家庭向けの話ではない。私も一瞬勘違いしかけたので夫と答え合わせしたのだ。ただ、ツイッターでは「フランス大統領さすが!税金免除だなんて!」みたいなリアルなものがあって、これは実生活に関係しない日本に住む日本人はそうなのか!すごいな!と思っても不思議ではないくらいの次元なのだ。こう言うことから「フランス神話」じゃないけど、フランスは社会保障が整っている夢のような国になってしまうのだろうと思った。

同時に話は少しずれるが、日本人が大好きな北欧生活の神話も、今ここに住むようになって冷静に聴ける耳だけは持てて来た。どうも、幸福度の高い北欧生活だからってやっぱり鬱になってしまう人はいるし、人間関係のストレスを感じている人も多いそうだ。決して、最高の国でノンストレスなんてことはさすがにない。そう言う人もいるのだろうけど、1年の半分が冬のような気候で真冬は太陽を何ヶ月も見られない生活はそれだけで気が病む。私自身、パリの気候でも1年目2年目はとにかくそれだけで辛かったのだから。まぁ注目を集めたいメディアがわざわざそんなくらーい話を書くメリットがないのも分かるが、その情報が全てだと鵜呑みにしてはいけないのだ。世界的に緊急事態、情報を【早く】手に入れることは簡単なのだが、【正しい】情報を得るのには気を付けないといけないのだ。

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