お絵描き用にiPad Pro×Apple Pencilを導入

身に余ることですが、寺田克也大先生がiPadProを使ってサラサラとラクガキをされているところを目の前で何度か見せてもらったことがあります。
「iPad Proいいよ〜 『Procreate』っていう安いソフトだけでも、じゅうぶん楽しく絵を描けるよ〜」なんつって。
そりゃあ寺田先生なんだから、どんな画材を使っても、それこそティッシュペーパーに油性マジックでだってすごい絵を描いてしまうに決まってるんですが、それを目の当たりにしてからというもの、憧れがつのりにつのって……。

※ 2016年3月、阿佐ヶ谷の飲み屋で絵を描く寺田さん

が、それらを全部導入すると、最低でも10万円ちょっとはかかってしまう。
もちろん、そんな大きな買い物をヒョイとできる身分ではない。
なんてなことを思いながら2年以上も過ごしてたんですが、著書が立て続けに出たりして、その関係でまぁ、ここ最近は、自分としてはかなり一生懸命がんばったような気がしていて、「自分へのご褒美」という考え方は個人的にあんまりしっくりこないんですが、今後への投資にもなるし、と、要するに、ついに買っちゃいました!

選んだのは、一番でかい12.9インチのやつ。
ネットへは自宅や職場など、要所要所でつながればいいので、普通のWi-Fiモデル。
基本絵を描くのと、あとはちょっとネット見るくらいにしか使わなそうだし、書き出したデータはPCに転送して保存するつもりなので、一番安い64GB。
それが 86,800円(税別)で、これにペンや付属品やらなんやらを付けて、11〜2万円の出費。
もう後戻りはできません。


以下は、一ヶ月ほど使ってみた感想です。
僕は少年画報社「ヤングコミック」という月刊誌で『ほろ酔い! 物産館ツアーズ』という漫画を連載させてもらってます。
それの次の号から、基本デジタルに移行。

こんな感じになりました。

このページの中だと、4コマ目のお漬物の絵だけが、従来通りアナログ描き。
あとはすべて「Procreate」で作画。
料理や食材の絵だけは、どうもまだ思うようなタッチが出せないんですが、今後の研究次第か、そこだけはずっとアナログでいくか。
逆に、3や5コマ目の商品パッケージの絵なんかは、「もうこれでいいやぁ」って感じ。

ちなみにこちらは前号の原稿で、すべてアナログで描いたもの。
「ほら? よく見てごらん? こっちのほうがだんぜん温かみがあるでしょう?」と、知らないおじさんに小一時間、ねちっこく問い詰められれば、「た、確かにそうですね……」と答えてしまうでしょうが、そうじゃなきゃ気にもなりませんよね。
そもそも、絵の細部へのこだわりを感じ取ってもらいたいような作風じゃないし。


というわけで今現在、「本当に買って良かった」と思っているので、最後に、良かったと思う点を列挙してみたいと思います。

◆とにかく話が早い!
僕は漫画やイラストは独学なので、これまではずっとA4のコピー用紙にマーカー類で描いてました。
何枚も紙を用意して、コマ割りして、下描きして、トレース台に載せてペンでなぞって、色塗って、スキャナーで取り込んで、画像を修正して……とやっていたのが、まとめて1台で完結。
これはすさまじい快適さ。

◆どこでも描ける!
上とも重なりますが、今まではそもそも、最低限机に向かわなきゃ何も始まらなかった。
それが、締め切りなどが迫った朝、起きてまず、布団の中でiPadを立ち上げれば、うつ伏せの状態でもなんとなく描き始められる。
しばらくするとその体勢が辛くなってくるので、こんどは布団の上に座り込み、その体勢にも飽きてきたら、やっと机に向かえばいい。
ご存知の通り、「やる気が出ない」の唯一の攻略法は「とにかくやり始める」のみです。
この導入部の敷居が低いのは、そうとうでかい!
漫画やイラストの仕事が、電車とか公園のベンチなんかでも余裕でできるのもすごい。

◆直しがきく!
スッと線を引き、「違うな」と思ったらパッと前段階に戻れる。
とりあえずバーっと色を塗ってみて、気に入らなかったらレイヤーごと消去して、またやりなおせる。
これ、緊張感漂うアナログペン入れでは考えられない便利さ。
むしろ、「こんな便利さを享受し続けてたら脳みそが退化してしまうんじゃ……」と、無駄に不安になってしまうほどです。
あと僕、絵を描いている時、気づくと手にものすご〜く力が入ってしまっている傾向があるのですが、この気楽さのおかげか、それが軽減されているような気がします。

◆描いてて気持ちぃ!
Amazonのレビューで良さそうなのを探しまして、この「ペーパーライクフィルム」を貼って使ってるんですが、スルスルサラサラしてて、スッと1本線を引くだけでも超きもちぃです。
「もっと何か描かせてくれ!」って気になる。
こういう類のフィルムを貼るとペン先がガリガリと削れて、すぐに取り替えなくちゃいけない、なんてレビューもちらほらありますが、今んとこそんな気配はありません。

◆他にもいろいろ
良さはまだまだいろいろあります。
PCとのデータのやりとりが楽ちんだったり、いろんな手法が試せたり、あと、そもそもiPad自体がなんかかっこいいので、触ってて嬉しいというのもありますし。


もちろん「他のデジタルを導入している作家さんと細部の表現が似てしまう」とか「原画が残らない」なんてマイナスっぽい側面もありますが、引き続き、あれこれ試しながら、使ってってみようと思います。


ちなみに先日発表された新しいiPadが、これまで「Pro」だけだった、Apple Pencilに対応したそう。
大きさは9.7インチで、持ち運びには断然便利。
しかも一番安いモデルで3万7800円!?
出先で作業するならこれでもじゅうぶんだよな〜、と、はい、がぜんこっちも欲しくなってます……。


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