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お100話・女の子におんぶしてもらいたい男子~路駐の車から出てきた女性がおんぶしてくれた

 平凡な住宅街にあるローソン前に路駐してある軽トラの運転席のドアが開いたので、なんのきなしにそっちに目をやると、クリーム色のピンヒールを履いた女性の足2本が、半開きドアの下からニョキッと出てきたので、ボクは、思わず立ち止まって、見つめてしまった。
 軽トラの運転席から出てくるには最も似つかわしくない金髪ロングにメイクもバッチリなスタイル抜群女性が・・。ピンヒールの踵の高さは12センチはゆうに超えているだろう。髪は金髪だが、まつ毛は黒、セクシーに着こなすドレスは赤ベースに白がちょちょっと。そんなふうに細かく見とれていたので、おそくボクはそこにしばらく棒立ちしていたのだろう。女性のがわから「えっ、なにか?」と。
「見つめちゃって、すみません。ふつうすぎる軽トラから、異次元のようなセクシーな女性が出てきたので、びっくりしちゃって・・」
 正直なとこ、このシチュエーションだから、女装男性かも、という疑いももっていたのだが、彼女のほうから声を発してくれたことで「あっ、ほんものの女性だ」との安心感に落ち着いたはずなのに、ボクはドキドキしてきてしまった。声かけしたいけど、この風貌の女性だと、怖い連れの男が出てきてしまうかもしれない・・
 そんなふうに躊躇してたら、女性のほうからお声をいただけたラッキー。
「すごいピンヒールですね。そういう凄いハイヒールでカツカツっと歩く女性って、カッコイイ。萌えちゃうんです。それにしても、よく、そんな高いヒールで綺麗に歩けますよね」
「私いつもヒールで慣れちゃってるから、ヒールのほうが歩きやすくて、逆に、ペッタンな靴のほうが歩きにくいかも」
「えっ、そうなんですか、素敵すぎる」
「そんな・・」
「ちょっと変な、おねがいなんですけど」
「お願い? 写真ならいいですよ」
「そのピンヒール履いたままで、ボクをおんぶしてほしいんです」
「私がおんぶするの? 逆でしょ」
「逆じゃないんです。こんな素敵なピンヒール履きこなしてるカッコイイ女性のおんぶに乗ってみたくなってしまって」
 ふだんのボクなら、さっさと「乗るよ」と言いながら飛び乗ってしまうのだが、さすがにこのピンヒール女性、そんな粗雑のことしたら、女性が足をくじくとか大変な怪我をさせてしまうんではないかという危険を感じ、飛び乗りはできない。
「できそうですか?」
「おんぶくらいできると思うけど、なんで私が男をおんぶするのか、なのよ」
「素敵すぎる女性だからですよ」
「だからって・・おんぶしろって・・」
「飛び乗ると危ないので、しゃがんでください」と言いながら、彼女の背中がわに回り込むと、女性は、しゃがみこんでくれた。セクシーなピンヒール女性のしゃがみこんだ姿もこれ、最高の萌えの絵だ。
 ボクは、しゃがんでくれた彼女の背中に覆いかぶさるように乗って「ハイ、立ち上がって」というと、女性は立ち上がってくれようとしたがなかなか立ち上がれない。途中まで立ち上がれるのだが3回ほど失敗し、そのたびにボクの身体を上下させてくれ、なんか遊具のお馬さんに乗ってるみたいな楽しさも・・。ピンヒールのカッコイイ金髪女性が、ボクを背中に乗せて、こんなことしてくれてるって・・。
 4回目で立ち上がりに成功し、おんぶの体勢になってくれた。
「男の人って、やっぱり重いわ。立ち上がるだけで足腰ガクガクよ。もう降ろすわよ。だいたいなんで私おんぶなんかしてんのよ」
「あっ待って、まだ降ろさないで。ピンヒールで2~3歩でいいんで歩いてみてください、せっかくピンヒールなんだから」
ピンヒールで1歩を踏み出した彼女は
「あっ、歩くと足が痛い、おんぶしてピンヒールで歩くのはムリ」と。
 足が痛いと苦痛を訴えてる女性のおんぶに乗ってボクは、女性の金髪に口づけしてクンクンしながら「綺麗な金髪ですね」といいながらうっとりとしているうちに、性的快感に至ってしまい、
「気持ちよくなってきちゃった、足痛いのに、ごめんなさい。こんな素敵な女性におんぶしてもらって、男として夢の世界」と言いながら、ボくは身体をゆらしてしまったようで
「ゆらされると、足が痛いのよ」と叱られてしまった。
彼女の足が心配になったので、ボクは降りて、彼女の足を見ると、ピンヒールで足の甲の一部が擦れて赤くなっていた。痛いのに、ごめんなさい、ボクを気持ちよくしてくれるために、綺麗な女の子が・・・、申し訳ない。

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