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お96話・女の子におんぶしてもらいたい男子~歩行姿勢美しい女性におんぶで走ってもらった

「女性にいきなり、おんぶさせといて、さらに走れって・・。なんで、貴方はそこまで、次から次へと覆いかぶさるように、女性に疲れることばかり要求できるの?」
カナコはそのように不満を言いつつも「おんぶもうイヤ、降りて」とは言ってこず、ワガママばかり言うボクをおんぶして、快調にウォーキングを続けてくれている。
母性本能からくるのか、こういった優しさを持つ女性の「乗られちゃったら、おんぶして歩いちゃう」という特性をボクは大好き。
 ボクは、カナコの腰のクビレを両足に力を入れて挟みこように強く締めて、自分の上体を高い位置に上げて「ハイっ」と掛け声をかけると、カナコは走り始めてくれた。この、馬を操ってるようなやり取りで女の子に乗って走れてる現実って、、素敵すぎる。
 真冬の早朝の冷たい空気が、向かい風となってボクの顔に当たる、この感触は、女の子がボクをおんぶして走る、という大変な運動をしてくれてるおかげ。スポーツウェアの薄い生地から女の子の肩甲骨のコリコリッと転がるような動きを、ボクのだらしないお腹で感じてドキドキしちゃう。
 女の子のおんぶで走ってもらった経験は何度かあるが、この「筋肉コリコリッ」な動きを自分のお腹の部分で感じるのが最高に「女の子が、ボクを幸せにするために大変な重労働してくれてるんだ」な、ありがたみ。
 スポーツ女子カナコのおんぶ走りの乗りごこちが最高なのは、上下振動のブレが少ないこともあり、これは、カナコがボクとすれ違うとこまでやっていた、正しい歩行姿勢で造り上げた体幹と肉体美の賜物か。女の子が努力で造り上げた運動能力肉体能力を「乗り心地の良さ」という形で享受させてもらってるボクという男の、こんな幸せすぎる人生宿命。
「カナコさんの走り、すごく気持ちいいよぉ。朝の空気が気持ちいい」
「走ってる私は、朝から汗でびしょ濡れよお」
「汗が冷えると風邪ひくから、体温を下げないほうがいいよね」
「どういうこと?」
「このままボクをおんぶしたまま走ってカナコさんちまで帰ってすぐにお湯でシャワー浴びたほうがいいかと」
「なんで、私はまたもや、こんなふうに男の人をおんぶしてることになっちゃってるんだろ・・」
 ボクは、カナコの素敵なおんぶ走りに、思っていたよりも長く乗れることになり、ニンマリ。カナコさんの体温を下げないために、ボクはカナコさんの上に乗り続けてるんだという任務意識があると、カナコが、明らかにバテバテのへろへろの歩きになっても、「頑張れガンバレファイト」なんちゅー気持ちで、カナコのおんぶにのうのうと乗っていても、あまり罪悪感はない。
 あまり罪悪感は無いとはいっても、ぜんぜんないわけではない点が大事。とりあえず、ちゃんと罪悪感もあるところが、ボクのフェチ的には、萌え要素としては大事なのだ。そなこんなで、カナコはへろへろに体力使い切ってしまいつつなので、走り続けることはできず、最後のほうは、トボトボ歩きになっていたが、70キロのボクを担いでの重労働は頑張りつつけたので、体温が下がって汗が冷えて風邪ひくリスクは回避できたであろうか。
「クロさん、私の部屋に上がるつもりなの?」
「うん、ボクもシャワー浴びたい。ボクもカナコさんの汗でこんなにびしょ濡れ」
「見ないでよ」
「覗いたりしませんよ。ボクにとってカナコさんは大切な運命の人なんだから、本気でイヤということはしないですよ。今までも、してないですよね」

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