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お38話・女の子におんぶしてもらいたい男子~寒い夜に暖かく包み込みおんぶしてくれた女性

 秋のわりには、突然に気温の低くなった日だったため、ノリコはコートを着込んできた。サイゼリアでわいわい盛りあがって喋っていた中で、当然ながら、ボクは
「今日こそは、おんぶして・・」という懇願を含ませていたのだが、ノリコは「今日はコート着てきちゃったから、できないよ」と。ノリコは、サイゼとかガストではよくデートしてくれる仲良しなのだが、今まで一度もボクをおんぶしてくれたことがない。
 いつも、今日はハイヒールだから、とか、荷物が多いから、とか、ワイン飲んじゃったから、とか、・・・・て、おんぶしてくれない。身長161センチで安定感のあるスタイル良い肉付きもほどほどの女性なので、体格的にムリなわけではなく、気持ち的に、おんぶなんかしたくない、なのだろう。しかし「したくない」とは言わず「できない口実」を持ちだしてくる、そこにボクは可能性を感じていた。
 サイゼを出てそのまま駅へは行かず、クリスマス・イルミネーションが始まってる公園へ。公園に着いてボクは単刀直入に「おんぶ」と。
「だから、今日はコート着てるからダメって・・」
「コートはボクが羽織るから脱いで」
「えっ、寒いよ」
「大丈夫、すぐ暖かくなるから」
 ボクはノリコのコートを、うながすようにほぼ強制的に脱がして自分が羽織り、「乗るよ」と言って、ノリコの背中に飛び乗る。ノリコは
「うわっ、思っていたより重いよ」
 ボクは念願のノリコおんぶに乗れて、ジワーッとした達成感のような安堵感のようなシアワセを得た。さっきまでコートを着ていたノリコの身体は暖かい。寒くなりはじめのこの季節の夜の公園ゆえ、ノリコの温かい身体でのおんぶが、心地よい。
 本来なら、おんぶしてもらってるボクは、背中や首筋が寒いかもなのだが、ノリコのコートを羽織らしてもらってるおかげで、全身が温かくて、脱がせたばかりのコートからもノリコのぬくもりを感じる。寒い季節のおんぶは、これ最高だよ。
「イルミネーションのまわりを歩いてよ」と頼むと、ノリコはカツカツと歩き始めてすぐに立ち止まると
「暑いよ、こんな寒い夜なのに、汗出てきちゃったわよ」。
ボクの身体が触れてるノリコの背中んとこのブラウス生地が、ジワッと汗でにじんでいた。ボクをおんぶして汗かいてる、ノリコのその濡れた背中に、ボクは、愛おしいものを感じ、ギュッと抱きしめ
「コート羽織ってるから、ノリコは暑いんだね。ボクは気持ちいい暖かさで、ノリコの汗にも、ボクのためにかいてくれてる汗だから愛おしいピチャピチャ感。ノリコの身体とノリコのコートに挟まれてるこの、ノリコに包まれてる感じ、もうこのまま眠りたいよーー」
「寝たら落とすよ」
「落とさないでー、ボク幸せを奪わないでー」
「もう終わり」と下ろされてしまったが、ボクの全身が、ノリコの女の子臭でツ包まれてる感じの、うっとりは続いた。ノリコがボクをおんぶして流してくれた汗がボクの身体にしみ込んでる。。ありがとう。

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