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お35話・女の子におんぶしてもらいたい男子~満員電車内痴漢疑惑危機と女性におんぶ

 やや満員ぎみな通勤電車内、ボクは吊り革にも手すりにも掴まらず立っていると、ボクの目の前に上品なグレーのスーツを着たスタイル抜群の女性が来て、ボクはラッキーと感じたと同時に、危機感を持った。
 というのは、こんな状態で電車に揺られていたら、ボクは性的に感じてしまい勃起しちゃいそうで、女性が騒ぎだしたら、ボクは痴漢で有罪に。
ボクは無理やり自分の両手を高い位置に上げて、吊り革を掴もうとするも、掴める位置に空いてる吊り革はない。で、そんなんやってるうちに、ボクのその手が、女性の頭に触れるようになってしまい、女性に怪訝な目で見られてしまった。
「ごめんなさい、手の置き場がなくて」
 女性はボクのいいぶんを認めて納得のようではあったが、上げっぱなしで疲れてきてボクの手の位置は落ちてきて、彼女の髪に触れがちに。
 ボクは、なぜ手を上げてるのか、前述の事情を彼女の耳もとで説明し
「でも上げっぱなしの手が疲れてきたので、あなたの肩に手を乗せさせてほしい」と頼んだ。
 女性は、ノーともイエスとも、はっきりは言わず困った顔をしてたので、ボクは両手を彼女の両肩に乗せて「ありがとう、助かる」と。
 車内はどんどん混雑激しくなってきたので、それにじょうじて、ボクは自分の体重を女性の両肩に乗せていった。3割がたおんぶのような状態ができあがった。
 3割がたおんぶからさらにボクは 彼女への乗っかり具合を強めてゆくも、彼女は無言で耐えているのがボクを萌えさせた。このままこの満員電車で、目の前の女性に、自分の全体重を乗せてしまいたい衝動に駆られた。
 とはいえ、この状況から、おんぶして、にもっていくのはさすがにムリだと判断、彼女の肩に乗せてた体重を抜き、次につなぐ作戦に変更。
 終点某ターミナル駅で下車すると、彼女は疲れきっていたのでホームのベンチで座って休むよう促した。
「体重かけちゃって、ごめんなさい。あなたのようなスタイル抜群の女性と密着しちゃって、ついつい感じちゃたって」
「あなた、わたしに乗っかりをしてきたでしょ。重くてキツかったんです」
「すみません、ボク、魅力的な女性見て感じちゃうと、おんぶしてもらいたくなっちゃう、おんぶフェチなんです」
 ボクは意を決して頼んだ。
「今ここで、ボクをおんぶしてください、改札の手前まででいいので」
「改札までなんてムリ、あなたに乗られてわたし疲れてるんだから」
「じゃあ、ここで、一瞬でいいから乗らせて、お願い、一瞬でいいから。これボクの変なフェチなの。お願いします」
「そこまで言われると、一瞬なら」
 ボクは靴を脱いでベンチの上に立ち、その体勢から彼女の背中にそっと乗った。スーツで正装の女性にしてもらうおんぶには、高級感萌えの感じ、自分の両足が彼女の両手で支えられて宙に浮いたときのドキドキ感。これから仕事に向かう女性が、ボクの欲望のために、こんなことしてくれてる。
「もう、降りてもらうわよ、一瞬という約束だから」
「もうちょっと、おねがい。感じちゃったの。もうちょっとだけ、おんぶしてて」

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