お71話・女の子におんぶしてもらいたい男子~体幹鍛えるのに良いよと女性におんぶ頼んだ
揺れる路線バス車内。近くに空席がちらほらあるにも関わらず、立ち続けるスタイル抜群の白いハイヒール女性。片手で手すりに掴まり、片手でスマホ操作、カバンを肩に掛けてて、バスの揺れに対してバランスを取るハイヒール美脚の微妙な動き。
ずーっと眺めていたい色気たっぷりの光景だが、座席にデレッと座ってる大の男のボクとしては「綺麗な女の子なんだから、すわって楽してほしい」という感情ももたげていた。
なぜかボクは、自分がおんぶしてもらうためなら、綺麗な女性に平気で重労働を求めるのに、自分のおんぶのためでないところでは、女性は楽にしていてほしいというのがあるようだ。とはいえ、目の前で頑張って立ってる女性に色気というか魅力を感じてしまう事実も否定できない。
立っている女性に話しかけてみた。
「席が空いてるのに座らないのは、体幹トレーニングのためとかですか? 姿勢もスタイルも素敵な女性なのでそうなのかなと。ハイヒールで大変でしょ。ハイヒールの大変さって男にはわからないので想像でなんですけど」
女性は「はい、ありがとうございます」とだけ。
その後も女性は立ち続け、終点の某私鉄駅前で降りたので、もういちど声かけを。
「歩きながら体幹を鍛えるのに、いいアイデアがあるんです」
「????」
「貴女の素晴らしいスタイルと姿勢、体幹、脚線美を目の前で見続けていたら、おんぶしてもらいたくなっちゃったんです。こんな素敵な女性におんぶして歩いてもらえたら、男ロマンとしては夢心地だろうな、と。貴女は体感のトレーニングになるし」
「女の私に、男のあなたをおんぶしろって?」
「ハイ、乗りたいんです。ハイヒールなのに、すみません」と言いながら、彼女の背中がわにまわりこんで飛び乗った。
ボクが飛び乗った勢いの反動で、彼女はコツンと1歩だけ前へ出たが、ハイヒールなのに安定していた。ハイヒール女性にはこれまでにも5人ほど乗ったことあるが、飛び乗ったのは初めて。今回のこの女性は大丈夫じゃないかと賭けてみたのだが、足の怪我とかにならずよかった。
女性は「乗っていいなんて言ってないですよ」とややお怒りモード。ボクは
「ごめんなさい。でも・・、にもかかわらず、おんぶしてもらえて、、うれしいです。ありがとう。貴女のような素敵な女性におんぶしてもらえるの、ボクにとっては夢の実現なんです」
「そういわれても、さすがに男の人は重くて足がツラい。ハイヒールなのよ、わかってないでしょ、ハイヒールが大変なこと」
「ちょっとでいいから、そのハイヒールで歩いてみて、ハイヒールおんぶを感じたいの」。。コツンコツンと3~4歩あるいてくれた。
あー、こんな素敵な女性がボクをおんぶしてハイヒールで歩いてくれてるその振動にかんじちゃう。女の子のおんぶってなんでこんなに気持ちいいんだろ。しかも今回は、ボクなんかよりずっとハイクラスの女性がおんぶしてくれてる。
バスの中でも、彼女はずーっと立っててボクよりも疲れてるのに、座席に座って楽してたボクをおんぶしてくれてる。そう思うと、バスの中で揺れながら立っていた彼女の姿を思い返しながら、その女性の上にボクは今乗って夢心地になってんだなぁ、とシアワセを噛みしめる。
「いつまで乗ってるつもりよ」
「ずーつと乗っていたい」
「はあっ?」
「あっごめんなさい、降ります。降りますから、もう3歩でいいからハイヒールでコツンコツンと歩いてほしい」
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