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お58話・女の子におんぶしてもらいたい男子~通学カバンの重い女子高生におんぶしてもらった

 高校生の毎日の通学カバンの荷物が、教材などで重すぎて、という話題を耳にし、そういう目で通学光景を眺めてみると、女子高生が重そうなカバンを腰を曲げて背負って歩いてる姿が気になるようになってしまった。
 女の子におんぶしてもらいたいフェチのボクが気になることなんて、どうせ、ろくでもない ことです、ハイ、すみません、でも続けるね。
 紺色のブレザーに赤いリボンのかわいい制服を着た女子高生が、重たそうにカバンを背負って腰曲げて歩いてる光景に、ボクは女子高生の魅力と潜在能力の使い方がまちがっる、と。
 5~6人であるいてる女子高生に声かけてみた。
「カバン重そうだね」
「そうなんです。重いんです、毎日たいへんなんですよ」
「どんなに重いカバンかついでも歩いても、カバンは、ありがとうって言ってくれないよね」
「カバンが言ってくれないのは、しかたないけど、誰からも、ありがとうなんて言ってもらえないですよ」
 ボクは
「キミたちが、ありがとうと言ってもらえる方法をおもいついたよ」と。
 ボクは、一番おとなしめの女の子のカバンを、隣にいた背の高い女の子に持たせた。で、ボクの荷物を、もう一人の女の子に持たせた。女子高生たちは、キョトンとして、ボクの提案通りに動いてくれている。
 手ぶらになってる、おとなしめの女の子の背中がわから、ボクは彼女に
「乗るよ、おんぶして、ありがとうって、何度でも言うから」と言いながら、彼女の背中に飛び乗った。
「ありがとう、ありがとう。カバンはお礼なんて言わないけど、ボクは何度でも言うし、本心から、ありがとうって感じてるよ、カバンなんか運ぶより、ボクをおんぶして歩いたほうが、やりがいあるでしょ?」
「でも、カバンより重いよ」
「それはしかたないよ、人間ひとり乗ってるんだから。でも、乗り心地良くて、暖かみもあって、気持ちいいよ。カバンは気持ちいいなんて言ってくれないよね」
 ボクが選んだ女子高生のおんぶは、乗り心地の安定感が、素晴らしく良かった。その理由の1つは、彼女の背中が微妙に前傾している猫背であること。だが、背中の上がわのみが前傾してるよくある猫背ではなく、腰上から背中全体が前傾してるので、乗ってるボクの身体とのフィット感がなかなか良い。もしかすると、この体型というか姿勢は、重い通学カバンにより造られた身体かもしれない。安定感とフィット感があるので、女の子が歩いても、ボクの身体がズリオチしない。
 ボクは、カバンを持ってくれてる女の子たちにも、何度も、ありがとうと言い
「カバン持ちじゃなくて、ボクのことをおんぶしたい人いたら、交代してもいいんだよ」と。
 他の女子高生たちは
「いいよ、いいよ、私たちはカバン持ってってあげるから、男のひとのおんぶは、ユキコに担当、任せるよ。なんか重そうだし」
 ボクをおんぶして歩いてくれてるユキコちゃんは
「重そうだしじゃないよー。重いんだから・・、交代してよーー」
「やだやだー・・・・」
 女子高生たちが、ワイワイキャッキャッと盛り上がってる光景を、ユキコのおんぶの上に乗った高い目線からみわたせる幸せ感は素晴らしい。ボクたちの周囲でキャッキャしてる女の子たちは、ホントに元気で明るく楽しそうだ。
 その一方、ボクをおんぶさせられて「重い重い」と言いながら歩いているユキコだけは、髪を振り乱して、必死に歯を食いしばって、友達たちの歩みの速度についてゆこうとしている。
 髪の振り乱し方が、まだそれほどには「女性としての美容ファッション」なんか重視してない少女な女の子って感じで、ユキコの上に乗ってるボクからすると、たまらない。なぜ私だけ今こんな重い荷物運ばされてるんだろう? などという疑問なんか挟まずに、一生懸命に70キロのボクをおんぶしてくれているところが、かわいい。
「で、キミたち、どこへ向かってんの?」
「私んち。みんなで遊びにいくの」とユキコ。
「えっ、うれしい、ボクもこのまま連れてってぇぇ」

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