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お103話・女の子におんぶしてもらいたい男子~疲れてても乗られちゃうとおんぶしてくれる女の子

 ターミナル駅を出た目の前の横断歩を渡った先にある喫茶店へ向かうことにし渡ってゆくと、広いめの中央分離帯のところで赤信号になってしまったので、そこで次の青を待つことにした。上げ底靴の女の子を急ぎ歩きなんかさせないほうがいいとおもって。
 中央分離帯エリアに立っていると冬の冷たい風を強く感じたので、ボクは彼女のジャケットのフードのふさふさが自分の喉元を撫でる位置に、彼女に身体を密着させる位置に立った。この「喉元ふさふさ」を満員電車内で感じたのが、今回のこの女性との縁の始まりだった。
 そんな思いをめぐらしていると、またボクの股間は元気になってきてしまったのでボクは彼女の綺麗な茶髪に隠れた耳元に囁いた。
「ごめん感じちゃった、おんぶして」
「もうムリ」
「大丈夫だよ、乗るよ」と言いながらボクは飛び乗ると、女の子は反動で2~3歩トントンと前へ出たものの、安定したおんぶでボクの両足を、しびれていた両手で支えてくれた。
「さっきのおんぶで、すでにふらふらになってる女の子に、またおんぶさせるなんて、信じられないよー」
「疲れてる女性って、セクシーなんで、乗っかりたくなっちゃうんよ。。で、いざ乗ってしまうと、もうムリと言いつつも、乗ってしまえばおんぶしてくれちゃうところが、女性の優しさだよね。こういう優しさで、ボクのワガママを受けてめてもらえるところにキュンときちゃう。あっ信号青になったよ、渡ろう」
 女の子は、上げ底靴でそろりそろりと慎重に歩を進めながら渡り始めた。そんな歩きにくそうな靴を履いた華奢な女の子が、ボクという大の大人の男をおんぶして歩いてる光景は周囲の人たちから注目の的だったようで、正面の歩道から4~5人ガ、スマホやタブレットで撮影している。たぶん後方からも撮られていそうだ。
「すごい写真撮られてるよ、動画もかも、アイドルみたいだね」と言うと
「それどころじゃないよ、こっちは・・・、1歩1歩が大変。重い物持って。。この靴はただでさえ大変なのに、おんぶだなんて、体重なんキロなのよ」
「70キロ」
「えーーっ70キロー、私41キロよー」
そんな感じで、おんぶの上と下で会話をしながらも、なんとか7割ほど渡ったところまで来たものの、この、そろりそろり歩きでは渡り切れないなと判断し、ボクは、降りてあげることにした。こんなに頑張っておんぶしてくれる女の子の身体は壊さないように大切に扱わなければならないもんね。
「ありがとね、またおんぶしてくれて」と言いそのまま、目の前の喫茶店に入った。

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