お73話・女の子におんぶしてもらいたい男子~女の子のおんぶの上でアニメソング熱唱
コンビニでの買い物を終えると、ボクはポケットから、クシャクシャに詰め込んであったナップザックを取り出して、コンビニ商品をそれに詰め込んで、ヒョイと背負う。アンナは「用意いいわね」と。
ボクは「アンナ、おんぶ」と言って、アンナの背中に飛び乗る。アンナは
「買い物のぶんもあるから重いよー」と。
「買い物はボクが背負ってるんだから」
「でもそれも含めてクロさんも買い物も全部わたしの上に乗ってんだから」
「あっ、そっか」
「あっそっかじゃないよー、大変なのよこっちは・・」
アンナはやや小柄な女の子なので、たしかに、ボクと買い物荷物をおんぶしての歩きは大変だろう。でも、アンナのその大変な重労働は、上に乗ってるボクのところには「萌え・快感・愛おしさ」などとなって伝わってきてるから、アンナの頑張りはムダになんかなっていないどころが、数千倍の幸せに変換されてるんだよ。
小柄な女子大生のおんぶで、こんな田舎ののどかな景色を散歩して楽しめるなんて。都会のおんぶで眺める景色とはまた違う、なんかジブリアニメ的な世界。ジブリアニメで、かわいい女の子におんぶしてもらってる幸せな大人の男ってシーンあったっけ? もし無いなら、ボクの男としての人生ロマン度シアワセ度は、ジブリアニメを越えていることになるよね。ボクはアンナのおんぶの上でジブリアニメの「いつも何度でも」を歌い始めた。
「呼んでいる胸のどこか奥で いつも心躍る夢を見たい・・・」
なんだか、すごい贅沢な心地よさだよ、アンナ。女の子におんぶしてもらって、その上でジブリアニメ歌って・・・、歌詞とこの景色相俟って、おんぶして歩いてくれてるアンナ愛おしい、キューッて抱きしめたい。
「果てしなく道は続いて見えるけれど、この両手はアンナを抱ける・・・」
アンナは
「上に乗っるほうは歌なんか歌ってて気楽でいいわよね。下でおんぶして歩かされてる女の子がどんなに大変かわかってないんでしょ、もう私ここで体力限界ぃぃぃ」
アンナの家までの7割くらいきていたので「アンナ頑張ってくれて、ありがとう」と言って降りてあげた。おもった以上にアンナは足元がふらついていて、これは、ボクがジブリアニメを歌っていたので、アンナに最後の力まで振り絞らせてしまったのかもしれない。そんなアンナの身体が暖かい。
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