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お80話・女の子におんぶしてもらいたい男子~安定した肩車してくれた女子大生のホンネ

 女子大生のジュンコとやっと再会できる機会を持てたので、会う約束をした段階で、前もって「肩車してほしい」と伝えておいた、ジュンコは、お16話で、ボクをおんぶして頑張ってくれた女の子である。
 待ち合わせ場所である東京都西部某駅近くのショッピングモール中庭へ行くと、ジュンコはアモちゃんという長身の女子大生を紹介してくれた。黒髪ストレートセミロングで愛嬌のある健康的な笑顔、身長は165センチくらいだろうか。
「同じ学科のアモちゃん。アモちゃんなら男の人を肩車できそう、と思って」
「それは、うれしい、アモちゃん、ホントに肩車してくれるの?」
「うん、いいよ」と、しょっぱなからフレンドリーでいい感じ。
 さっそく、ボクは、アモをしゃごませて、しゃがんだアモの後ろ首のところに跨るように座った。しゃごんだ姿勢のアモの上への座り心地も安定していて、この子は足腰しっかりしてて頼りがいありそう、と感じた。高校では陸上部にいたと。
 立ち上がりでちょっと揺れたが、非常にスンナリとボクの全体重を持ち上げて、アモは肩車の体勢に立ち上がってくれた。地面から持ち上げてくれた浮遊感、安定しているとはいえ、やはり女の子だから、ぐらつきはあり、その不安定感が
「女の子の肩車なんだな」を感じさせる。ショッピングモールの中庭っていうのが、自分の目線の高さを実感する景色だ。身長165の女子大生の上に乗ってる目線、すごく気分がいい。女の子にしてもらう肩車は、何度してもらっても、非現実感。
「女の子にこんなことしてもらえるって」っていう「夢の中へ」な浮遊感。自分の股間に女の子の頭が挟まってるという性的興奮もあるが、やはりこの非現実感のような魅力は、揺れや浮遊感と相まって大きい。そんな幸福感に浸ってると、アモは4分ほど肩車で歩き回ってくれた。
 アモちゃん、ありがとう。すごく気持ちよかったし、シアワセ~。しばらく3人でお喋りしてると、アモが「わたし、別の約束あるから、先に失礼します」と。
「えっ、アモちゃん、いなくなっちゃうの? お別れにもう1回肩車して」
「うん、いいよ」と快諾して、2度目の肩車もしてくれた。こんなに明るく簡単なことをこなすように肩車してくれるアモちゃん・・・、未練はあったが、連絡先は教えてもらえなかった。
 で、後日、ジュンコから連絡があった。
「先日の肩車のアモなんだけど。男の人を肩車するのなんて、ホンネでは凄くイヤだったんだと、怒られちゃったのよ。あんな明るいノリで、いいよ、ってやってたのに、本心では嫌々なのに我慢して頑張ってたんだって。イヤなことをイヤって言ってもらえない関係だったってこと、かなりショック」と。
 能天気に上に乗っかってシアワセ~、なんて言ってたボクにとっても大きなショックだった。ボクのショックは、ニコニコして「いいよ」と言ってくれてる女の子の「ほんとはイヤ」という本心をまったく読み取れなかったこと。この小説をここお80話まで読んでくれてるみなさんなら、おわかりとおもうが、ボクは、いろいろなシチュエーションで女の子に乗ってきてる経験豊かな人間なのだから、イヤだけど、おんぶや肩車してくれてきた女の子のホンネを、あるていどは読み取れるほうかとおもっていたというのに、今回のアモの件では、まったく彼女のホンネを読み取れず、2度も肩車させちゃった能天気ぶり。
 アモのあの安定した肩車の乗り心地を思い出し
「あれが、イヤイヤやってくれてる女の子の肩車だったのかぁ。イヤイヤなのにあんなに素敵な肩車をしてくれたのかぁ。2度目なんか、もっとイヤでイヤで、ボクに対する感情は、憎悪になっていたのかも・・」
 憎悪の対象な男に、イヤなサービス労働をし、自分はイヤな思いしてるのに、その憎ったらしい男に、気持ちよかった~シアワセ、と言われるのって、女の子の気持ちとしてどうなんだろ。
 女性って、社会で生きてゆく中で、そういうことを抱えてるケースが、男がおもってる以上に多いのだろうか。おんぶや肩車を要求するボクは、女性たちにそういう精神的苦痛を与えてるのだろうか、・・・そりゃ与えているのだろう。しかし、おんぶや肩車のようなトンマな要求だと、女性のがわは、断りやすいはずだ、と自己弁護、ハイすみません。アモちゃん、ごめんなさい・・ありがとう。。

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