タイトル戦予選の戦い方~若獅子戦予選2日目~
初日の振り返りはこちら!
タイトル戦予選の戦い方~若獅子戦予選振り返り~|村上玲央 (note.com)
今回はタイトル戦予選の戦い方を2日目にフォーカスしてお届けします。
2日目を迎える前にやること
同会場のポイント状況を確認
ほとんどの予選では2日目の会場の発表と同時に、各会場のスコア状況が発表されます。
今回の若獅子戦ではこんな感じ。
ここからやることは途中敗退ボーダーをなんとなくイメージしておくことです。
初日は供託を除けばゼロサムゲームですが、2日目にはある程度ポイントを持った人が勝ち残ります。
大体ですが、下から3,4人の平均値を現在のボーダー付近に足すと2日目のボーダーになるイメージです。
初日のスタート時の最下位が0P。そこから現在の6位が63.5P、12位が39.1Pのプラスをしたので、最下位付近の平均からそのくらいポイント稼げばボーダーにのるイメージです。
会場の人数と勝ち上がり人数が少なくなるほどハズレ値が出てくるケースがある(役満放銃とか)ので±15Pくらいはあるとは思いますが、今回は最下位付近の平均が15弱。12位が39。6位が64ほどだったので、最終的なボーダーは12位が55。6位が80くらいだろうと予想してました。
会場の場所のチェック
2日目は初日と会場が違う場合があります。
なので行き方を必ずチェックします。
特に自分は地方勢なので知らない会場も多いです。
今回もクラブ東京は初だったので30分前着目安で設定しました。
第8期若獅子戦2日目
ちょっとした出会い
先ほども書きましたが自分は30分前着を目安に動きます。
40分前に東京駅に着き、飲み物をコンビニで買って会場に向かおうとしたところ、明らかに道に迷ってそうなご婦人に話しかけられました。
「日本橋三越ってどこにあるかわかりますか?」
時間に余裕があり、文明の利器スマホを持っている私は快く案内します。
昔からよく道聞かれるんです。
以前東京で外国人に道を聞かれたときは
[Sorry, I'm a stranger here.]
で済ませましたが今回は違います。
颯爽と案内を済ませ会場に向かいます。
会場に到着するとすでに10人ほど。
集合時間の1分前に2人来ていなくて会場がざわつきましたが、無事20秒前に全員集合したので良かったです。
1回戦
東1局に役トイトイの5200。親番で2600オールをあがるなどして50000点持ちに。
その後、2副露してるチー出し6m(1,8m河にある)に対して「567見えるから~」などと考え、悠長に4m切って2000点放銃。この放銃が2日通して一番ダメだったと思ってます。反省反省。
チー出し牌の2個隣の牌がシャンポンの待ちになるケースが多々あります。両面で当たるケースが同じ場合はシャンポンに当たらない牌選ばなきゃダメなことが多いです。(今回のケースではカン7mのパターンもなさそう)
そんな反省がありながら場は進み。。。
最終局
親番 ドラ2p
自44900
南46700
西8400
北20000
3巡目にドラを切ってこの形。
白ポンしている上家にドラをポンされますが58mツモでトップになれる。
12000放銃しても浮き2着。満貫の場合、ツモられても4p失う。他の人がドラポンに向かいにくい。この辺の要素から残り5筋くらいまでは押すことを決意。
すぐに中を加カン。
出あがりでも2p+4pの価値が出るようになったことで無限プッシュマンになりますが上家に満貫ツモられ。
2日目1回戦:+14.9
Total: +38.2
12/24位
2回戦
初戦あんま良くなかったなぁとか思いながら2回戦へ。
あと4戦で+40は必要なイメージです。
序盤、あまりよくない展開でしたがいきなり今回の若獅子戦で1番の神配牌がきます。
ダブリーチャンス。
しかし6順ほどツモ切りしてこの形で聴牌。
お前(7P)で聴牌かい!!!
役ありならダマもあるなぁとか思ってましたが問答無用リーチ。
数巡後にツモ20004000
点数申告の後、他家の方が開けられた手牌を見て形をしっかり確認していたのを「点数申告間違ったか!?」と思い
20003900…?とか言いなおしちゃって恥ずかしかったです。
2日目2回戦:+9.3
Total: +47.5
9/12位
3回戦
順調にプラスをして迎えた3回戦。
あと1トップくらいとれば6位ボーダーのるイメージ。
起家スタート。
1000オール→4100オールと順調な滑り出し。
しかし2本場に4巡目くらいのリーチに放銃。
リーチ1通ドラドラに放銃し8600点の失点
ちょっと強めのビンタくらい痛い。
なんやかんやで場は進み。
オーラス20000点持ちの親が連荘し、点棒状況はこんな感じ。
親34700
自35600
西38700
北11000
親の連荘で浮きが危うくなってきましたがここでこの配牌。
単純に8pを切り出してイーシャンテンに構える人も多そうですが形が悪すぎてなんかもう2.5シャンテンくらいの感覚。
3回戦開始時のポイント的に降りなさそうな親ということもあり、絞られないことを考慮してホンイツをメインに89m払いから入ることに。
数巡後に8pをポンできて7巡目にはこの聴牌を果たします。
「筒子余ってないぞ!誰か切ってくれ!」
とか思っていると親からリーチ。
嫌な気持ちのまま牌山に手を伸ばすとそこには4pが。
2日目3回戦:+27.2
Total: +74.7
6/12位
4回戦
3回戦終了時で6位ボーダーにのります。
4回戦開始時の12位ボーダーが47.3p
この時に考えたのは
・20000点持っていれば5回戦には進めそう。
・ここでプラスすれば5回戦でそのプラス分マイナスしても通過できそう。
この2点です。
中途半端な手で親番に固執して大きな放銃とかで20000点を切りたくないが、加点できるときにはしたい。くらいのスタンスです。
同卓者の得点開示
起家+123
南家+88
西家+50
自+75
起家、南家は分の悪い勝負は避けそう
西家はマイナスしている親番は絶対降りなさそう
この程度のイメージでした。
降りない人の下家、かつ躱してくれそうな人の上家ということで座順はかなり理想でした。
しかし展開は思うようにはいかず、ポイントを持っている二人に走られます。
親の仕掛けと対面のリーチを受けて自分の手形は次のように
10巡目 自身1mを切っている
仕掛けは聴牌してなさそう。
リーチに対して
・筋は残り7本
・345m34s8pが現物
・2巡目に3s、6巡目に手出し5m
点棒状況は25000点持ち南場
・5m切って聴牌で6m勝負
・3s→2sの比較的切りやすい2s勝負の形(フリテンの可能性あり)
・8p切って再構築
この3択で非常に悩みました。
何を引いて聴牌しても高め満貫以上でめくり合える5mを選択。
次順4s引き。
6mを勝負しますが3900放銃。
いてぇ!
ただ、この選択は後悔してないです。
基本的にタイトル戦予選は分の良い勝負だけして勝てるもんじゃないです。
若獅子戦は比較的放送対局までの倍率が低いですが、それでも120人中12位以内にならないといけません。
先手を取られても、しっかりぶつけていくことが大事です。
最終局親番で粘りを見せますが浮きには至らず。
2日目4回戦: -6.0
Total: +68.7
9/12位
5回戦
5回戦開始時にボーダーは+82.8
トップとれば大体いけるだろうなくらい
卓組は次のような形に
自:+68.7
南:+93.6
西:+96.4
北:+65.3
最終戦は12人、3卓で行われて上位6人勝ち上がりです。
勝ちあがるためには
・卓内で上位2人になる
・開始時ボーダーをこえるような卓内3位になる
このようなイメージです。
自分は公式ルールで大体の条件計算をするときは自身トップ、相手沈み3着で12p差の順位点がつくだろうくらいの前提で行います。局が進行するに連れて順位点の想定は修正しながら頭の中で2~20pの間で変動させていく感じです。 (自分1人浮きー相手ラス=20p、自分3人浮き2着ー相手3人浮き3着=2p)
今回のケースでは北家とは着順勝負。
南家と西家とは素点で12000くらいは最低でもつけなきゃいけないくらいのイメージでスタートしました。
南場まではスコアを持った二人を沈めて、自分が卓内トップ目に。
しかし南場に他家の高打点のあがりが発生し、南2局の時点での点棒状況が次のように
親:15300
南:39900
自:36200
北:28600
この時点で残り2局で自分がやらなきゃいけないことは
1.南家をまくる
2.北家と16900p差をつける
親番に連荘などされると話は変わりますが、このどちらかを満たせば通過できそうです。
そんなときの自身の配牌がこちら
残り2局なことを考えるとなんとか満貫クラスにしたいところですが2000点をあがっておくとオーラスに親に4000オールとかされた後に満貫条件が残ります。
親にあがられても条件が変わってくるのでうまくバランスをとる必要があります。
早々に西をポンして5巡目に次の形
4mを切れば1300の聴牌ですが巡目早いことや待ちもそんなに良くないことからトイトイ変化などを見て打2pとし、目論見通り5mを引いてきて8巡目に次の形で聴牌しなおします。
ここからすぐに5mをポンできて高め満貫。安め5200の聴牌を果たしますが親から切られた1pに北家がロンの声。
ピンフ3色ドラ1。自身にとって最悪の7700が横移動します。
オーラス
自身の条件は
下家、対面から3900
上家の親から2000
ツモは10002000
このような条件ですが早々に親からのリーチを受けます。
下家からのタンヤオ仕掛けも入り8巡目、もう煮詰まりすぎな時の自身の手がこちら
この時考えたのは
・下家に放銃するとゲームセット。
・親に放銃しても打点によるけど3900までは満貫ツモ残る。
・親が下家に放銃したとき3900ないとゲームセット。
・下家が親に放銃したときどんな打点でもどちらかを現実的にまくれる。
この辺のこと。
・対面はドラ色のマンズに寄せてる。
・ドラがすでに1枚河にある。
この2点から下家の手が3900以上あるのは期待できなさそう。
自身の手もあがりには程遠いため、安易に現物を合わせ打たずに下家に絶対放銃しないことを意識してオリ選択。
数巡後、親がツモ切りした牌に「ロン」の声。
まず思ったのは「うわ、負けたわ。」
しかし開けられた手にはドラの2mが2枚。
「3900」
かろうじて卓内2着で残ることに。
2日目5回戦:+9.2
Total: +77.9
卓内2着を確保したものの、別卓の卓内3着のポイント状況次第では6位に入れない可能性があるようなスコア。
卓掃をしながら周りの結果を待ちます。
全卓が終了し、吉田直pから結果発表。
「6位のスコアは…ななじゅう…」
顔を見ながらめっちゃタメられました。
「77.9pの村上さんまでです。」
安心したと同時に一気に疲れました。
すごい安心しすぎて写真撮るって言われてたのに帰っちゃいました。
速報アカウントの錦江荘会場の方は勝ち上がり6人揃っての集合写真があるのにクラブ東京がないのはそのせいです。
吾妻さんごめんなさい。
(ちなみに自分以外も2人帰っていて3人で写真撮ったそうです)
ベスト16のメンバー
そんなこんなで勝ち上がったベスト16は9/19のC卓に登場します。
同卓してつえぇなって思った人もいるし、初めての人もいるしでとても楽しみなメンツですね。
8/30からベスト16の対局がありますので是非みなさまご視聴ください。
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