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トーナメントの戦い方~若獅子戦B16振り返り~(前編)

今回はトーナメントの戦い方を先日行われた若獅子戦B16C卓の振り返りともに書いていこうと思います。

冒頭のインタビューでも触れてもらいましたが、前回の若獅子戦で優勝して鳳凰戦C1リーグに上がりましたが、1期で降級。C2でも1節目は最下位スタート。公式ルールで行われる今回の若獅子戦はマジで勝ちたかったです。

負けた瞬間には、純粋に貝原さんがちゃんと腹くくって勝負所で勝負してきたんで「お見事なのじゃ」精神でした。

内心は負けるたびに「はー麻雀くそげー」って思ってます。
もちろん勝った時は「麻雀最高~」って思ってます。
負けた記憶は勝てば大体消えます。
そんなもんです。だから麻雀おもしろいんです。

ということで、自分が負けた試合見返すの中学のバスケ部時代から大嫌いなんですがやっていこうと思います。


トーナメント戦で意識すること

まずトーナメント戦って何ってことなんですが、「上位2人が勝ち上がるシステム」です。

トーナメント戦で一番大切なことは「相利共生できる相手を意識する」ことです。

寄生虫の研究してたのでイキッてなんか小難しく書きましたが、簡単に言うと損得が一致する相手を探せってことです。

タイトル戦やリーグ戦でも麻雀である以上、他家と損得が一致することはありますがトーナメントではその頻度がとてつもなく多いです。
一番の特徴はその損得関係が多くの場合、2:2になるってことです。
タイトル戦だと1:3のケースが非常に多いですね。

連盟公式ルールにおけるトーナメントの戦い方

今回の若獅子戦は連盟公式ルールで行われました。
ここで意識するのは「順位点の価値が低い」ことです。

WRCルールでは1着順変わるだけで2万点分の差が生まれますが、公式ルールでは1人浮きや1人沈みのトップラスを決められてようやく順位点2万点分です。そのため誰かの着順をあげて並びを変えるということよりも3万点を超えることを中心に意識していく必要があります

それでは今回の若獅子戦B16で自分がどのようなことを考えていたかを振り返っていきます。

第8期若獅子戦B16C卓 


対局メンバーは「貝原さん、別府さん、橋本さん」

貝原さんは予選でも2回当たったしFocusMにも出ているので大体のイメージは持ってました。

後の2人は別府さんこそ前回の若獅子戦のイメージはありますが、ほぼ情報なし。1回戦はフラットに打ちながら押し引きに注目しようと思ってました。

トーナメント戦ですが1回戦目はほぼ普段とやること変わらないです。

1回戦 東1局0本場

起家スタートの1回戦。
配牌はこれ

打点こそあまり見えそうにないですが大体親リーチ打てそうで「わーい」って思ってました。

と思ったのもつかの間。
対面の別府さんから2巡目リーチが飛んできます。
これがジーニアス麻雀ね。
安牌もないし親番だしまっすぐ進めます。

現在、別で公式ルールにおける親番の局収支と聴牌料についてNote書いてる最中ですが、親番は大体押していいです。

結果は3200の横移動。
無失点なら全然OKです

1回戦 東2局1本場

流局を挟んで東2局1本場。
ドラなし、メンツなし。打点の気配なし。
他家の捨て牌がまっすぐ進めていそうなこともあり、字牌の安全度が高いのと重なった時にホンイツは逃さないように打3m。

天才的なツモで数巡後にこれ。親から西のトイツ落とし入ってますがこうなったら無視。自分の河が結構七対子やホンイツなのでダマ。

これがあがれてスタートダッシュ成功です。

1回戦 東3局0本場

東3局
西をポンしてこの形。
親のダブ東ポンが入ってます。

役役ホンイツを目指すのはドラ含みの両面ターツを落とすことになり、愚形残りになるだけでなく、他家の警戒度があがり、親のあがり率が高まることになります。

なので12p切り。

発が暗刻になりうれしい13002600。
かなりのリードです。
こうなってくると少し、親以外には鳴かせてもいいや。という気持ちが生まれてきます。あくまでも鳴かせてもいいやくらいで自身の手をゆがめるほどではないです。


1回戦 東4局1本場

東4局南家
2巡目に下家からリーチ。
親が発をポンしています。

58pの高めピンフ一盃口テンパイ。
リーチかダマテンかを考えます。
重要なことは次の通り。

1.ドラが場に2枚親は仕掛けた後に手からドラを打っている
→仕掛けた親の聴牌率↓、リーチ者、親の打点↓

2.ダマ選択をしてもほぼ降りない。スライドして現物を切れるパターンが2m引いてきたときしかない。(さらに2mの放銃率がそんなに高くない。)
→ダマのメリット↓

3.58pがリーチ者の現物ではない。
→ダマのあがり率に大きな影響なし。

以上のことからリーチ選択。
結果5pツモ。
うれし~

1回戦 南2局0本場


親番落ちて1人浮きで迎えたこの局。
親番の貝原さんが第一打長考して打4s。

この時の貝原さんの手は
めっちゃ早い
国士とか染め手

このどっちかな可能性が高いと思ってました。

なので役牌早めに切っとけで東切りを選択。


その後、2枚切れになった東→長考8sの順番で親の手出しが入ります。
この時「キモイ!」と思ってました。
ホンイツをやっていたら8s→東の順番になるので、この時点でホンイツが候補から消えます。また、4s周りの良形変化よりも東を残していたのでなにかしらの手役が絡んでることが想像できます

ドラが7pなこともあるのでこの時点でチャンタ系が本線になります。
鳴かせたくないし、自分の手牌価値が低すぎるので6sを選択しました。


なんか気づいたら11種11牌に。
こうなると多少手牌価値があるので多少前に出たさが出るんですが親の最終手出しドラの7p。8p怖すぎ問題。


その後、親から5m切りリーチ
5mってなに?????????
もうよくわからないので国士無双イーシャンテンですが点棒状況込でオリ。


答え合わせ:3色のリーチでした。


1回戦 南3局0本場

南3局 西家 ドラ白
北家の貝原さんが早々にオタ風の東をポンします。

自身の手が筒子ホンイツも見える手形だったので鳴いてもいいよの精神で36mと切り出しますがお声がかかりません。

親の切り出しにもスピード感が多少あったのでここは役牌を鳴かせにいきます。この局で最悪なのは役牌絞ったことによる親の連荘率の上昇
別に満貫を貝原さんに上がられてもいいです。

南を切るとお声がかかり2p→3pの手出し。
次の手出し以降は甘い牌は切りませんがこの瞬間は良くてイーシャンテンだと思ってるので役牌全被せします。

しかしこの後、4mツモ切り→5m手出し。1pポンとされます。
これはもうトイトイ濃厚です。
結果はなんか全員ノーテン。
ラッキーっ!

1回戦 南4局0本場

オーラス 南家 ドラ1m
点棒状況はこんな感じ。

親から打たれた6pをチーします。
公式ルールで3人沈みの場合、順位点が-1、-3、-8となっていて2,3着は差が小さいですが4着になると結構痛いです。

ここで自分が染め手ということをアピールすると親と対面は3900を放銃するとラスになってしまうため、中途半端な手ではまっすぐ進められなくなります

この仕掛けのメリットとしては

仕掛けに対して切ってきている牌の強さで相手のやる気を計れる
(親が押してきても現物の北が2枚ある)
対面が特に押しにくいため(ツモられても2着残り)、親に対して連荘させない選択をとりやすくなる。

この2点が大きな点です。
あがりに向かっているのはもちろんですが、相手の反応を見たいのが大きいです。下家はまっすぐ進めてくれるのも大きいです。

もし手が進まなくても適当なタイミングで筒子余らせてプレッシャーをかけようと思ってました。


結果1000,2000のツモあがり。
3着目に40pくらい差をつけて上々のスタートになりました。

2回戦 東2局0本場

このトーナメント戦で一番のミスをします。
2枚目の東をポン

これマジでやっちゃダメな鳴きでした。
同順で2枚打たれて声出ちゃった。。。

これ全員に対しての安パイなくなって自身の手の価値も低いんですよね。
1回戦の結果から考えて、東ヘッドにして索子の一気通貫になったときだけみたいな形で十分なんです。周りのアガリ全然許容できるんです。
マジやらかし。反省です。すぐ親リー入って心の中で「ごめぇ~ん」って言ってました。

こんな牌鳴いて「トーナメント自信あります」はギャグかな?ってなります。

2回戦 東3局3本場

親の連荘もあったりして3本場。
テンパイします。

  • 萬子の場況が悪すぎる。

  • 3色変化の7s2枚切れ。

  • この辺の理由から役ありテンパイにしたくて打7mで聴牌外しをします。

次順

6m「コンニチハ」

これが噂のあがり逃しってやつ!?

ものの見事に裏目りますが聴牌をとります。
普段であれば47s47p引きからのフリテンリーチをすると思いますが今回はしません。周りの様子見ながらダマテン続行です。

2回戦 南1局0本場

橋本さんが一人突き抜けてトータルトップ目をとられますが、1回戦終了時と比べて自身と3着目との差は広がり悪くない状況でこのイーシャンテン。

1m7sが2枚とも場に見えるまでこの完全イーシャンテンを崩すことはありません。

リーチ宣言牌の7sが放銃になりますが、この手は絶対にスリムに構えちゃダメです。決めるべき手は逃さないようにしないと勝てません。


2回戦 南1局2本場

マジで難しい手牌が来ました。
関連牌は9p2枚切れ。1s1247pが1枚切れ。
現状でドラドラ七対子のイーシャンテン。
このイーシャンテンは崩したくないので
2s389pから選びたいのですが9p2枚切れということで打9pとしました。

でもこれかなりミスだったなって思ってます。
9p切っちゃうとメンツ手としての進行がかなりむずかしくなっちゃうんですよね。

切った後に8pだったなと思いました
トイトイや四暗刻の未来は消えますが、七対子もメンツ手も残ります。
9p最後の一枚は山にいそうですし、1s1p引きで仕掛けて満貫も残ります。
反省です。

2回戦 南1局3本場

白を切れば広いイーシャンテンですが、打点が全く見えないしドラも見えてないので戦えない。ということで56m切りを選択。


親から打たれる2sをポンして清一色のイーシャンテン。

上家のリーチ宣言牌6sをちゃんと57でチーして清一色聴牌。

その後聴牌している親から満貫のアガリに成功します。
うれすぃ


2回戦 南2局0本場

白をポンしてる上家からドラの4sが打たれます。これをポン。
形的には35でチーした方がいいですが、ポンと比べて仕掛けの圧力が天と地ほどの差があります

結果は1000点横移動。
まぁいいでしょう

2回戦 南3局0本場

親が中をポン打9p その後56mツモ切りしてこの聴牌。
親が聴牌しててもおかしくはないと思っています。
怖いのはドラが2枚以上あるパターンです。

中のポン出しが9pなので78pがトイツのケースが多くなりそうです
その場合ドラが対子以上と仮定すると違和感があります。
中発が対子のケースであれば8pを鳴きそうなんですよね。
そう考えると発が複数枚あるケースは少なそうです。

ただ8p切られた時点では発1枚でのちに重なったケースも一応考えられます。

3s切って5800放銃になりますがこれどうだったかなーって思ってます。
まぁ切るか。

今振り返ると人間って「結果に表れた部分」の反省をしがちですよね。
麻雀でいうと放銃した牌を「押しすぎだったかなー」ってやつです。

その牌以外にも押しすぎた牌があるのに、たまたま放銃したから反省するやつです。

これもそれですね。
3sは切ります。

5800いたい。。。

2回戦 南3局2本場

大事件が起こった局です

貝原さんからドラ切ってリーチが入り、次順。
なんか急に橋本さんが無筋の7sをプッシュしだします。
何事???

恐らく聴牌してそうですが打点が読めません
現物待ちの安いのならいいよってことで4mをツモ切りしますがお声はかかりません。

その後、親からも追っかけリーチ。
刺せる牌ないかな~と探すもなし。

そして「ツモ」という声とともに手牌が開かれます。

若獅子戦放送対局3度目の四暗刻被弾です。

でもこのあがり実は嬉しくて、トータル3.4着目のリーチ蹴ってくれて、親に至っては8000点多く払ってくれてるんですよね。気持ちよく8100点お支払いしました

自分は5sのところで6400の両面テンパイに受けてそうです。
初の放送対局でこれはすごいすね。。。

オーラスも橋本さんのあがりで終了。

2回戦終了時でトータル3着目との差は60以上になりました。

後半へ続く。。。


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