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虹ヶ咲スクールアイドル同好会のアニメ批評 ※批判、反論求!

虹ヶ咲スクールアイドル同好会のアニメ1期を見終えました。スクスタは未プレイです。モヤモヤしたので気になった点について批評を書きます。虹ヶ咲のことをもっと知りたいので、私の記事について間違っている、解釈が甘いと思った点があればご指摘いただきたいです。


1-9話の構成

1−9話の構成は①キャラクターの悩み紹介②解決③ライブです。基本的にこのキャラはこういうキャラですよという自己紹介のような内容です。私はこれを好きなることができませんでした。無印やサンシャインで私が感動したのは、チームでラブライブ優勝という目標に向けて努力する過程が描かれていたからです。その努力があったからこそライブシーンでの感動が生まれました。しかし虹ヶ咲では悩みを解決したと思ったらいきなりライブシーンに入るのです。時間が飛んでいるように見えてしまいました。悩みを解決することは精神的な成長にはつながっても、歌やダンスの成長とは直接関係ありません。1-9話ではそれぞれのキャラを見せなければいけない分、ライブに向けて準備をする「スクールアイドルらしいシーン」が見れませんでした。10,11,12話ではそのような描写がやっと見られましたが、肝心の1−9話ではそのような描写はほぼなく各キャラの「①悩み紹介②解決」の部分と「③ライブ」の間につながりを感じる事ができません。それよりもMV付きキャラ紹介に見えてしまいました。

スクスタ知識必須(?)の感動シーン

虹ヶ咲のアニメ本編だけでは理解しづらい部分がいくつかあります。例えば第8話。しずくちゃんのメイン回です。この回ではしずくちゃんが自分を表現することについて悩んでいます。そんなしずくとかすみが2人で話をします。

引用 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 8話 しずく、モノクローム

かすみ 「しず子が頑固キャラだってことはよーくわかったよ」
    「でも」
    「そんな顔で必死に隠そうとしないでよ」
    「私としず子の仲でしょ」

引用 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 8話 しずく、モノクローム

かすみ「私は桜坂しずくのこと大好きだから!」

ちょっと待ってください! かすみとしずくが特別仲良くしてるシーンなんてありましたっけ?

引用 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 8話 しずく、モノクローム

ありました。オープニングに。私はスクスタをやっていません。ですからもしかしたらアプリ内で2人の関係性が描かれていたのかもしれません。しかしアニメはアニメです。アニメの話が全てです。しずくとかすみは仲良しであるとという設定があることは理解できました。ではなぜ二人は仲がいいのでしょうか。そこに至るまでの物語を見たかったです。愛さんと璃奈、果林とエマのようなざっくりとでもいいので軽い説明は欲しかったです。いやいや同学年だから仲良いでしょと言われればまあそれまでですが,,,,


「キャラの掘り下げが丁寧」とという罠

虹ヶ咲のよく言われる高評価要因として「キャラの掘り下げが丁寧」というが挙げられます。確かに一人に一話を使い各メンバーの葛藤や心情を描いています。またサンシャイン二期の花丸ちゃんのような雑な扱いを受けるキャラもなかったように見えます。しかしこれはアニメ以前から虹ヶ咲を好きだった人、既に推しキャラがいる人から見た評価ではないでしょうか。新規の私にとっては特に思い入れのないキャラクターの紹介を1-9話という1クールの半分以上を使って見ることになり、特に話が進まず退屈に感じてしまいました。

高咲侑をもっと知りたい


引用 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2話 Cutest ガール

侑「あ、ちなみに私はアイドル志望ってわけじゃないんだ。歩夢を応援したくて」

面白いキャラだと思います。歩夢を応援したい。まるで視聴者を代弁してくれるようなキャラになってます。

引用 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 13話 みんなの夢を叶える場所

そして侑ちゃんは最終話にて音楽科に転入するためにピアノの試験を受けます。スクールアイドルを見て自分も頑張ろうと思う。でもその頑張る対象はスクールアイドルじゃなくてもいい。すごく素敵なメッセージだと思います。現実にもラブライブを見て、勉強や仕事、部活などを頑張ろうと思った人は多いはずです。ですが、最終話以前においては彼女がいなくてもストーリーが進むのでは?と思ってしまいました。せっかく視聴者目線のキャラクターを作れたにも関わらず彼女の役割があまりにも限定的になってしまったことが残念でした。1話から最終話にかけて侑ちゃんが誰のどのような出来事に影響を受けてピアノを始めようと思ったのかもう少し踏み込んだ描写が欲しかったです。それになぜ彼女はスクールアイドルにときめきを感じたものの、スクールアイドル志望ではないのか。その理由ももうちょっと知りたかったです。あんなにスクールアイドルに熱狂してたのにあっさりとアイドル志望ではないと言い切った時は少し驚きました。もちろん現実のラブライバーが全員声優になりたいわけじゃないのはわかってます。でもこのアニメはアイドルのアニメなんです。だから、なぜアイドル志望ではないキャラがスクールアイドル同好会にいるのかが気になってしまうのです。


虹ヶ咲の好きなところ

批判ばかりになってしまいした。最後に虹ヶ咲の良かったところも書いて終わりにしたいと思います。私の虹ヶ咲の好きになれたところ、それは作品のメッセージでです。虹ヶ咲のスクールアイドルたちはラブライブ優勝を目指しません、というか出場もしません。それぞれがやりたいことをやるんです。だってやりたいから。勝ち負けのない世界で精一杯やりたいことをやる。

引用 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 6話 笑顔のカタチ (⸝⸝>▿<⸝⸝)

璃奈ちゃんは表情を出すのが苦手です。でもその苦手を無理やりに克服する必要はないんです。機械いじりが得意な璃奈ちゃんはその得意な機械で苦手な表情を隠してしまいました。苦手を突破しない、特技や好きなことを尊重する。いい考えだと思います。好きです。

スクールアイドルに正解はない

無印の劇場版にてA-RISEは高校卒業後もアイドルを続けることを明かしました。一方、μ'sは3年生の卒業とともに解散することを決めました。どちらが正しいのか。どっちも正解です。いろんなスクールアイドルがいてもいい。だから「大会を目指さない、ソロ活動で個人個人の好きなことを表現するスクールアイドル」がいてもいいんです。

こんな面白い記事を見つけました。

スポーツや運動を気楽に気長に打ち込める環境としての今までの勝負とか大会とか目指すのとは違う部活の形態として「軽運動部」というモノが紹介されていたのでそれに対する皆様の反応をまとめてみました。

勝ち負けに拘らず楽しく運動出来る部活の新たな形?「軽運動部」のお話

大会に出場しない運動を楽しむ部活があるそうです。とても良い試みだと思います。勝つためにはそれなりに犠牲も必要です。その分勝った時の気分は最高でしょう。しかし誰もが勝ちを目指すわけじゃない。勝ちよりも楽しむことを優先したい。そんな部活もとっても素敵じゃないですか。虹ヶ咲スクールアイドル同好会はそんな「好き」という気持ちを肯定してくれる優しいメッセージを感じることができました。プロの歌手を目指して本気で歌を練習する人がいてもいいし、カラオケで下手くそな歌を大声で歌う人がいてもいいんです。世間では前者の方が注目されます。ですが後者のような人たちを肯定してくれるのが虹ヶ咲スクールアイドル同好会という作品なのではないでしょうか。(あの、当たり前ですけど虹ヶ咲の声優が歌下手って言いたいわけじゃないですよ。比喩です)

スクールアイドルにモブキャラは存在しないと証明した虹ヶ咲

無印の映画では最後の方に秋葉原に集結する多数のモブスクールアイドルが出現します。顔はほとんど一緒で髪色も黒です。残酷ですね。μ'sの引き立て役です。無印、サンシャイン、スーパースターで名前と声付きで登場するアイドルはいわゆる強いアイドルたちです。主人公たちのグループとそのライバルグループ以外は基本的にセリフも歌唱シーンもありません。モブです。弱いスクールアイドルは出られないんです。でも虹ヶ咲はその世界を破壊しました。かつてスクフェスの低レアキャラとして登場したキャラたちが声付きでアニメに登場しました。そして虹ヶ咲のアイドルたちも大会出場者ではありません。強くないアイドルがいていいんです。(ここでいう強くないとは魅力がないという意味ではなくラブライブという大会で結果を出していないという意味です)今までのラブライブは大谷翔平やイチローのような人の話でした。でも誰もが大谷になれるわけじゃない。虹ヶ咲はプロにはなれなくても野球を楽しんでいる人たちを主役にしたアニメではないでしょうか。

そもそも私は客じゃないのかもしれない

そもそも私は虹ヶ咲のアニメの想定された客ではないのかもしれません。このアニメはスクスタをプレイして虹ヶ咲のメンバーを好きになった人に向けてできたアニメなのかもと思いました。このアニメはスクフェスとスクスタを愛した人に向けた作品だったら? 私は想定外の客だったのかもしれません。お酒が飲めないのに居酒屋に来てしまったようなものかもしれません。

でも虹ヶ咲はいいアニメだと思う

個人的に気になった部分を長々と書いてしまいました。こんなに文句言ってあれですが私の好きなサンシャインだって決して欠点のない作品ではありません。かなり突っ込みどころは多いです。批判も多いです。それでも好きです。今回はたまたま虹ヶ咲というアニメが自分に刺さらなかっただけで、虹ヶ咲というアニメを通じて人生を変えられた人、ライブに行った人、たくさんいると思います。そんな人たちの思いを否定することはできません。そして私のこの記事を見て、「おい! お前の批判は的外れだ、間違っているぞ!」と思った方はどしどしコメントしていただけると幸いです。そのコメントを参考にもう一度アニメを見ようと思います。サンシャインとAqoursに人生を変えられた人間として虹ヶ咲のことをもっと理解したいと思います。

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