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英語発音の練習ができるマガジンはじめました②

【はじめに②】知っておくとスムーズに理解が深まる英語発音の基礎知識

まず「英語の音」と「日本語の音」は違う。というふうに認識しておくと、英語の発音学習はスムーズになります。

どうしても日本語の音に置き換えて英語を話してしまうから、いわゆる「日本語英語」のようになってしまうのです。だからといって「日本語英語」は英語ではない、というわけではありません。日本語なまりのある英語だというだけで、間違いでもなく悪いわけでもありません。

ただ、一度リセットして、英語の音を一から頭に入れるためにも、英語は日本語の音と違うのだという意識をもっておいてください。


さて、英語発音の基礎知識として以下の項目について説明していきます。練習を開始する前にぜひ一度目を通されてください。ひとつひとつの音の解説で発音に関する用語が出てきて??となった時にも、もう一度読んで内容を確認すると、理解がさらに深まります。

1.母音と子音
2.二重母音
3.有声音と無声音
4.発音記号
5.リンキング
6.強弱アクセント
7.イントネーション
8.国際語としての英語


1.母音と子音

母音とは、摩擦や破裂なく出せる音のことです。日本語で言う「あいうえお」です。口の開きの大きさ・舌面の位置・唇の形・舌などの筋肉の緊張度によって音が変わります。英語の母音の数は多くの英語辞典では20前後に分けてあるものが多いですが、二重母音や半母音も母音に入れるかどうかでその数は変わってきます。このマガジン内では11の母音の音を紹介していきます。

子音とは、音の発声器官(喉・唇・舌・歯など音を生成するのに必要な体の部分)で、空気の流れが干渉されて出される音のことです。摩擦音、破裂音、閉鎖音、鼻音、流音などに分類されます。英語の子音は一般的に25前後に分けてあります。このマガジン内では26の子音の音を紹介していきます。

英語の語彙・文章を見てみると、約70%が子音で成り立っています。また英語といっても使用されている国ごとに方言アクセントがありますが、これは主に母音の違いによって作られていて、子音が変わることはほとんどありません。
ですから、子音をまずマスターしておく必要があると考えます。

2.二重母音

二重母音とは、二つの母音がつながって発音され、かつ音の長さは普通の母音のひとつ分で発音される音のことです。
例えばtakeは「テイク」と日本語で表記し、aは「エイ」と発音されます。このとき、日本語であれば「エ・イ」とふたつ分の母音としてとらえますが、英語ではひとまとめに /ei/ と発音されます。
このマガジン内では8の二重母音の音を紹介していきます。

3.有声音と無声音

喉に手を当てて声を出してみてください。「あー」というと、喉が震えて振動が伝わってきます。「はぁ」と息だけでため息をついてみると、喉は震えません。
この時の、喉が震えるという動きは声帯で起こっていて、呼気の通り道が完全に空いているか(無声音)呼気が声帯を震わせながら通ったか(有声音)によって区別されます。

子音においては、同じ口の形でこの有声音と無声音のふたつの音が出せるものがあります。 /p/ と /b/ 、/f/ と /v/ もそうです。

4.発音記号

英語の辞書を見たときに、単語の発音を記号であらわしたものがあります。これが発音記号です。発音記号を理解しておくと、知らない単語を辞書で調べて発音できるのでとても有利です。

ところが、辞書や本の著者によって独自の発音記号を利用されることもあり、混乱することがあります。また、アメリカの英語辞典と日本の英語辞典では異なる発音記号を使用しているものもあります。

日本では一般的に「国際音声記号(IPA)」をもとに、学習者に分かりやすくするため多少変更・簡易化して表記されています。このマガジン内でも、こちらのわかりやすい発音記号を使用しています。

5.リンキング

単語が複数続く場合、前の単語の終わりの子音と次の単語の初めの母音(または母音に近い子音)がつながって発音されることをリンキングといいます。
例えば、take itの場合「テイキッ(ト)」と聞こえます。一語一語をはっきりと読む場合は起こりませんが、普通の音読・会話などでは常に起こる現象です。

このことを知らずにいると、聞き取りの際に大きな障害となりますし、自分が発音するときにも流暢さに欠ける原因となります。

6.強弱アクセント

日本語は一字一字の音を落とすことなく発音します。音が高くなったり低くなったりして音の高さを変えてアクセントをつけているので「高低アクセント」を使用する言語といわれています。
一方英語では、文章の中で強く発音するものと弱く発音するものと区別されて話されているので「強弱アクセント」を使用している言語です。

このことから、弱く発音されている単語がよく聞き取れないことが多々あります。聞き取りだけではなく発音するときにも、このアクセントの違いを意識しながら発音すると、英語の流暢さに変化がでます。

こちらのビデオでも説明しています

7.イントネーション

話すときにその文章・発話全体につけられた抑揚のことをイントネーションといいます。

例えば、日本語であれば疑問文の時はいつも語尾を上げます。また「そうですね」という言葉でも、イントネーションを変えると受け取る意味も違ってくることがあります。どういうふうに意味が違ってくるのかということは、母語話者であれば経験上身につけていくものなので、学習者に説明するのはとても難しいことです。

英語におけるイントネーションも同じように、英語でのルールがあります。疑問文では普通、答えがyes、noで答えられる質問は尻上がりで尋ね、それ以外は語尾を下げます。イントネーションが変わると意味が違ってくる場合では、Thank you.を尻下がりでいうと「ありがとう」なのに対して、語尾を上げて言うと「どうも」と軽い意味となり、またyouを強めて言うと「こちらこそ」となります。何度も聞いたり話したりして身につけていきます。

8.国際語としての英語

英語は国際共通語としての地位を確立させています。世界の人口の約5分の1の人たちが英語を実用レベルで使っています(文部科学省・国連のデータより)。しかもそのうちの75%は非ネイティブ(英語母語話者ではない)なのです。

そういうわけもあって、英語でも使われる国によってそれぞれ独特なクセをもった英語が存在します。例えば、スペイン語のクセをもった英語をSpanglish、シンガポールのクセをもった英語をSinglishと呼んでいます。

つまり英語はひとつの言語だけど、多様性があるということ。ですから私たち日本人のクセを持った英語でも「英語」なのです。自信をもっていいんです。

でも、注意しないといけないのは、そのクセによって誤解を生まないかということです。LとRの発音を混同したことで通じなかった、sitを「シット」と発音して笑われた(アメリカでは放送禁止用語です)などです。間違いをしないよう、知識として正しい発音を知っておくことはとても大切です。