2012年4月13日『おいらはファイター』
【10年前の2011年9月9日のコラム】
「おいら」。めっきり見かけない、自分(一人称)をそう呼称する曲、前はメジャーにも少なくなかったものだ。
そもそも自己をオイラと呼ぶ人も最早そういないのだろう。僕も使ったことは無い。田舎くさい印象もあるが特にどこの地方由来というものでもないようだ。
古くは「おいらはドラマー」の裕次郎辺りから、岡林信康や拓郎のフォークを経て、僕が小学校の高学年だった80年代初頭の甲斐バンドや長渕剛やチャゲ&飛鳥のフォーク系の「ニューミュージック」(死語)勢で尽きたような印象があるが、どうだろうか。「俺ら」と書く習わしも手伝ってか、時代の連帯感のようなものも感じられる。
今、誰かまた新しい「おいらソング」を生み出してもらえないだろうか。ラルクアンシエルやレミオロメンや福山雅治にゃ合わねーかな、やっぱり。
堂々とちょいカッコ悪い言葉や訛りで「ロック」する。いいじゃないか。ローカルなテイストを肯定しつつ世界に出るのだ。勿論、標準装備は必要だが。
どマイナーなものがポピュラリティを獲得するのを見るのは楽しい。三角絞めとかさ。岡山の旧制高校で生まれたんだぜ! 世界的にtriangleで通っているのがその証左。さあ新しいモノ、作ろ!
初出:2012年4月13日のウォール
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