2012年1月25日『MMA観の変遷』
【10年前の2012年1月25日のコラム】
MMA観の変遷。上京した当初より元ミドル級王者の石川義将先輩のもと、修斗のイロハより御指導いただき、 元々経験があり強みだと思っていた組み技を心臓部に置き、闘っていた。
でも、それでこれからも良いか、将来のことも合わせ、 確信めいたものはなかった。ただただ無我夢中だった。
僕のデビューの約半年後にUFCがスタート。すべてはグレイシー柔術の登場で変わった。柔術を研究し、対戦~交流することで自分のMMA観は形作られてきた。
その後も打撃優勢やらレスリング優勢、柔術復権 (?)、「いや、やっぱ修斗のやり方」だ等と、ジャンルの追いかけっこに見えたりしたが、現在はパーツを細分化して各分野のコーチをしっかり導入し、コーディネーターが全体を調える「マルチサポート体制」の時代を迎えている。
技術の融合・革新はまさに日進月歩。フィジカル面を土台に、今やどのパートもしっかり装備された上、図ぬけて強力な武器を単品でなく幾つも持つ。指導者である僕らはまだまだ進歩できるはず、と日々戦略・アイデアを練る。 勉強しなければ、置いていかれるのだ。
ここで、敢えて自分なりのやり方を言語化すれば、「その人間のやり方を見つけて、引き出す」、になるだろうか。つくづく、東洋人だと思う。
MMAを日本のお家芸に高められるよう、戦いは続く。
初出:2012年1月25日のウォール
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