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2011年11月26日『故郷・その1 "ルッツ"』

【中井祐樹Diary on Facebook 2011-2013】
かつてFacebookにて投稿していたコラムをまとめた旧「ノート」機能の廃止により、こちらに復刻リンク致します。
のちの拙著『希望の格闘技』(2014年刊行)の原型ともなりました。

【10年前の11月26日のコラム】

 郷土が誇る(?)裏珍味。僕の故郷、旧称は北海道浜益郡浜益村。現在は石狩市浜益区である。

 ほとんど他に誰も知らないであろう、「ルッツ」という珍味を僕ら村民はどこに住もうと生涯忘れることはない。

 秋から冬にかけて、海が荒れる。僕らの言葉で言えば、時化る(しける)。

 ひとしきり荒れたのち、静けさの戻った波打ち際に打ち上げられたもろもろの中に、異物と言って差し支えないグロテスクな物体「ルッツ」を発見できた時の僕らの喜び。絶頂だ。

 見た目はほとんど、男性の下半身にあるモノ。これがヤバい位の美味さなのだ。これで女性諸氏の「いいね!」は今回なくなったな…。

 正式には「ユムシ」と言い、海産無脊椎動物の一種だそうな。釣りのエサにも使用されるらしい。他地区では韓国・釜山で食するのみと聞く。パラエストラは第三の都市・大邱(テグ)に韓国支部があるが、さすがに出会えなかった。

 久々に食いたい。またルッツの刺身を。食いたい。炒め物も旨いらしいが食ったことがない。もう30年も前なのか…。

 観光で行く時期じゃないしな~。皆さんにも是非味わって頂きたいんだが。

 「浜益 ルッツ(又はユムシ)」で検索すると今は結構、ヒットする。凄い時代だ。

 頻繁じゃなかったけど、あんなん食ってたの世界でもほとんど俺らだけだったんだな…。今更ながら、驚きだ。

初出:2011年11月26日のウォール



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