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2011年11月21日『読書遍歴・その3』

【中井祐樹Diary on Facebook 2011-2013】
かつてFacebookにて投稿していたコラムをまとめた旧「ノート」機能の廃止により、こちらに復刻リンク致します。
のちの拙著『希望の格闘技』(2014年刊行)の原型ともなりました。

【10年前の11月21日のコラム】
三たび、読書。高校生となった僕は夜寝る前に文庫本を読むクセをもつ5学年上の兄に影響され本格的に文庫本ワールドへ。目に悪いが。

 そう、割と何でもカタチから入る僕は、中学までは数冊にとどまった文庫本を読み漁ることで大人への道を歩んでいるつもりでいたのだった。

 ご多分に漏れず、赤川次郎辺りから始まったが、またもや兄の薦めで間もなく西村京太郎に転向(?)した。小学生の時の、探偵や刑事になりたかった気持ちが復活したかの如くのめり込んだ。

 西村氏は既に「トラベルミステリー」期に入っていたが僕的には特に「天使の傷痕」や「幻奇島」といった初期の作品群に魅了された。(主に講談社か徳間文庫版。)社会派というかリアリティがあり、軽さに流れずしかも面白い。究極の小説スタイルだと感じたものだ。

 しかしまだ旅は続く。推理小説を好きになるとハードボイルドに向かう、ってよくあるんじゃないだろうか。

 北方謙三経由でレイモンド・チャンドラーやロス・マクドナルドに向かいハードボイルドの源流とされるアーネスト・ヘミングウェイへと進んだ。

 が、ここで「パロウ(※)」! 

 受験勉強に突入の為、「海流の中の島々」(新潮文庫)を残し中断。しかし結果的に、ハードボイルド路線はこののち北大時代に翻訳文学や哲学に向かう助走となったのだった…。

 皆さんもお薦めの推理/ミステリー/ハードボイルド作品、教えて下さいね。


※「Palou」はポルトガル語。直訳では「止まる」「停まる」の意。ブラジリアン柔術の公式試合では試合を中断もしくは終了するときに審判が発声する。

初出:2011年11月21日のウォール

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