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【デュエプレ選手権】1ヶ月調整の集大成「ハイブリッド型」赤黒MRC解説

はじめに


デュエプレ選手権で使用した【赤黒MRC】について解説します。
大会戦績は1没と不甲斐ない結果でしたが、牛乳さん、汀さんとデュエプレ選手権に向けて約1ヶ月間調整を行い、デッキリスト、プレイング共に納得行く形に落とし込むことができたため、調整の集大成として記事に残すことにしました。

本デッキの実績として牛乳さんがベートーベンカップNDで使用し、レート1718で最終4位を獲得しました。

デッキリスト

《ヴォルグ・サンダー》による墓地肥やしをメインとした「呪文型」と呼ばれる構築に《埋葬虫ベリアル・ワーム》を採用した「ハイブリッド型」になります。
環境で高い使用率を誇る【シータ刃鬼】系統【青単リキッドピープル】【白緑アガサ天門】【赤黒MRC】に満遍なく戦えることをゴールに調整した結果、この形になりました。

デッキタイプ選択理由

まず使用デッキとして候補になったのは【青単リキッドピープル】【シータ刃鬼】系統【白緑アガサ天門】【赤黒MRC】【ドロマー(青黒)祝門】の計5つです。ここで自分たちは、公認大会のデッキ分布を基にデュエプレ選手権のメタゲームを以下の通り予想しました。

この予想を踏まえて、候補デッキの中だと【赤黒MRC】が一番勝ちやすいと自分たちは判断しました。
詳しい判断理由は以下の通りです。

【青単リキッドピープル】

ポテンシャルは高いと感じましたが、構築の自由度が低く、環境で意識された中では勝ちきれないと判断しました。
シールドに行く判断や、同型対決の《大集結!アクア・ブラザーズ》をケアした戦い方等、プレイングによる伸び代が非常に大きいのは良い点です。
しかし各デッキがこのデッキタイプを意識する形で環境が回り、少しずつ勝率が下がっている印象を受けました。
特に明確な不利対面である「クリーチャー型」【赤黒MRC】の台頭は非常に向かい風だと感じました。
そういった中で単色の種族デッキであるが故、構築の自由度が低く、対策の対策もしづらいと考え不採用になりました。

【シータ刃鬼】系統

同型対決を優位にしつつ苦手対面を克服することができないと判断しました。
同型対決は自分のデッキが回る安定性を優先した【シータディメンジョン】が勝ちやすいですが【白緑アガサ天門】【青単リキッドピープル】に有利とは言えません。
比較的自由枠の多い【シータ刃鬼】の形にしてメタカードを入れれば対抗できるものの、それぞれメタの方向性が異なり、上記2デッキを対策するほどデッキの安定性が落ち、同型対決の勝率が下がってしまいます。
デッキ登録期限日までこのデッキタイプを使うか悩みましたが、上記のジレンマの突破口が見つけられず不採用になりました。

【白緑アガサ天門】

苦手対面を克服できない事と、デッキの不安定さが気になり不採用となりました。
【赤黒MRC】【青単リキッドピープル】といった、高い使用率が見込まれるデッキタイプに不利がつく点は許容できませんでした。
また《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》《眠りの森のメイ様》への依存度が高く、これらをタイミング良く引けるかどうかの勝負になってしまいやすいと感じました。

【赤黒MRC】

環境で主流の「クリーチャー型」は【シータ刃鬼】系統以外には有利な印象でした。
まず、ハンデスや除去枚数が多いことから【白緑アガサ天門】には構造的に有利です。
【青単リキッドピープル】に対しても《埋葬虫ベリアル・ワーム》を採用したことで「呪文型」と比べて大幅に相性が改善しています。
なぜなら小型アタッカーの攻撃を止めたうえで、《封魔ゴーゴンシャック》の影響を受けずに墓地を肥やし続けられるからです。
一方、墓地肥やし手段を《埋葬虫ベリアル・ワーム》に依存していることと墓地肥やしスピードが遅いことは欠点であると感じました。
そのため【シータ刃鬼】系統には《サイバー・N・ワールド》を一度でも出されると立ち直しができず、不利がついてしまいます。
ただし、ランクマッチと比べて公認大会での【シータ刃鬼】系統の使用率が低いことから、【赤黒MRC】の通り自体は良いと判断しました。

【ドロマー(青黒)祝門】

デッキの出力の最大値が低く、他のデッキの出力の高さに対応できない点が致命的でした。
例えばこちらが《コアクアンのおつかい》や《祝儀の堕天チャーマジュン》をプレイしている間に、【青単リキッドピープル】にはシールドを詰め切られ、【シータ刃鬼】系統には《超次元リュウセイ・ホール》や《サイバー・N・ワールド》をプレイされ、【白緑アガサ天門】には《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》が出され、大勢が決してしまいます。
仮に《ウェディング・ゲート》を使うことができたとしても、リーサルまでは遠い道のりです。
これらを踏まえた上で【ドロマー(青黒)祝門】を使用する利点が見つけられず不採用になりました。

「ハイブリッド型」にした経緯

【赤黒MRC】の通りが良さそうとはいえ、「クリーチャー型」をそのまま使うにはまだ抵抗がありました。
先述した通り、墓地肥やしの手段を《埋葬虫ベリアル・ワーム》4枚に依存しているため、デッキの動きの不安定さが目立ちました。
そのため、同型対決における勝率も安定しない結果となってしまいます。
また全勝する観点では【シータ刃鬼】系統や【赤黒MRC】同型への勝率を少しでも高くする必要があります。
こうした課題意識を持ちながら調整を進めるうちに、以下の発見がありました。

  • 【青単リキッドピープル】に有利な要素は《埋葬虫ベリアル・ワーム》と2コストハンデスを多く採用している点に集約されている

  • 環境デッキの有効トリガー枚数が少なく、《超次元シューティング・ホール》を絡めたリーサルはやや過剰

  • 《超次元ライデン・ホール》でも《激相撲!ツッパリキシ》を採用することで《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》を絡めたリーサルが作れる

  • 「クリーチャー型」での問題は「呪文型」で採用されていた3コストチャージャーや【超次元ライデン・ホール】を織り交ぜることで改善できる

以上の発見を踏まえて、自分たちは【青単リキッドピープル】への勝率を維持しながら、「クリーチャー型」のやり過ぎな部分を削ぎ落とし、【シータ刃鬼】【赤黒MRC】に対してもなるべく勝てることを目指しました。
その結果《埋葬虫ベリアル・ワーム》と《超次元ライデン・ホール》を両立した「ハイブリッド型」が誕生しました。

採用カードピックアップ

《特攻人形ジェニー》×2
《ゴースト・タッチ》×4

【青単リキッドピープル】【白緑アガサ天門】に積極的に使用するため2コストハンデスは6枚採用にしました。
対【青単リキッドピープル】は序盤に相手のビートを妨害できるかの勝負になるため、2ターン目から妨害札を使用し続けられることが大事になってきます。
また対【白緑アガサ天門】は序盤に《眠りの森のメイ様》が絡まなければ《ヘブンズ・ゲート》+《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》+《奇跡の精霊ミルザム》のコンボをどれだけ妨害できるかの勝負になり、相手の6マナ到達前にハンデスを使える事が大事です。
《ゴースト・タッチ》を優先して採用している理由は《埋葬虫ベリアル・ワーム》を4枚採用したことによるクリーチャー総数増加の抑制に加えて、対【青単リキッドピープル】でS・トリガーを持っていることが有効になるからです。

《埋葬虫ベリアル・ワーム》×4

特に対【青単リキッドピープル】で有効なクリーチャーです。
従来の「呪文型」は《封魔ゴーゴンシャック》を出されると3コストチャージャーや5コストホール等がマナカーブ通りに使えなくなり、その間に《超閃機 ジャバジャック》を含めた過剰打点を揃えられてしまうのが弱点でした。
このカードはブロッカー持ちのクリーチャーで《封魔ゴーゴンシャック》によるコスト増加の影響を受けず、定着することで墓地を貯め続けることができるため【青単リキッドピープル】側は上記の打点貯めプランを取りづらくなります。
また、必要以上に墓地を貯め続けてしまうことに関しては《超次元ライデン・ホール》のコストにすることでケアが可能です。
【青単リキッドピープル】に勝つためには安定してこのカードを引けることが求められ、他の対面にも3コスト初動として十分に活躍できると考え4枚採用にしました。

《ボーンおどり・チャージャー》×4
《エンゲージ・チャージャー》×2

同コストである《埋葬虫ベリアル・ワーム》4枚採用に伴い、3コストチャージャーは6枚採用と少し枚数を抑えて、3コスト帯は計10枚体制にしました。
【シータ刃鬼】系統に有効で、序盤にマナを伸ばしておく事が《サイバー・N・ワールド》着地後の対応のしやすさに繋がります。
初動としては墓地を肥やせる枚数の多い《ボーンおどり・チャージャー》の方が優先度が高いです。
《エンゲージ・チャージャー》は《青単リキッドピープル》などのビート対面にリーサルずらし手段として重宝します。

《白骨の守護者ホネンビー》×1

待望の墓地のクリーチャーを回収できる軽量クリーチャーでしたが、《ヴォルグ・サンダー》の墓地肥やしの枚数の期待値を考慮してクリーチャー総数を絞る必要がありました。
1枚目の採用は《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》に繋がる受けの枚数が自身に加えて《地獄門デス・ゲート》×4の計5枚と大きく広がるのに対して、2枚目以降の採用は受けの枚数が1枚ずつしか増えません。
1枚目を採用することによるデッキ全体の貢献度は高いですが、2枚目以降はトップドローの受け枚数の向上より《ヴォルグ・サンダー》のバリューが落ちる欠点の方が気になったため1枚のみの採用にしました。

《超次元ライデン・ホール》×3
《超次元リバイヴ・ホール》×4

《ヴォルグ・サンダー》を出せる5コストホールは計7枚で十分という結論になりました。
そもそも、このデッキは《埋葬虫ベリアル・ワーム》を採用しているので《ヴォルグ・サンダー》に頼らずとも墓地を肥やすことは可能です。
また【青単リキッドピープル】のようなビート対面に対してはシールドを詰められた際、2枚目以降を抱えたところで使う機会がありません。
さらに先攻4ターン目までに5コストホールが引ける確率も約82%あることまで考えると、「呪文型」ほど5コストホールを搭載する必要はないと判断しました。

リーサルルート

本デッキで使用頻度の高いリーサルルートを紹介します。
実際の対戦では墓地の呪文の中身、元々の盤面の状況次第で選択は変わってきますが以下のルートを応用することで自分は最善手を見つけやすくなりました。

①《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》単体

《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》召喚、攻撃時
1.《超次元リバイヴ・ホール》で《時空の戦猫シンカイヤヌス》を出す
2.《地獄門デス・ゲート》でクリーチャーを出す
3.《超次元ライデン・ホール》で2.で出したクリーチャーを破壊、《激相撲!ツッパリキシ》、《ヴォルグ・サンダー》を出す
《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》に覚醒、《ヴォルグ・サンダー》にスピードアタッカー付与
→《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》(3点)、《ヴォルグ・サンダー》(2点)、《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》の計6打点

②《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》+《超次元リバイヴ・ホール》

《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》召喚
《超次元リバイヴ・ホール》で《時空の戦猫シンカイヤヌス》を出す
《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》攻撃時
1.《超次元リバイヴ・ホール》で《勝利のガイアール・カイザー》を出す
2.《超次元ライデン・ホール》で《ヴォルグ・サンダー》を出す
《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》に覚醒、《ヴォルグ・サンダー》にスピードアタッカー付与
→《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》(3点)、《ヴォルグ・サンダー》(2点)、《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》、《勝利のガイアール・カイザー》の計7打点

③《超次元リバイヴ・ホール》(墓地の《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》を回収する)

《超次元リバイヴ・ホール》で《勝利のガイアール・カイザー》を出す
(※以下は①と同様)
《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》召喚、攻撃時
1.《超次元リバイヴ・ホール》で《時空の戦猫シンカイヤヌス》を出す
2.《地獄門デス・ゲート》でクリーチャーを出す
3.《超次元ライデン・ホール》で2.で出したクリーチャーを破壊、《激相撲!ツッパリキシ》《ヴォルグ・サンダー》を出す
《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》に覚醒、《ヴォルグ・サンダー》にスピードアタッカー付与
→《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》(3点)、《ヴォルグ・サンダー》(2点)、《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》、《勝利のガイアール・カイザー》の計7打点

④《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》+1打点クリーチャー

《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》召喚
1打点クリーチャーで1点
《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》攻撃時
1.《超次元リバイヴ・ホール》で《時空の戦猫シンカイヤヌス》を出す
2.《超次元ライデン・ホール》で1打点クリーチャーを破壊、《激相撲!ツッパリキシ》《ヴォルグ・サンダー》を出す
《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》に覚醒、《ヴォルグ・サンダー》にスピードアタッカー付与
→1打点クリーチャー、《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》(3点)、《ヴォルグ・サンダー》(2点)、《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》の計7打点
※相手のシールドが6枚かつ《地獄門デス・ゲート》が墓地にない時などに使用する

思考時間短縮術

《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》から唱える呪文候補は超探索で選ばれるため、正しいプレーを選ぶには探索濁りのリスクを適切にケアすることが肝要です。
以下では、超探索の確率を考えるうえでの小技を紹介します。

①墓地の呪文はコスト毎に分解して足りないものを数える

呪文の種類を把握するには、墓地にあるものを数えるより、ないものを数える方が早いです。
本デッキの呪文の内訳は、
2コスト:1種類
3コスト:2種類
5コスト:2種類
6コスト:2種類
の計7種類です。

墓地の呪文をコストが低い順に確認していき、足りないカードを数えることで、一度の確認で網羅することができるようになりました。

②探索1パターンあたりの発生確率を覚える

《超次元ライデン・ホール》を外す確率、《超次元リバイヴ・ホール》《地獄門デス・ゲート》の両方を外す確率など、正しいプレーを選ぶためには墓地の呪文種を数えるだけでなく、探索のハズレパターンとその確率を臨機応変に判断する必要があります。
そこで探索1パターンあたりの発生確率を暗記しておけば、対戦中はハズレパターンの数を考えるだけで探索濁りの確率を計算することが可能です。

墓地の呪文が6種類:
探索濁りの確率は外してはいけない呪文の数×約17%
特定の呪文が外れる確率は約17%(1/6)

墓地の呪文が7種類:
探索濁りの確率は外してはいけない2つの呪文の組み合わせの数×5%
探索の組み合わせは21通り(7C2)なので1パターンあたりの発生確率は約5%

例えば墓地の呪文が6種類のときに《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》でリーサルを組みたい!という場面を想像してください。
このとき手札にある《超次元ライデン・ホール》を唱えて7種類にしてからメテオバーンを使うべきか、6種類のままでリーサルを狙うべきかを検討します。

この問題の難しいところは、7種類にした場合に《超次元リバイヴ・ホール》を外しやすくなる代わりに、万が一外しても《超次元ライデン・ホール》でアタックキャンセルできる選択肢が増える点です。
アタックキャンセルができることも成功とする場合、6種類の場合と7種類の場合の成功確率はそれぞれ以下のように計算することができます:

墓地の呪文が6種類
ハズレのパターン: 《超次元リバイヴ・ホール》外し、《地獄門デス・ゲート》外し
成功確率=100% - (17%*2) = 66%

墓地の呪文が7種類
ハズレのパターン:《超次元リバイヴ・ホール》+《地獄門デス・ゲート》外し、《超次元リバイヴ・ホール》+《超次元ライデン・ホール》外し
成功確率=100%-(5%*2)=90%

つまり、今回だと《超次元ライデン・ホール》を唱えた方が良いと分かります。
実際の対戦ではここからS・トリガーを踏む確率や、アタックキャンセル後に状況が悪化する確率を考慮する必要がありますが、超探索の成功確率だけを考えるとこの手法で比較的簡単に求めることができます。

各対面プレイング

対【青単リキッドピープル】

【大局観】
《封魔ゴーゴンシャック》の処理漏れ、小型クリーチャーによる刻みが勝敗に大きく影響する対面です。
従って【赤黒MRC】側の勝ち筋は以下となります。
・《埋葬虫ベリアル・ワーム》で小型クリーチャーの刻みを咎めてターンを稼ぐ
・《邪眼獣ヤミノオーダー》で《封魔ゴーゴンシャック》や《超閃機 ジャバジャック》を処理し続ける

【プレー方針】
・《封魔ゴーゴンシャック》を場に残さず、シールドを奇数枚に維持する
・2コストハンデス《埋葬虫ベリアル・ワーム》《邪眼獣ヤミノオーダー》の計14枚の中から4ターン目までに2枚以上カードをプレーする
・《邪眼獣ヤミノオーダー》は最優先でキープする
・《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》は積極的にマナ埋めして、シールドや《超次元リバイヴ・ホール》から回収するイメージで立ち回る
・5マナのタイミングで《ヴォルグ・サンダー》を出す行為は隙が大きいため、隙を消すように序盤を固めるか、5コストホール呪文を撃たずとも墓地を溜めていけるアクションを選択する
・除去を吐くうちに相手の墓地も自然と増えていくことは念頭に置く

【負け盤面】
シールド残り2枚でこちら盤面0に対して、進化リキッドピープル+1体が並ぶ状況

【ゴール盤面】
・《霊魔の覚醒者シューヴェルト》の完成
・S・トリガー2枚要求のリーサル

【3コスト帯の優先順位】
基本的に《埋葬虫ベリアル・ワーム》優先です。
《超次元ミカド・ホール》を採用していない都合上《ヴォルグ・サンダー》設置の隙が大きく、ターン経過で《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》着地に近づくカードの価値は高いからです。

対【シータ刃鬼】系統

【大局観】
《永遠のリュウセイ・カイザー》に対処するため除去札を1枚抱えてゲームすることを目指します。
《恵みの大地ババン・バン・バン》の着地がタイムリミットなので、7マナまで伸ばすことで《ヴォルグ・サンダー》を出したターン中に《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》を出せるようにすることが非常に重要です。
マナを伸ばす行動は《サイバー・N・ワールド》へのケアも兼ねているため、最優先で行いましょう。
また、ハンデスは後攻であっても使用しない方が良いケースが多いです。
【シータ刃鬼】系統は1枚でアドバンテージを生み出すカードがデッキ内の大部分を占めており、ハンデスしてもトップドローで解決される可能性が高いためです。
一方こちらはリソースが細く、ハンデスを撃ったことで除去やホールを抱えづらくなってしまいやすいです。
ややトリッキーな戦術として、相手が《サイバー・N・ワールド》を出すことに執心している場合は《超次元ライデン・ホール》を絡めたビートプランも有効です。
《時空の霊魔シュヴァル》+《ヴォルグ・サンダー》の形を作ることができれば、《サイバー・N・ワールド》の返しに《霊魔の覚醒者シューヴェルト》を完成させやすくなり、《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》に頼らず勝てる可能性がグッと上がります。

【プレー方針】
・とにかく7マナまで伸ばす
・《永遠のリュウセイ・カイザー》や《眠りの森のメイ様》を対処できる札を抱える
・《超次元ライデン・ホール》はなるべく2面展開できるように運用する

【負け盤面】
《恵みの大地ババン・バン・バン》着地後の《サイバー・N・ワールド》
《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》による大量展開後、《勝利宣言 鬼丸「覇」》のガチンコ・ジャッジ敗北
《眠りの森のメイ様》×2の定着

【ゴール盤面】
《ヴォルグ・サンダー》×2+《霊魔の覚醒者シューヴェルト》の完成

【3コスト帯の優先順位】
先述した通り3コストチャージャー優先です。

対【白緑アガサ天門】

【大局観】
《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》+天門系統呪文のコンボデッキなので、このコンボをどれだけ妨害できるかに集約されています。
【白緑アガサ天門】は【赤黒MRC】と同様リソースが細いデッキですが、ホール呪文からのシステムクリーチャーや《眠りの森のメイ様》でこれを賄っています。
【赤黒MRC】は除去やハンデスの部分で優れていますが、システムクリーチャーを早期に除去、ハンデスでコンボパーツを引き抜く戦術が有効です。
相手をコントロールし切った後は、《雷獣ヴォルグ・ティーガー》で《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》や《奇跡の精霊ミルザム》を抜き続けながらシールドを詰めるのが最も安全です。
相手が「ホール型」の場合、《聖隷王ガガ・アルカディアス》による早期ビートプランがあるので注意が必要です。

【プレー方針】
・《地獄門デス・ゲート》を優先的にキープ
・相手が「大地型」でない場合はなるべく《邪眼獣ヤミノオーダー》もキープ
・相手も自分もリソースが細いデッキなので、迂闊にハンデスを撃つとこちらがキツくなる場合があり、しっかり相手の意図や手札を汲み取ってからハンデスする

【負け盤面】
・《地獄門デス・ゲート》持っていない状態で《奇跡の精霊ミルザム》+《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》が着地
・《聖隷王ガガ・アルカディアス》による早期のシールド殴り
・《眠りの森のメイ様》の定着

【ゴール盤面】
・《雷獣ヴォルグ・ティーガー》の完成
・相手が9マナ未満の状態で手札が空

【3コスト帯の優先順位】
ハンデスで《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》の着地を妨害できる手札であれば以下の理由から《埋葬虫ベリアル・ワーム》優先です。
・相手は《埋葬虫ベリアル・ワーム》に触る手段がない
・《超次元ライデン・ホール》のコストにできる
・ハンデスプランの時にリソース源になる
・万が一《奇跡の精霊ミルザム》+《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》を出されても《地獄門デス・ゲート》引くまでターンパスすることが肯定される

対【赤黒MRC】

【大局観】
《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》を先に着地させた方が有利です。
《変貌の覚醒者ジョジョン・パワード》を絡めたリーサルや、《霊魔の覚醒者シューヴェルト》を含めた強固な盤面を返すことが難しいためです。
お互いの墓地の状況から先に《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》を着地できるかを予測して、自分が先であれば手札リソース確保を優先し、相手が先であればハンデスによる妨害を狙います。
とりわけ「クリーチャー型」の場合は墓地肥やしを《埋葬虫ベリアル・ワーム》に依存しているので、これを除去するだけで相手の展開を大きく阻害できます。

【プレー方針】
・明確に相手の《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》の着地ターンをズラせる場合以外墓地は肥やす。
・《埋葬虫ベリアル・ワーム》は積極的に処理する。

【負け盤面】
・シールド5枚以下の状態で《変貌の覚醒者ジョジョン・パワード》を絡めたリーサル
・こちらの《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》の超探索で《超次元ライデン・ホール》が濁り、返しの相手のターンに《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》着地

【ゴール盤面】
《ヴォルグ・サンダー》×2、《霊魔の覚醒者シューヴェルト》の状態で、手札に《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》を確保

【3コスト帯の優先順位】
《埋葬虫ベリアル・ワーム》を優先します。
墓地の呪文が潤沢な状態での《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》着地を目指す競争なため、継続的な墓地肥やしを重視します。

対【ドロマー(青黒)祝門】

【大局観】
《デュエマの鬼!キクチ師範代》を除去できるかどうかの勝負になります。
序盤の《祝儀の堕天チャーマジュン》に対応できるよう、ハンデスや《邪眼獣ヤミノオーダー》を当てるのが大事です。

【プレー方針】
・《超次元リバイヴ・ホール》による《勝利のガイアール・カイザー》《スーパー炎獄スクラッパー》《地獄門デス・ゲート》で《デュエマの鬼!キクチ師範代》を処理することを意識する
・《邪眼獣ヤミノオーダー》はできれば《祝儀の堕天チャーマジュン》《墓守の鐘ベルリン》《聖隷王ガガ・アルカディアス》用にキープする
・安易にサイキック・クリーチャーを出して《陰謀と計略の手》が刺さらないようにする

【負け盤面】
・《聖隷王ガガ・アルカディアス》+《デュエマの鬼!キクチ師範代》
・5ターン目最速《偽りの星夜 オレオレ・ダークネス》

【ゴール盤面】
《雷獣ヴォルグ・ティーガー》の完成

【3コスト帯の優先順位】
《埋葬虫ベリアル・ワーム》優先です。
ロングゲームをするマッチアップで、相手の動きの妨害をしている間に墓地を継続的に貯めることができるためです。

おわりに

記事作成に協力してくださった皆様ありがとうございました。
牛乳さんには調整グループの段取りから、記事の添削までして頂き本当に感謝しています。
密度の高い調整のおかげで、デッキ登録期限から大会当日までの1週間、デッキタイプ及びデッキリストに後悔はありませんでした。
牛乳さんの調整方法については記事を出しているので気になった方はこちらをご参照ください。

以上で終わります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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