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The place you dream of is not frustrated act.3-オットットリオ@目黒ブルースアレイジャパン-

今回の生配信ライブは、そもそも3月初旬に四日連続違うラインナップでこの場所で開かれる予定で、初日は主催する是方博邦さんの誕生日でもあった。しかし2月終わりにどーんと言われ大きな所が諦めるとやめる流れが強く激しくなり、小さなここをも濁流が呑み込んだ、ということ、だろうか。諸々を経て設備も対策もしっかり整え、この8月に改めて行われた。どーんと来る直前はこのライブに行きたい気持ちが自分もあった。しかし夏に開くと告知された時は地元の状況も遠征に対する世間の目も厳しく、配信に甘えた、悔しいけど。

オットットリオは以前noteに載せた詩『楽都』で詳細は語ったんでリンク先をみてほしい。あぁ、遂に自分の作品をはるとは。この時期の一連のアップ自体、濁流に対しこんちきしょうな気持ちで取り組んでいたが、今も状況は好転せず、こんちきしょー。


さて今回もフロントにギター3人が立ちドラムとベースが支える形は前と変わらず、尚リズム隊は元&現スクェアメンバーの須藤満さんと坂東慧さん。



開幕一曲目は是方さん中心でブルージーな『Watching the river flow』。ハイ初っぱなから楽しそうにソロを回すみなさん。7月の野獣王国の配信でもおっと目を見張ったがカメラの切り替えが音とリンクしていて気持ちが上がる。さぞかし綿密に打ち合わせし撮っているのだろうなぁ。ご挨拶は「半年御隠居さん」な野呂さん、フェイスシールドの帯でなんだか「アパッチ」な安藤さん、そして5ヶ月遅れのデビュー45周年と誕生日を祝えることも「ライブをやる口実」と言う是方さん。この間を「光陰矢の如し」と野呂さんが言ったが振り返ると、ホントその通り。

二曲目はその野呂さん中心で『上を向いて歩こう』は88年に出したライブアルバムに入っていて聴いていたが、今聴くとじんわりきた。この間に海外ドラマを見て過ごしたと話した安藤さんのオリジナル『Desert Dog』はハードな曲調でギターの音が重なる所がかっこ良かった、とチャットで言ったら同意する言葉が返ってきた。是方さん作『Tears of mermaid』はしっとりと3本のギターが歌う中それぞれの音を追うと三者三様のルーツがみえるなぁと思った。

ここで本日のスペシャルドリンクの紹介、名は『オットットニオン』、オニオン風味なんだろうか、どんな味やら。リアル-ライブハウスの観客は配信の画像からは見えないし声も出せない状況だけど、きっとグラスを見せたりして楽しんでいるだろう。

さて曲は動物タイトル大好き是方さんによる『オランウータン ツイスト』可愛くも陽気なブルースかな。ここでも3人の音は個性を全面に出る。安藤さんはライトハンド、野呂さんはアームを動かし、是方さんは足元のエフェクトを踏んで、と。こういうところもカメラはしっかり捉えギターガチ勢は喜んで見ているだろうと思いながら、ガチ勢じゃなくても音に合わせ画が変わるカメラワークに痺れた。一部ラストは『Boys be Ambitious』野呂さんがオットットリオが動き出した時に一番はじめに持ってきたという。私には昔-89年夏に名古屋で行われた3組のインストバンドによるライブの収録番組、SUPER FUSIONで繰り返し見た曲の一つでもあり、テレビで見た過去を懐かしみながら今の彼等をスマートフォンで見た、直にみられない悔しさを同じように抱きながら。


ここで彼等はステージを離れ、会場は休憩と換気の為の時間に。私はこの間にイマチケからユーチューブに移動し某氏の生配信を見た。丁度終わったタイミングで始まり終わったのが二部開始前だったのは、偶然なんだろうか、ね。


その二部はまずギター3人だけがステージに現れ『春がいっぱい』という大村憲司氏の曲のカバーを 「サイコーのタイミングで」と苦笑い感じる是方さんの紹介付きで。平和な春を思いながらゆったりまったり3本の音に聴き入った。終わった所でリズム隊が入り安藤さんが持ってきたジム・ホール氏の『CAREFUL』を演奏したが、前振りで「メロディだかリズムだか分からなくなる」と話した通りにつかみ所ない不思議な展開、しかしソロ回しは個々に気合というか心と手にギア入っていて。野呂さんのパートで坂東さんがドラムで絡んでいたのが音に感じ引き込まれたなぁ。終わった後で誰が言ったか「ここから見た人はびっくり」は納得。次に来たのは野呂さんのソロアルバムから『NESSA』は今の季節に一番合っている、真夏の熱気感じる曲。更にチャットで言っていたが、ほぼスクェアでCASIOPEAのリーダー作品を演奏する不思議さも。是方さんメインでビートルズのカバーはゆうるりとした曲調で三音合わさると美しく気持ちいい、とチャットで語ったら入っていた方に同意してもらえたのが嬉しかった。メンバー紹介では先刻の「『CAREFUL』をムチャクチャにした須藤です」(言われるまで判らなかったし周りに言わなきゃいいのに言われた氏)「ユーチューバーの坂東です」「赤コーナー野呂一生~」ゲストのフィリップ氏に触発されたと最近発売されたライブソフトのことを熱く語る安藤さん、コレチャンネルという自身のユーチューブチャンネルの宣伝をする是方さん、と個々のこの頃を、ひとりついさっきだけど語った後はこれも懐かしい『WE ARE ALL ALONE』この曲では画面が上下二分割になり上は固定、下は動いて演奏を撮した。リズム隊のソロが熱く須藤さんのチョッパーが格好良かった。一通りソロが回った後のカメラの切り替わりもたまらなかった。これで終わりとばかりにギターを外しかけてもうた安藤さんがあわあわしてからの『GUITAR CUBRICK』もオットットリオの代表曲、大盛り上がりで本編終了。リアルでは拍手、チャットでは文字でアンコールを求め、5人再びステージに集うや、『HAPPY BIRTHDAY』が誰ともなく奏でられ華やかなケーキが運ばれ、是方さんの五ヶ月経ての誕生日をみんなで祝った。この時野呂さんが「8を半分に割ったら3」とよい例えをもっそり。「イヤいいです」言うたけどよい例え←二度言うのは念押し アンコール曲は『RED BOOTS』ハードロックで一同弾き倒す叩きまくる。制限された人数:でも来てくれた観客の前で、ライブハウスで生で音を演奏する喜びを噛み締めるみたいに、熱い音は自分のスマホにも届いた。それはそれぞれの場所で見ている人たちにも。心を会場に飛ばして。


ところで終わり直後にチャットに入るや「配信の音が酷い」「やっぱりライブ(直)がいい」と不満発言を打ち込み去った人がいて、その時は発言は無視スルーした。反論しても無視しそうだしする気もなかったから。

そりゃ生が一番いい。直に音を体に浴びたい。しかし今は難しい。万が一は起こりかねない。どんな形やり方でも、時間の共有-ライブを離れていても共に楽しむ、生配信という可能性を大切にしてゆきたい。今まで観る機会が無かった人たちにはこの形は願ってもないチャンスになったのではないかとも。この時も「初めて」と言っていた人がチャットにいたのも本当。何も出来なかった春よりも、前を向いて手探りでも動ける夏の方がずっと楽しい。今は、無理なく無茶せず諸々にめげず、ライブをする時と場を守りたいね、みなさんで。何より次回のオットットリオは生で。