見出し画像

夏風の軌跡 アンコール-名古屋 街のど真ん中の晩夏-~ブルーノート名古屋の思い出 其の四~


栄の地下街が人でごった返していたのは

まあ 日曜日だからだろう

そう呑気に思いながら階段を上がると

夕方の広小路通りはもっと人で溢れていた

いつもは車列並ぶ道路を浴衣の女性が踊り

人通り多い歩道は屋台が並び

更にひしめき合っていた

その中を屋台で買った姫リンゴ飴を囓り

祭りの賑わいを楽しみつつ通り抜けた末

ビルの入り口を見つけ階段を下りてゆく

ざわめきも祭り囃子も遠のき

店舗の入り口に着くと

落ち着いた雰囲気は変わらず

ブルーノート名古屋は静かに開いていた


-もっとも この日は というかこのツアーは

ささやかなる祝いも込められてもいるけどね



夏の日は 当にビルの谷間に沈んでいた





今夜ここで観る二人は

19年くらい前は別々のバンドでよく観ていた

観る以前 ライブに盛んに行き出す前は

同じところにいたけれど 別れしまった

其れを知ってからは

行き損ねた後悔を二度としないよう

あちこち観に動きそれぞれの音を追った

時を経てイベントとかで

共演する光景を観られて喜んでいた自分が

バンドからもライブからも遠離ってしまった

そうして 今

昔 もうしないと決めたのに

新たな悔やみも背負い込みながら

ライブに 再び足を向ける


-バンドデビュー30周年なのに

    活動休止中は 淋しいぞ と叫びたい衝動を

    頼んだスタウトで流し呑み込んでの 今夜



まあ 本来のバンド名の別候補の名を

今回のユニットに付けたのは

互いのデビュー30周年のお祝いも

重ねているかなと思いつつ

二人のライブの幕が上がった



片やアコースティックギター

片やエレアコベース

シンプルな編成による始まりの曲は

テレビCMでも以前耳にした

『WHAT'S GOING ON』

口ずさみたくなるそのカバーは

しかし音の密度がとても高く

一曲目なのにか だからか 熱く奏でる

自分の口から驚きの声が出てしまう位に

挨拶の後は更にびっくり

バンド初期から居た時代の曲が続いた

少し前に雑誌で「バンドの曲はやらない」と

語っていたから九割方諦めていただけに

一割の期待が叶ってとても嬉しかった

他の観客も演奏されるや驚き

やがて喜び 懐かしい曲にたっぷり酔った

ギターの方のソロの曲やら

ベースの方が今年出すアルバムの曲やら

この夜集まった人たちには

たまらない選曲が並んだ後は

ジャズの甘いスタンダードに

セッションでよく取り上げる曲を

弾き倒す そんな言葉がハマる長く熱き一時

聴きなから いつかバンドでも

なんて願望が新たに芽生えたものの

先ずは再開を と思い直す

激しくも楽しげな二人の演奏を観ながら



アンコールを含め90分程のライブは

本当にあっという間だった

もっと聴きたい欲を会場に置いて外に出ると


車道には車が列をなし

歩道を行く人は家路を急ぐ

街に祭りの喧騒は当に消え

余計に 終わった寂しさが増す

頬に当たる夜風も涼しく

終わりゆく夏をしみじみ感じた




終わる夏の次に秋が来るように

楽しい時には 終わりが来るけれど

次は又巡ってきて淋しさは期待に変わる

後悔はまだ残っていても

二歩位は前に進んだ気分


悔やむなら動かなきゃと思い続けていた

ライブが大好きだった昔の自分に

また 近付きたい





画像2



このライブは11年前、2009年8月に観ました。Pegasusというユニットは、当時は詩でも言及してますが活動休止のCASIOPEAの、ギターの野呂さんと活動開始前から初期-80年代のベース担当の櫻井さんによるアコースティックデュオでして。名前は結成当時の候補のひとつを「洒落をきかせて」使ったそうな。ただPegasusもそもそもがバンドデビュー30周年祝いであり諸々大変とかでこの一年位の活動で止まってしまいました、のがちょーっと残念なのが本音。タイミング合わずPegasus版の『LONG TRAIN RUNNIN'』を生で聴けてなくてのぅ。個人的に好きでのぅ。この歌については追々機会ありましたら。
ライブ当日、よもや栄が祭りの最中だったのは本当に知らずびっくりしましたわ。広小路夏まつりという栄界隈の商店街が毎夏開いていて、ライブのMCでも触れてたような。こーいう時にライブハウスというかジャズクラブに入ると、違う空間に来た、日常から離れた賑やかな非日常と又違う非日常の中に入る気分を、より強く感じも。ひとり参加も慣れてきた頃でもあり。この時の出演者イメージのカクテルを下記に載せたセットリストと合わせメモをしていて『ピンクペガサス』という名で何方か言うたかまでは書かれてませぬが「一口飲むと危険」だそうな。わし、この時も呑むのはスタウトにしていたからその発言にほっとしましたっけ(笑)  

この時のセットリスト、一部MCを書き添え(多分何曲か抜けてそう汗)

1.WHAT'S GOING ON

2.PASTEL SEA

3.TAKE ME

4.RED ZONE

5.MIDNIGHT RENDEZVOUS(当時を振り返り曰く「ジャズつくったよー」)

6.男が女を愛する時(「ブルースギター」「ブルースベース」と紹介し合う笑)

7.NESSA

8.MIRAGE

10.SPAIN

アンコールは思い出せず


詩はライブ後に一通り書いたものの、ラフ書きに少し手を加えるまでで止まり投稿には至らず。書きたい欲は秋の宴暦-『So・ra・ra・do』にいってしまい、此方は放置されたまま月日は流れて今回になりました←流れ過ぎ 改めて読んでレポートをまんま詩にすんなやとか、この当時はバンドが再開する気配も無いから散々愚痴っとるなぁとか思いました。この時のストレートな感情をまんまブルーノート名古屋の思い出と共に残したく手直しは抑えました。タイトルも当時付けた長ったらしいのにします←こんなんばっかや  90年代夏に行ったライブやジャズフェスをまとめた見聞録的な詩のタイトルを流用したのは、書いた時は全然思い付かなかったのが分かりますわ。廃業発表がなかったら今後アップしていたかな…。打ち込みながら改めて取り組みたくなってますが、今はバンドよりもハコ回顧にいくでしょうなぁ。
このライブ後にPegasusはライブアルバムとDVDを作り、翌年春発売記念のツアーを行い4月に再びブルーノート名古屋に来るのです。ただその前にお気楽ギグという野呂さんの別ユニット(此方はギターデュオ)の名古屋でのライブを抑えていたのでこれは我慢する予定でした、がその少し前の冬にタワーレコードのプレゼントキャンペーンでブルーノートペアチケットに応募したら当選し、身内を誘って観に行きましたとさ。この時はメモ取らずセトリ等は記憶が無いけれど、MCで「前回観た人ー」と聞かれたんでわし手を上げたら他誰も上げてなくて小っ恥ずかしくなったのは今も忘れられません。確かライブ後サイン会があったのに其れと当時は度胸が無くアルバムは買ってもさよなら~でした。今振り返ると盛大にもったいなかったでした。下記にライブアルバムとDVDについてのタワーレコードの記事をつけます。DVDはもうここや他も在庫は無いのが残念です。ユーチューブにコレからの動画が色々ありますけど非公式だからつけまへん。


さて私のささやかなハコ回顧シリーズも一旦今回で終わります。無期休業から廃業発表を経ての今も、信じられないやらさみしいやら悔しいやらは燻ってますが、行ったものみたものを自分なりにここに書き留めます。残っているものを忘れない為に。今回のぐだトーク(笑)前後に付けた画像は再び来た時のチケットと貰った無料冊子です。コースターはいつのライブの物かは忘れましたが、多分カシ休止期間の頃でしょうなぁ。大切に取ってありましたんで。トップ画像も冊子より。後9日で…。広小路夏まつりも今年は…。又、ブルーノートについて何かわきましたらここにアップしますね。

画像1


最後にちょいと叫んでおきますか。



ブルーノート名古屋、いつか復活を、待ってます!