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The place I dream of is unbreakable act.5 T-SQUARE alpha@チキンジョージ

1.決断の背景或いは心の天秤が盛大に傾いた瞬間



上記動画収録日前夜の10月23日、T-SQUAREalphaが始動したと同時に12月後半東京と神戸でのライブ開催が発表され、心の中に有る理性と暴走の天秤が轟音を立て暴走へと傾いた。理由、クリスマスイブから3日間彼等には毎年恒例の神戸のチキンジョージで行い、更に日毎に替えるサポートメンバーの一人に松本圭司さんの名を見つけた、そのダブルな事態にドガシャンとぶっ壊れる勢いで心は暴走へと傾き熱情が一気に高まったのだった。

チキンジョージというライブハウスは、80年代から90年代アーティストが目指すライブ会場やデビューなど思い入れが強い場所を、今やアニメやドラマ等でロケ地やモデルにした場所を差す“聖地”と呼ぶそんな場だ。チキンジョージはT-SQUAREは毎年年末、時にメンバーチェンジの際のFAREWELL&WELCOMEライブを行った。聖地はファンの中でも人気でチケットは取れずスクェアでチキンは自分の中では憧れになり、つてがあった某星座バンドでチキンの聖地っぷりを堪能した90年代は以前此方にアップした『夢野』を読んでください。大変だった去年も年末に数日間、中にはREUNIONのメンバーの日もあり自分も動こうか悩んで諦め配信も見なかった、がREUNIONでピアノを弾いた和泉宏隆さんがここでの最期になり、この事他諸々蓄積した悔いがまだ消えぬ今だから、がまずひとつ。

もうひとつ。松本圭司さんは1998年からT-SQUAREのサポートでキーボードを弾き2000年のアルバム『T-SQUARE』でメンバーとなり3曲収録されている。ライブは1999年秋に愛知県豊田市で行われた野外フェスティバルで観たきりで、この当時はライブやフュージョン系音楽から離れていた所謂空白期で開催年を98年と思い込むくらい記憶があやふや。アルバムは身内が買って聴いていたが『FRIENDSHIP』で買わなくなった。バンドの状況の一部分は後々知ったものの、何故に周年記念に姿が無いのかと喉に小骨が引っかかったみたいな気持ちを長く抱いていた。2021年2月にリーダーの安藤さんがT-SQUAREを離れる宣言を出した時、SNSで安藤さんの事を熱く語る某氏の事をツイートした松本さんに当人さんが返信する、スクェアファンには嬉しい光景がツイッター内で起こり、自分もだが多くのファンがきっと抱いた淡い期待が現実化したのが今回の発表なのだ。

かくして憧れを実現したくて空白期を埋めその頃の音を取り戻したくて、速攻でファンクラブに再入会し先行抽選予約を取る暴走っぷり、再入会なのは行きだした90年に入り数年後にね。そして無事24日のチケットをゲットしイブとクリスマスがライブが埋まる事態にひとり苦笑いした帰り道に寄った公民館のチラシコーナーで11月のエリックミヤシロさんたちの刈谷コンサートを知る10月末日、再び天秤が暴走に傾きこのコンサートも行ったがレポは後日っ。


2.行きの過程或いは久し振りの長距離移動と神戸

当日は出だしは躓きつつもなんとかなり予定通り東海道本線を乗り継ぎいざ神戸へ。名古屋駅を出た時は晴れていた。関ヶ原から滋賀の県境に前週降った雪が山や田畑道端に残るのを見ながら米原で乗り換え。次第に雲が増え空が見えなくなり、前方の席のおば様二人組がマスクを付けていてもまあまあ声を出して延々と喋る車中で、ふと思う。取り戻す、じゃないな、と。自分が知らない20数年間ネットに残る情報を見ると多くのアーティストのバックを支えてきて今奏でる音は、居た頃とはもう違う、その当時の音ではなく今の音に逢うのだと思い至る。長距離移動は思考を巡らせ冷静にまとめる時間にもなる。ひとり考えメモ帳に書き落としてゆき、昂ぶり浮かれる心とずっと話し続けるお二人様へのビミョーな感情を落ち着かせる。

JR三ノ宮駅で降り地下街から阪急神戸に向かい、買い物客がひしめき合う食品コーナーの酒売場で身内の土産にウィスキーあかしを購入。プレゼントや年始包装する店員さんたちが大変で、自分は自宅用といい袋だけにしてもらう。先に新神戸駅行きの地下鉄の券を買い、いざ生田神社を目指す。その近くに一番の目的地もあるから。看板でルートを確認して歩くと街の様相はすっかり変わっても、道そのものは変わらず懐かしくなる。足が憶えている、わくわくしながら何度か駆けた道を。そう東急ハンズで曲がるともうすぐ、けれど其処はロゴマークは無く明かりも無い空きビルで、閉店した現実を思い出し懐かしさが踏み潰される。生田神社は昔と同じようにありほっとし、道沿いを巡ると直ぐにチキンジョージを見つけた。外観も周辺もすっかり様変わりしていても、あってくれるだけで十分、嬉しかった。目的地の確認を終え改めて生田神社に行きお参り、ちょっと歩いた先のローソンで腹ごしらえし遠出したかったが、時間が足りず更に雨がぱらつきだしチキンに戻り開場待機。整理番号順に並ぶ頃に雨が本気を出してきたが酷くなる前に入場。椅子が並び両サイドに配信用カメラ、整理番号から推測するに観客は200人位か。自分はギターの後ろにキーボードがある位置寄りの列は真ん中辺りを抑え開演を待つ。場内アナウンスが諸々の注意事項を伝えてから「盛り上がってゆきましょう」と言い、少し間があって「メリークリスマス」と付け加えたのには微笑ましくて。方々でふふふな笑いが聞こえたがそれは可愛さからかな。ほのぼのとした空気は店内の明かりが落ちた瞬間に起こる拍手と共に熱くなり始める。


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3.本編或いは『T-SQUARE YEAR-END SPECIAL 2021”@神戸チキンジョージ 3days』 初日ライブレポート

オープニングSEが流れる中ステージ奥からメンバーが現れそれぞれの位置に立ち、一番始めに奏でられたキーボード-ピアノの弾むような音に声が上がりかける位びっくりした。『A DREAM IN A DAYDREAM』、松本さんがT-SQUAREに提供しでメンバーとしてクレジットされたアルバム『T-SQUARE』の1曲目を飾った曲。この数ヶ月繰り返し聴き自分もだがこの日観に来た人の多くが期待していたろう曲に嬉しさが溢れた始まり。

先日(3/12)この時の演奏動画が坂東慧さんの公式チャンネルにアップされたのが嬉しくてこちらに挿入しとく。


続けて最新作のタイトル曲『FLY!FLY!FLY!』は夏ツアーを思い出したがピアノソロで爆発、という例えが大袈裟じゃない位に力やら熱が込もった演奏で。ライブ何日か前のツイートで参加について控えめな発言を呟いといて、のこのソロに良い意味と嬉しさで「大ウソつき!」とツッコみたい衝動に刈られた。発声が出来たなら騒いでいたやも。この2曲で喜びのノックアウトなのに坂東さんが軽くメンバー紹介した際、松本さんに「お帰りなさい」と満面の笑みで迎えた場面がこの夜のハイライトのひとつ。拍手と共にあたたかな空気が会場全体に溢れ、来て良かったとにっこり。

alpha立ち上げのブルーノートでも取り上げていた『A FEEL DEEP INSIDE』と『SAVANA HOTEL』はスクェアの歴史を追う流れの安藤さん作の曲。さて次はと思ってたらまずキーボードが切々と奏でられやがて聞き覚えあ、り過ぎる旋律が来た瞬間にどっと押し寄せてきたのは哀しみと悔い。和泉さんが書いた『FORGOTTEN SAGA』は始めは松本さんと伊東さんがデュオ、サビで他の3人が合流しぐっと盛り上がると更に大きく心はうねる。それでもこうして名曲が弾き継がれてゆき残り続ける、忘れない-FORGETとなるのは大切だよとうねりが落ち着きしみじみした後で持ってきたのは『TALKING MOUNTAIN(TOPS)』、松本さんの作品でこれまた聴けて嬉しかった。もう取り戻せない空白の時代が音で埋まってゆくよう。ゴスペル色が強い『FLY!FLY!FLY!』の後にこの曲はよりファンキー、ブラック系なトーンだなぁと感じたりも。この辺りは時代に添っているようでちと80年代から2000年代にすっ飛んだような流れ。“スクェアのキーボード担当コーナー”にしつつ、他に何か意図があるのかなとは勘繰りすぎか。この辺りは後記で。

ここいらで坂東さんが仕切ってのメンバー紹介が来て松本さんの参加経緯が語られた。以前に一緒にライブ共演をしていた坂東さんからLINEでお誘いが来て「是非」となったそうな。そうか繋がっていたのかと知れてなんか安堵、そして繋がりに感謝。初チキンという原さんの本日の衣装はおばあちゃんが着ていたさりげなく虎柄が織り込まれた服。袖も邪魔にならないと話すが女性服を着こなすしゃれた若人に感心しつつもおばあちゃんはつまりシャープ&フラッツのリーダー夫人、だよねとも。ベースの田中さんは話してくれなかったのぅ。伊東さんとは次回作の音づくりの話しに。ネットを介して坂東さんに音を聴いてもらい固めている、という新作アルバムに入る曲『TRIAL LOAD』が演奏される。ドラムマガジン主催コンテストの課題曲だっただけにテクニカル或いはややこしや。そしてバンドの始まりから振り返りこれから先へと繋げる流れよ。

伊東さん言うところの「MAさん」つまり安藤さんが自分の居ない時代に書き「難しいからやだ」でも坂東さんはやりたかった曲『SENTIMENTAL REASON』から坂東さん作の『MYSTIC ISLAND』更に『AI FACTORY』へ。『AI~』では原さん→松本さん→田中さん→伊東さん、で坂東さんのドラムセットを彩る電飾が一際輝く、それぞれのソロで盛り上がり元々ひょうきんな感じな『TEXAS KID』でも各ソロ演奏が楽しげで。この曲のキーボードソロでだんだんテンポが早くなり更に追い込みをかけるようなギターのカッティングが好き。本編ラストは夏ツアーでも取り上げた『明日への扉』、手を打ってノりながら、そういえばこの曲をこのライブの何日か前「久し振りに聴いている」と画像を添え呟いた2代目フロントを思い出し又電話をしたのかな、それともと思う、希望を感じる音。

アンコールの拍手をひたすら打って登場を待っていたら現れたのは、富士山の全身被りモノの伊東さん、腹話術師と白塗り人形キャラの漫才コンビの人形のお面付けた坂東さん、トナカイコスチュームの松本さん、スノーマンコスチュームの田中さん、鳥の被りモノの原さん。浮かれまくったお姿に笑い声が方々から出たのは正しい反応かと。自分もマスクの中で吹いた。まあ去年の公演動画や坂東さん編集のコスプレまとめ動画を見て期待はしていたが、生で観ると破壊力抜群←コラ。原さんはこのイベントに面くらい松本さんは似合いまくりで伊東さんに「このまま家に帰ったら」と言われちゃうし、当の伊東さんは「クリスマスじゃない」「(この姿で)シリアスなことが言えない」とぶーたれる姿は確かにむしろめでたい、そして説得力は以下略。そんな素晴らしく笑いが止まらん格好で応えたアンコールは『TRUTH』。田中さんは松本さんの傍やら伊東さんの隣やら原さんの近くまでとともかく動き回り煽る、宛らプレゼントを配っているよう。座ったままでも腕の振り上げは高く強く。終わって改めて5人が並んだ時に再び方々から笑いが漏れ、出していいなら方々から爆笑と「可愛い」コールが巻き起こっていたろう。最大のハイライトを迎え楽しい気持ちで9時前にライブは終演。ほぼ2時間13曲はひとつひとつが濃い演奏で数曲分の音の量だったから。

1月に入ってこの日のライブの1曲が坂東さんのユーチューブチャンネルにアップされたのではっておく。合わせ別日-二日目のメンバーによる同じ曲の動画も。アップ主曰く「メンバーが変わることで変化する曲を楽しめるのがT-SQUAREalpha」、ということなんで並べて挿入した。



4.帰路に思う そして後記(ぐだぐだトーク)

狭い階段を上がり外に出ると雨は止んでいた。三ノ宮駅へ走る途中の道沿いには人が多く騒ぎ賑わう様子に禍が落ち着いたと思い込んだ緩みを感じる。又状況がひっくり返される可能性があるかもしれないのに。地下鉄で新神戸駅に向かい地上の更に上にある新幹線乗り場へ。クリスマス“逆ルート”エクスプレスは思ったより乗車する人は少ない。売店はシャッターを下ろし華やかに飾られたツリーが一つ置かれた構内に、駅ピアノの音が響く。スーツ姿の男性がイマドキのアニソンっぽいアップテンポな音の後に、この頃よく聴く『廻廻奇譚』(アニメ『呪術廻戦』のオープニングソング)を奏で始めおぉと心がわく。弾き慣れている感じだ。暫しライブの余韻と共に聴く。

宣言が出る度最寄り駅にも置かれていたピアノの蓋は閉じられた。一回目の頃はおおよそのライブハウスやコンサートホールから音楽が絶え、その年の夏辺りに何件かの店の閉店を知っては悔しさもどかしさがわいた。チキンジョージはクラウドファンディングを行い明かりを繋ぎ今日も開いた。楽しい思い出がつまった場所、漸くバンドの聖地で聖夜を迎えられた。けれど。

乗る新幹線の到着時間が近付き演奏の途中でホームへ向かうと、屋根を雨が打つ音が聞こえ止んだのではなく止み間だったのかと気付く。運行を止めかねない雪じゃないだけいいか。動ける内に動かないと夢は夢のまま、逃したら悔いばかり深くなる。今年は何度そんな気持ちに襲われたか。だからこそ一日だけでも十分堪能し21年振りの帰宅を直に観られたことが一番嬉しい、クリスマスプレゼントだ。大晦日の東京でも共演し、その後どうなるかはさてはての領域。ライブの最中サックスを吹きながら何度キーボード側を向いたり寄ったりしたか。名古屋止まりの新幹線に乗り込み約5時間だけ滞在の神戸を去る、街を回れなくて名残惜しいが。今は次を待とう。願わくば誰もがにっこり笑える知らせを。とびきりのプレゼントが届くのを。

雨の中新幹線が動き出し神戸を離れ、クリスマスイブが終わる。

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一ヶ月過ぎてしまいましたが一本飛ばしてますがクリスマスイブに行ったライブレポートどす。裏タイトル『YUMAHARAさんあんまり観てなくてごめんなさいっ』松本さんばっかり観てまちた。加入当時はそこまでじゃなかった、のも済みませんだけどこの一年近くの思い入れというか肩入れは我ながら驚きでもあったりします。そうなったきっかけは一章でも書いたツイートの件。そこからツイ追ったり動画諸々みたり。夏に別ユニットのサポートをされた後に呟かれた件でそんなこともあったんかいと驚きも。レポ本編で「後記で」と敢えて書いたのとこのことは繋がりますの。なんかふたつ続けて持ってきたのにセットリストを組んだ方の意図っぽいのを感じて。執着し拘る人たちに対し「拘らないで」「この曲もあの曲も、担当が変わろうとも、バンドはバンド」みたいな、ね。ま、コレは一ファンの想像の範疇ですっ。本当は誰かのみぞ知る領域、ってことで。つまり今、松本圭司さんを推してます&和泉さんの曲は聴くとまだ泣くわしですと。
ライブ、『~DAYDREAM』はこの数週間前から続いてアップされた坂東さん編集のリハーサル動画内で伊東さんが匂わせ発言をしてましたから期待はしてましたが1曲目は驚き歓喜しましたわ。まー勢いで作曲者ご本人に「この曲好きです」とリプってまう位思い入れもあって。安藤さん坂東さん松本さん和泉さん、まんべんなくな選曲でしたなぁ、『サバナホテル』はライブで聴いていたか思い出せない、記憶が無いのがかなしや。
しかし締めは昨日、24日に打って今日仕上げアップせねばと意気込んでいたら、夜に歓喜する情報ツイートを見てこのタイミングって何?!となってますなう。にっこり処か大笑いするプレゼントに心はかなり浮ついてます。まあ神戸ライブが全て終わった夜に坂東さんと本田さんが時間は違っていても、明らかに匂わせるツイートを発信していたからその期待を込めた締めの文だったんですが、それが剛速球でビンゴって見た瞬間声が出ましたわ。ホントこれから先がスーパー楽しみなT-SQUAREalphaです。見逃せないわ。
ラスト、どこか何か間違いありましたらごめんね。スペルチェックがてら『T-SQUARE』や『FLY!FLY!FLY!』更にNHKの2008年の野音で遊ぶの録画を回し打ちました、こんな風な未来を更に期待して。
尚、次は星座バンドのクリスマスライブに取り掛かりやす。この後に刈谷のレポートを書きますのでっ。