【EDH】怒りの母、ダスカナで遊ぶ(前編)【予算度外視編】
お久しぶりです。ハルタカです。
生きてました。
今年の2月にモダンのファイナルに出ました!結果は3-4で初日落ち。
でも色んな人に再会できたりして楽しかったです!
あと奥さんがもうすぐ出産予定です。母子無事でいればそれでいい。人生色々。色々これからもありますでしょう。今後ともよろしくお願いします。
話は変わり、世間ではサンダージャンクションが発売になりましたね。もう少しすればモダンホライズン3も出ます。7月にはアサシングリードも控えています。先月はfalloutの統率者デッキが発売されましたね。
・・・早くない?
あなたは最新のセットに収録されていた伝説のクリーチャーでデッキを組もうとしたとき、出来上がった頃には最新のセットじゃなくなっていたという経験があるでしょうか。
私はしょっちゅうあります。そして、何度目かのそれが、今です。
ダスカナについて
怒りの母、ダスカナはカルロフ邸殺人事件の統率者デッキ収録のカードです。5マナのナヤカラーの統率者であり、熊のお母さんです。
素のスタッツが2/2のクリーチャー(特に2マナ2/2のことを熊と呼ぶ)に対するサポート能力を二つ有します。一つは熊の分だけドロー。もう一つは戦闘時に熊のスタッツを+3/+3するバフ能力です。バフというかバブ。バブバブニーニーをクマたんでバブバブして勝とうね☆
これらの能力からダスカナの基本戦略は、2/2のクリーチャーを横並びさせてカードを引いて戦闘で押し込むことです。
MTGの熊の実態
一見するとデザイナーズカードのように思います。MTGでは長年2/2/2のことを熊と呼ぶ慣例がありますし、実際ダスカナは大型の熊のお母さんです。意識していないといえば嘘になることでしょう。
ところが調べていくと2/2/2で種族が熊のクリーチャータイプを調べると、そこまで多くありません。そもそも2/2の熊が今現在16体しかいません。これではハイランダーでデッキを組むには熊が足りなさすぎます。
そこで今度は熊トークンに目を付けます。熊トークン自体は2/2ですのでダスカナとシナジーはあるのですが、今度はある問題に直面します。
ナヤカラ―だと熊トークンを出すより、2/2の猫トークンなどを出す方が遥かに楽であり、強力だという事実にです。
この時点で、僕の中で熊というクリーチャータイプにこだわってデッキを組むかどうかを沸々と迷い始めました。熊に縛ってデッキ構築の幅を狭めるより、種族縛りなしでナヤカラ―の2/2の選別を行い、どの程度の強度のデッキが作れるのかを考えたいと思いました。すると、明らかに種族を熊に縛らない方が楽しそうなカードを扱えるので、今回は種族縛りはせずにデッキを組んでみたいと思います。
今回はアプローチから前後編となります。前編が「予算度外視バージョン」。後編が「10000円構築バージョン」となります。
ナヤカラーにおける2/2の選択肢
素が2/2のスタッツのクリーチャーはそれこそナヤカラ―に絞っても1000以上存在します。ダスカナが5マナの統率者であることを考慮したうえで、ある程度採用ラインに順位付けをしていく必要がありました。個人的には次のように考えました。
個人的にこの順番にデッキに入れたいと考えました。5マナまでジャンプアップできる2/2であればスムーズにダスカナの着地から複数枚ドローの動きが可能です。
緑を有するナヤカラーだけに2/2/2のマナクリなんぞいくらでもいるでしょ! と個人的には思っていましたが、調べてみると意外とそうでもありません。タフネス偏重だったり、1/1/1や2/1/1なマナクリーチャーが多く、2/2/2というマナレシオ1.0なスタッツにマナ生成能力を併せ持つクリーチャーは少数派だったのです。土地サーチ系も意外と1/1が多かったり、そもそも3色デッキで基本地形を多めに入れた構成にする必要があるため、デッキ構築段階から工夫が必要そうでした。
ちなみに、赤いクリーチャーに宝物を出す2/2が一定数いたり、無色のマナクリが2/2だったりするので、思わぬところに救いの手はありますが、今回のコンセプトに合わないのでこちらは後編でお披露目します。
逆に充実している2/2もあります。システムクリーチャー枠です。
これらは相手に行動制限を与えながらダスカナで殴り勝つというプランニングの核となるクリーチャーたち。主に白いクリーチャーに2/2のヘイトベアーが数種類存在します。この時点でマナ基盤としては緑>白>赤の順に優先されることがわかりましたので、赤赤のような序盤から赤のダブルシンボルを要求するデッキ構造は極力避けて構築していく必要がありそうです。
さて、展開力については4/2/2にCIPで2/2トークンを出すものが何枚かあったり、2/2をX体展開するX呪文などがあります。また上陸で2/2を出すカードもあります。この辺は展開力は優れていますがマナ喰い虫だったり、テンポ損なカードが多数なので、あまり複数枚引きたいカードではありません。厳選が必要そうです。
最後にドロー能力を持つ2/2ですが、キャントリップ付きは4/2/2が基本スタッツになるので展開が遅くなりやすく、カードを引くだけであればダスカナでカバーできますから、マナ加速を兼任する2/2が優先されそうです。
この他に2/2を出す方法として「変異」「予示」「変装」「偽装」などの裏向きクリーチャーや、2/2のレベルトークンを出す「ミラディンのために!」を使うケース、緑が得意とする土地をクリーチャー化させる「自然の類似」系の呪文などがあります。
しかしこれらの案は主軸から外しました。裏向きクリーチャーは表に返すとスタッツが変わるのでダスカナを出すまで表に返したくないジレンマと、表にする為にマナを構えようにも、変異自体が3マナと悠長な展開となるため展開力に課題が残ります。ミラディンのために!は装備品シナジーを持つ純鋼の聖騎士やワイレスなども2/2なのでデッキとしては面白そうでしたが、肝心のミラディンのために!が少ないので、メイン軸に出来るほどカードが足りていないように感じます。組めなくはないけど、装備品シナジーであればダスカナを統率者にするメリットが薄いという感じになってくるでしょう。
土地をクリーチャー化させる案については、結構よさげに思いましたが、構造的にランパン構造になるのでデッキ内に基本地形が大量に必要となります。よってマナ基盤からテコ入れする必要があります。序盤の色事故リスクを減らすために緑要素を中心とした構造にすることになりますので、先程のヘイトベアー戦略とのチグハグさが生じてくることになるでしょう。ここは思い切って専用にデッキを組んだ方が強そうに思います。そこで「自然の類似」系呪文を用いた構築は後編で扱います(今回は後半を1万円構築で組みたいと思います)
以上の事から調整を重ね、このようなデッキでいったん落ち着きました。
デッキレシピ
デッキの概要
システムクリーチャーを選んだ基準として、対戦相手のアーティファクトに対する妨害を意識しています。
そのためマナ加速はマナクリーチャーを選びました。土地サーチについてはデッキ内の基本地形の枚数の関係であまり枚数は取れませんので、最低限のものに絞って採用しています。
アタラン・ジャッカルはその数少ない土地サーチクリーチャーの中でも別格の強さなので、ダスカナに限らずグルールカラーのデッキであれば採用を検討したいレベルです。
今回の構築では一部のマナ加速系のアーティファクト(宝石の睡蓮、魔力の櫃など)を使いません。自らのヘイトベアー戦略に引っかかりますし、そもそもダスカナを早期に出すリターンがそこまでないからです。盤面を横に広げるまでダスカナの出番はありません。そのため初動は遅めになるので、ヘイトベアーで周囲の減速を図っていきます。
ダスカナを出していないターンが長いことから、偏向はたきやジェスカの意志は不採用です。ダスカナでドローすることでマナが伸びますので、ピン除去されても再度出し直すプランです。アーティファクトをガンガン破壊する構造なので波止場の恐喝者も不採用です。
ここまで定番の高額カードを不採用にしてきましたが、一方で避けられない高額カードもあります。まずガイアの揺籃の地は採用しています。横展開するデッキなのでマナの爆発力も高く、中盤以降のダスカナと相性がとてもよいため、輪作や聖遺の騎士を採用してサーチできるように組まれています。死者の原野も後半からコンスタントに2/2を供給するのでそちらへのサーチも期待されての雇用です。
クリーチャー主体なので適者生存も採用していきます。後述するコンボ要素がクリーチャー主体ですので序盤はマナクリ、終盤はコンボパーツと終始サーチ先には困りません。
フェッチランドについても序盤から色拘束の強い多色クリーチャーをプレイしたいので全種採用しています。ライブラリーのトップを入れ替えたい場面が多いデッキなので、シャッフル手段そのものがありがたいです。
ショックランド・デュアルランドについても全種採用です。平地をサーチするディープ・ノームの地形術師も採用しているので、デュアルランドも妥協せずに採用していきます。
それ以外の5色土地以外のナヤカラ―土地については緑白>緑赤>赤白の順に採用していきます。
無限コンボについて
ナヤカラ―のクリーチャー主体の無限コンボは多数あります。
今回は2/2というコンセプトにあった無限コンボデッキ要素を数種類採用しています。
定番コンボですが、どちらもダスカナとシナジーを有しており、単品でも無駄になりにくいのが強みです。クリーチャーコンボなので緑ならサーチも余裕です。
クリーチャー専用の無限マナコンボが決まれば、ダスカナが出し放題になります。その横に2/2が1体いるだけでドローが進められるので、デッキを全て引き切って、そのままキキジキコンボが開始できます。食物連鎖のサポート要員として悟りの教示者、ギャンブル、アカデミーの学長、牧歌的な教示者を採用しています。
食物連鎖単体でもダスカナを数回出し直すことでリソースの回復を図るのに使えるので強力です。
これに加えてデッキの補強的な意味合いでのコンボがあります。
いわゆるカーミックボンバーなどの無限サクリファイスコンボです。
有名なので解説は省きますが、特筆すべきはこれらのコンボパーツの大半のスタッツが2/2であることです。ナヤカラーコンボのオールスターズがスムーズに採用できるわけです。
が、このコンボには欠点があります。ループするだけでは勝てないということです。というのもナヤカラーでかつアーティファクトに頼らないサクリ台となると、直接勝ち手段になるものがゴブリンの砲撃しかありません。それ以外で採用したサクリ台はボガーダンの龍心だけです。彼だけは2/2というスタッツが優秀だったので今回採用しています。
ちなみにマナを使わない非アーティファクトのサクリ台候補として、まともそうなものだけピックアップすると熱足ナメクジ(赤マナ無限)、鏡の精体や敬愛されるレンジャー、ミンスク(無限マナならゲームエンドだが・・・)が候補に挙がりましたが、いずれも単独では弱く、勝ち手段にならないので採用しませんでした。よりよい品物(ドロー)は悪くありませんが、パワーが4以上のクリーチャーがダスカナを出すことを前提にしている時点で使い勝手が悪すぎました。
そんな中、このループコンボ中に鍛冶の神、パーフォロスが戦場にいれば勝ちです。パーフォロスはエンチャント・クリーチャーなのでこのデッキでは比較的サーチしやすく、攻撃的なプランを強化してくれるのでデッキに噛み合っています。
上記のループコンボを真面目に使おうとすると、爆破基地などの勝ちに繋がるアーティファクトなサクリ台を採用したいので、アーティファクト・ヘイトを減らさないといけません。個人的には無限サクリファイスコンボはサブプラン程度でいいのかなと思います。ボガーダンの龍心のおかげで全部クリーチャーで完結しているコンボなので食物連鎖からでも繋がる点からもメインコンボ補強になっていますし、そもそもどのパーツも単体でも仕事ができる点を評価しての採用です。
最後にキキジキコンボに繋がる2枚コンボ。モダンでは有名なコンボですが、こちらも無理なくデッキに採用できます。全体除去の返しに-1も使えるのも評価が高いところですが、6マナの非クリーチャー呪文なので自分のヘイトベアーで唱えられない可能性もあるので注意が必要です。
プレイ方針
これだけです。
基本的にこれらの無限コンボを狙える時は狙いますが、ヘイトベアーを維持してダスカナで殴って勝つことを主軸に考えていきます。ダスカナは無理に守らなくていいです。出し直せばリソース回復も図れますので。
脅威となるのは全体除去だと思います。ただ、ロック状態を維持したいので、ガーディアン・オブ・フェイスやテフェリーの防御などのフェイズアウトでの自衛策は不採用です。今回は防御手段としてコンボパーツも兼任する栄光の守護者を採用し、全体除去とバウンスに対しての回答にしています。加えてティボルトの計略とエンチャントも守れる英雄的介入を取っています。
その他のカード
鏡割りの寓話は普通に強いですが、このデッキでは実質2/2が2体展開できるご都合の塊のようなカードです。
イコリアへの侵攻は墓地まで探せるサーチカードという点も強みですが、イコリアの頂点、ジローサになるとスーパートランプル付与でダスカナでの殴りプランが強化されるのも偉いです。
関係者の集合はこのデッキならではのリソース源であり、フェッチランドとの組み合わせも強力です。俗世の教示者が実質ワンドローのような使い方になるのもいいですね。今回は採用していませんが、夜明けの集会を採用するとキキジキコンボが一瞬で揃います。
騎士の団結もこのデッキのためのような効果であり、ドローの条件はかなり緩いです。ダブついた手札を2/2に変換してダスカナとのシナジーを期待できます。都合のいいことしか書いてない。
アディポーズの子もダスカナにとって強力なシナジーカードであり、ダスカナ自身を現出で生け贄にすると1マナで出せるので、その後ダスカナを出し直すことで盤面構築&大量ドローが狙えるパワーカードです。単独でも4/2/2+2/2なので5マナのダスカナで2ドローに置換できるので無駄がありません。アカデミーの学長を奇襲的に生け贄にするときにも使えます。
稲妻の採用についてはオークの弓使いとドラニスの判事、敵対工作員を見据えており、加えて自分のアカデミーの学長を自害させるためにも使用します。
使い勝手について
マナ加速性が高いデッキなので比較的安定感がある印象ですが、デッキが動き出すのが遅いのと、同じナヤカラーのロッコに比べると対応力に欠けます。デッキ構築から2/2を複数枚採用するという構築制限が課せられているのも良し悪しです。それでもドローして殴って勝つというプランが統率者1枚で完結しているのはかなり強力であり、基本的にこのプランで圧をかけながら、すきを見てコンボも狙うという感じが理想なのかなと思います。ドローやサーチができる統率者は無限マナになった時点で勝ちにつながるという点も無視できない点です。今回はアーティファクトメタを強化した構造にしましたが、本来はもっとアーティファクトも入れてコンボに寄せてもいい統率者です。上記のループコンボの中にファイレクシアの供犠台などがあれば、お手軽な有色無限マナですし。ダスカナはナヤカラーの中ではかなり優秀で拡張性のある統率者だと思います。
半面、構造上ダスカナへの依存性が高くなりやすいデッキであり、そこを突かれるとデッキが瓦解します。バフについてもトランプルなどの回避能力がないので、その点も懸念材料です。王道になりますが、自然の秩序+ビヒモスパッケージなんかも検討していいかもしれません。
あとはヘイトベアー戦略だけであればウィノータという最強のライバルがいます。ヘイトベアーデッキとして極めていくならウィノータの方が合理的かもしれませんが、固有色に緑を含む点で違いがありますので、その点を上手く扱えるように構築できないか考えていけるといいですね。
後半ではダスカナの持ち味である2/2とのシナジーを存分に楽しむための10000円構築を紹介したいと思います。意外と低予算の方が変なオタクカードを使うので楽しいかも。
それではまた!
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