【格安EDH】1万円EDH その4後編「 Tovolar, Dire Overlord / 不吉な首領、トヴォラー」
こんにちわ、ハルタカです。
EDH(統率者デッキ)を10000円で組むシリーズ第四弾「トヴォラー」の後編です。前編はこちら。
前回までのあらすじ
UBW(アンリミテッド・バトルフィールド・わんこ)
おまたせしました、10000円構築トヴォラー最終形態です。
戦場をイヌ科で覆い尽くせ!
トヴォラーについての解説は前編を参考にしてください。
トヴォラーのサボタージュ能力(戦闘ダメージをプレイヤーに与えたら1ドロー)を戦略の要にしていきますが、1マナ~2マナ域のクリーチャーを並べて40点×3人分のライフを削り取るのは至難の業です。横並び界のアイドル・孔蹄のビヒモスは値段の関係で頼れません。そこで何らかの工夫が必要です。
前半では土地破壊という相手のテンポを奪うことで勝利に近づける形で実現しましたが、まぁこれはお蔵入りにしています(詳細は前編参照)
それ以外の勝ち方はあるでしょうか?
緑の横並び戦略、と聞くと多くの人が連想するのはエルフデッキだと思います。エルフデッキはマナクリを展開し、ドローを連鎖させ、ロードのサポートも借りながらマナクリ自身がフィニッシャーにもなるという無駄のないデッキであり、まさにシナジーの塊です。
狼男や狼にはそのようなシナジーや爆発力はありません。ですがトヴォラーでドローを進めることはできます。狼や狼男のマナクリは極少数しか存在しないのでデッキの軸にすることは難しいです。後続に繋がるカードは引けるのに思うように展開を進めていくことができない。なんてジレンマでs
ん? だったら無理やりマナクリにすればいいんじゃね?(狂気の発想)
というわけで、緑には『お前がマナクリになるんだよ!』みたいなコンセプトのカードが多数あります。この中から比較的安価な5枚を採用しました。
シタヌールの秘儀司祭は自分のクリーチャーを全部ラノエルにしてしまうクリーチャーです。悪くなさそうな効果ですが、同じセットにガイアの揺籃の地がいたのが運の尽き。生まれてこのかたワンコイン以下。人知れずスタン落ちしたカードですが、そんなお安い君だからこそできる仕事があるってことで今回採用です。20年近く家のストレージで仕舞われてきた成果を発揮する時が来たとか激熱やないか。
歓楽者ゼナゴスやドルイドの保管庫はマナクリとは毛色が違いますが、やることはほぼ同じです。頭数のぶんだけマナを出します。(戦いの賛歌やマナの残響は緑マナが出ないので今回はパスしています)
特にドルイドの保管庫はかなりハイパワーなマナ加速を実現してくれるのでトヴォラーのような横並び殴り統率者には必須のカードだと思います。
こいつらで狼と狼男を『完成』させます。
そして沢山のマナを得た後のフィニッシュ手段は・・・実はすでにあります。というか最初から答えは用意されていたのです。そう、統率者自身が、です!
実はトヴォラー自身が大量のマナの捌け口になっています。つまりトヴォラーによる統率者ダメージによって、集まり合った無数の狼や狼男たちによってマナをかき集め、元気玉をぶつけるデッキへと変貌するのです。
・・・という膨大なマナの捌け口があるということを前提に、このデッキの根幹となる狼・狼男たちを見ていきましょう。
1マナ域 11体
ほぼ確定枠。値段の関係で若き狼と隆盛な群れ率いがちょっとしんどいですが、ここは初動ムーブに繋がる部分なのでしっかり厚めに取りたいところ。
森林狼はMTGで最初の狼。つまり始祖ドラです(?)
バントというオタク能力があるので早口でディスコードをまくしたてるのにむいています。でも最後に言う言葉は「・・・まぁ戦闘になってブロックに困ったら説明するんで今は気にしないでください」と毎回言う(言ってる)(じゃあ長々と説明すんな)(はい・・・)
2マナ域 15枚
この2マナ域は『能力が強い』か『ブロックしにくい』という点で選んでいます。序盤に積極的に殴りにいきたいので頭でっかちは超優秀です。だって誰もこんな10円コモンたちをマナクリや統率者でチャンプブロックするような気にはならないからです。パワーがでかいというのはいわばアンブロと同義です。1、2回殴らせてもらえれば十分。あとはマナクリとしての使い道があるんで問題ありません。
2マナ域は仮面の蛮人と辺境地の罠外しのおかげで自然と置物に対する回答を持っているのがいいですね。
強いのにあえて採用しなかった2枚のカードがあります。まず災いの狼は二段攻撃と性能は良いですが、赤赤が2T目に安定して出せないので解雇しました。群れ率いの人狼は最強の2マナ狼だと思いますが、値段(800円)がしんどいので採用しませんでした。予算が許せば入れた方がいいです。
さて、ここまで1マナと2マナで合計26枚。2ターン目までに何らかの狼か狼男を展開できる確率が94%。フリーマリガンなど考えるとかなり良い確率でトヴォラーを出す3ターン目までに1~2匹の狼・狼男を展開できるわけです。
3マナ域以上 9枚
いきなり結論ですが、3マナ以上のマナコストの狼・狼男はよほどシナジーやカードパワーがない限りは採用しません。何故なら3ターン目にトヴォラーを出し、4ターン目は引いてきた1~2マナの狼を複数体展開、という流れを作りたいからです。
いずれもゲーム後半からも巻き返せるパワーがあるので採用です。このマナ域に求められるのは『全体除去を打たれた後に盤面を復旧できる』ものたち。つまり選ばれしものたち。トヴォラーの寵愛を受けたものたち。上弦の狼です。
爪の群れのウルリッチはサイズ修正がトヴォラーの点で攻める戦略に噛み合っているため採用しました。単独でもトヴォラーの能力ですぐに裏返せるので毎ターン格闘をさせ続けることもできるため、トヴォラーとの相性は抜群です。
デッキの構造
さて、ビヒモス不在の中、小粒なビートダウンを完遂させるカードはそこまで多くありません。ですが、全くないわけではありません。
感染オーバーラン。次第に値段が上がってきているカードですが、ビヒモスを除くと最強のオーバーランと考えていいと思います。
本家踏み荒らしよりも大体において強いカード。ウルリッチなどでパワーを底上げしておけばビヒモスに匹敵するフィニッシュブローになります。
小型オーバーラン内蔵生物。ジェネリックビヒモス。自然の秩序で持ってこれるのが偉いが、自然の秩序は値段の関係で抜けてしまいました。
装備+起動で5マナかかるものの、トヴォラーにつければオーバーラン相当になります。ですが別のクリーチャー付け替えて起動することでさらに修正値が膨れ上がっていくので、ビヒモスに匹敵する破壊力になります。それを現実的に実現させるカードが次のカードです。
当デッキのエンドカードその1。自分の狼や狼男をマナクリにすることで実質フリースペルに近い感覚で打てるようになります。これに先ほどの龍の玉座を組み合わせることで、パクった相手の生物までマナクリとして運用できるのでパンプアップ→別のクリーチャーに装備→パンプアップと運用して強大なサイズの軍団を一気に作り上げて押し込めるようになります。
もちろんそれなりの数のクリーチャーが盤面に必要なので簡単には狙えませんが、決まれば一気にゲームをひっくり返せます。
暴動と同じようにフリースペル感覚で使えますが、奇襲的ミニ踏み荒らしとしても有能です。キキジキ双子で無限コンボになりますが、他にコピーし甲斐のある非伝説が少ないので今回は採用していません。何気にプレイヤーを対象に取る能力なので、対戦相手同志の小競り合いに横槍を入れたりできます。偏向はたきで裏目になる場合もありますので注意してください。
特に無限コンボは内蔵していないものの、先ほどのマナクリ化した狼たちを利用して使えるマナを増やせるので龍の玉座複数回起動のようなビッグアクションをすることができます。
戦闘フェイズ追加系は他にもいろいろありますが、値段や枠の関係で今回はこのカードのみ採用です。
狼トークンを増やす置物。タフネス2以上の狼を生け贄に差し引き1体以上は増えていく計算です。一見弱そうですがマナを使わず少しずつ盤面を増やせる能力は貴重でマスデスを打たれたあとに盤面を早期に復旧する足掛かりとなります。
土地破壊カードは殆ど解雇したんですが、こいつだけ残した理由は土地を伸ばす緑系のデッキを抑え込みたいため。3枚だけ好きな土地を残せるという微妙に温情のある能力なので、カジュアルでもプレイしやすい気がする。するだけ
横並びデッキでとてもマナが出せるため採用。問題は生きてターンを跨げる気がしないこと。
当デッキのエンドカードその2。マイナーカードですが、このデッキであればカウンターが5個以上乗って場に出せるので、結構な制圧力を誇ります。ターンまたぐ前にトークンばらまいてマナクリ化させるとマナ加速になるというテクい真似も可能。もちろん詰めやブロッカー排除にも大活躍。マナの捌け口として非常に優秀です。
スタン時代にお世話になった人も多そう。クリーチャー主体の横並びデッキにはどっちの能力も有効で、値段の関係で英雄的介入を採用できないこのデッキにおいて疑似マスデス対策になります。展開もサポートしてくれますし、まさに10000円デッキにおける名誉狼男です。
オタクカード。クリーチャー呪文に対応してタップさせる置物。実質ブロッカー排除用カード。このデッキなら1マナ2マナ域のクリーチャーが多いので結構タップできます。対戦相手たちにブロッカーを複数体立てないと生き残れなくなるという圧がかかるのでどのタイミングで置いても意外とプレッシャーに。何よりこのカード、たった1マナで設置できるので序盤のダメージを通すのに非常に活躍します。パウパー民ですら見向きもしないコモンの置物を使ってこそ10000円EDHの醍醐味よ。
悪いことをするためのパーツではなく、ドローしすぎて土地が溜まったときに大量展開するためのカードです。2マナで3枚追加で置けるので1マナ増える場合もあるのが嬉しいです。
スタン時代ではお馴染みのカードですが、赤緑でクリーチャー主体だと墓地のクリーチャーに対するアプローチ手段が限られている中、王神の贈り物はマナも使わず場に戻せるのが偉いです。しかも速効付きでトヴォラーのサボタージュ能力が染みる。4/4になるスタッツ修正もか弱い狼たちには嬉しい。
なお、コピートークンは変身条件を満たしても変身できません。また夜のときに日暮を持つクリーチャーをコピーしても、それはトークンを出すことができないそうですので注意してください。
王神は「自分の戦闘開始時」に毎回誘発するので、モラウグのような追加の戦闘フェイズを加えるカードとも相性が良いです。
来世への門もルーティングのおかげで全体除去に対して復旧の足掛かりとなるのでこのデッキにとって無駄のない組み合わせです。
横並び戦略を強く出す方向性に変わったので、自然の秩序よりこっちを優先。両方採用は金額的に厳しかったです。大樫の守護者とも相性が良いのもいいですね。
ストリクスヘイブンの謎神話。EDH出禁のけちな贈り物っぽさがありますが、墓地に落ちないので全然別物。何となくイラストアドはあります。
基本的にXは1か2で唱えて適当な狼や狼男で戦場を固めるカードです。つまり集合した中隊みたいなもんですが、マナフラしたときはXの値を上げて脅威になるクリーチャーを選ばせられるのでそれなりに強く運用できます。
こっちは死んでもそんなに困らないコモンばかり。統率者戦でシャークトレードが成立するってマジ?
簡単なアップデート案
素直にビヒモス買いましょう。
やはり大地の知識は欲しいところです。召喚酔いが関係なくなるので、後続の展開が進みやすくなります。絡み樹の根とかも候補に挙がるのですが、対戦相手にも恩恵があるので自分は採用を見送りました。
サボタージュ能力でカードアドバンテージを取り戻せるという点を考えると、使い捨てのマナ加速も候補に挙がります。リソースを犠牲にテンポを取れる宝石の洞窟や金属モックス、猿人の指導霊、Elvish Spirit Guide、水蓮の花びら、炎の儀式などは採用を検討できると思います。あと魔力の墓所や魔力の櫃。
あとは定番どころのサーチカード系です。ギャンブル、俗世の教示者、緑の太陽の頂点、破滅の終焉、出産の殻、適者生存などです。
同じような効果の英雄たちの送り火は一見強そうですが、狼か狼男と種族が分散しており、3マナ域のカードを増やさないといけなくなるため今回は見送りました。ドローはトヴォラーで補えるのでそこまで厚めに取らなくていいので、サーチを増やして動きを安定化させる方が良いと思います。
狼や狼男関係で手を出したいのは群れ率いの人狼やアヴァブルックの世話人、墓所のうろつくものなどの現スタンで活躍しているカードたちです。ネットやショップで探せばそこまで懐を傷めずに揃えられると思います。
妨害や除去ももう少し軽めで動きやすいものが欲しいです。英雄的介入のような除去耐性を与えるカードも嬉しいです。偏向はたきなどですね。
土地回りもできれば2色ランドを増やしましょう。そうすることで赤のシンボルが濃いカードが使いやすくなります。災いの狼も再検討できるかと。ただしタップインはやめたほうがいいです。3ターン目までアンタップインで動きたいデッキなので。そういう意味では祖先の道や裏面が土地のカードも抜いたほうがいい可能性があります。
あとはお金が許せばガイアァァァ!!!です。さす強ですがキープ基準にならない場合があるので、36枚目の土地として考えた方がいいかもしれません。そしてこの土地を入れるなら輪作まで候補に挙がると思います。
クリーチャーでマナを出してガチャガチャしたいのであれば、動員やみなぎる活力、慈善家の薬などが候補に挙がります。エルフと違っていつでもマナクリであるわけではないため、個人的にはやりすぎ感あるんで今回は入れませんでした。
今回はコンセプトからぶれていきそうだったので採用しませんでしたが、アシャヤや土地をクリーチャー化するカードなんかも候補になると思います。
あとはアンタップするだけのカードを入れる前に、まずは追い討ちのような戦闘追加系を検討した方がワンチャンあるのではじゃないでしょうか(ワンちゃんだけにね)
実際に回した雑感とまとめ
結論としては、意外と強いです。
5~6帯での話なんであれですが、金太郎飴的な動きが可能なので思ったよりも安定感があります。1、2回の全体除去から復旧できるだけのサボタージュ能力が非常に強力だと思いました。ただこのコンセプトはある程度行き詰まりが見えているので、そこからもう少し上のレベル帯と戦えるように発展させていこうとしても妨害の乏しさなどもあって正直初期型のスタックスの発展型に回帰しないと戦えないとも思いました。
トヴォラーはレベル5~6帯で遊ぶにはとても良い統率者です。サボタージュ能力のおかげでストレスフリーで遊べるのはとても良いと思いました。アーリン・コードのような3マナ以上の強力な狼男やシナジーを持つカードを入れたらもっと楽しそうという気持ちもあります。ネットに落ちているトヴォラーのデッキレシピの大半はそういう『FUN』な部分を推しているものが多いので、個人的にはそちらを参考にしてみるのをお勧めします。構築済みを扱っているネットショップも何件があるみたいです。統率者の入門デッキとしても意外といいかもしれませんね。
面白かったらいいねやフォローをお願いします。あなたの一票がネットにニッチな格安レシピを増やす肥しとなります。
あとせっかく毎月記事を書いて月に数人ずつフォロワーが増えているので、フォロワーが100人超えたらyoutuberになってEDH中心のMTG専門チャンネル立ち上げます。目標があった方が燃えそうなので。年内に達成できるといいのですが・・・。
それとは別に、単純に面白ければ「いいね」やnoteやツイッターをフォローしてくれると嬉しいしやる気に繋がるので、今後ともよろしくお願いします。
それではまた次回お会いしましょう。
次回は多分ネオンな神河の何かをフィーチャーするかも?
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