千島学説を知ってますか? 何度否定されてもあきらめないところはすごい

千島学説というものを知っていますか?
60~70年前に発表された細胞の成り立ちや発生について述べられた説で、「細胞分裂」を否定して、「バクテリアは自然発生する」とか唱えている説です。
また、血液は骨髄などにある造血細胞から造られるのではなく、食べ物が腸内で赤血球に変化してできる、ということも唱えています。
そんなアホな、と思ってしまいますが、いまだに熱心な信者がいるのが現状です。

千島博士の言葉(会話)というものが残っていますので、少し引用します。

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ニワトリの卵でよくわかりますね。
ニワトリの卵に温度を与えて、75時間、約3日か4日たちますと、
卵の黄身の表面の、上の方に、赤い血が出てきます、赤血球が。
その赤血球は、少しも分裂、細胞分裂はしておらないのに、赤血球ができてくる。

また、卵の黄身の中には、赤血球のヘモグロビンというのが、ない。
卵の黄身ばかり。ところが温度を与えておると、ヘモグロビンができてくる。
また核酸、DNA、ヘモグロビン、我々の血が赤いのは、この鉄とタンパク質とを結合したヘモグロビン、
ヘモグロビンです。

こういうものがどんどんここでできています。
だから細胞新生のことであるのだな、分裂しないのに、卵の黄身が集まって、
これは、卵の黄身が集まって、そして真ん中に細胞の核、DNA、それから、
ヘモグロビン、血が赤いのは、ヘモグロビン。
そういうものはなかった、卵黄というのの中にはDNAもヘモグロビンもないんです。
ないけども、できてくる。これはもう確かな事実です。
そういうことが現代の科学ではわからない、そんなことは認めておらない。

それなのにその最初はDNAは、細胞の核が分裂してそして、できたという風に解釈しておる。
それは間違いであって。決してこの卵が二つに分かれて真ん中の核が分かれるんじゃなくて、
一緒に、どんどん卵の黄身が集まって、できるということが非常にはっきりしていますし、
この卵の黄身でできる。

この卵の黄身は、卵黄があります、卵に。
ここに、卵黄があり腸がある、腸の真ん中に、ひらいておる。
そしてこれが管になって。
すなわちこれはどう考えても腸の真ん中に、卵の黄身の管が連続してひらいておる。
そしてこれがだんだんと、ひよこが大きくなって、21日経って、
孵化して来る時になると、この卵の黄身が腹ん中にはいっておる。
そしてあと一週間は、何も与えなくても、この卵の黄身だけで、生きていける。

だから日本から満州へ、どのひよこをおくってやっても、一週間以内は、何もやらなくても大丈夫。
これは、卵の黄身を腹に一杯持っとるから、そういうわけ。
ただ人間の場合は、卵の黄身が非常に少ない。
非常に少ないから、そんなふうなわけにはいきません。
オタマジャクシなんかは、オタマジャクシは腹ん中、卵から出たオタマジャクシは、その当日、
孵化した当日を見ますと腹ん中は全部卵の黄身。

卵の黄身だけで、腸もなければ内臓も、なんにもありません。それで孵化してくる。
口から、食道がるけども、ここに処女膜があって、口から、肛門から、
穴がありますけどだんだんと、2、3日たつと、だんだんこう穴が広がってきて、
口からくるやつと一緒になって、渦巻いて、腹の中になります。

この卵の黄身の場合は、卵の黄身から、絨毛の壁の細胞になる。
それから人間の場合は、あるいは高等な動物では、お腹に胎児を妊娠する動物では、
これは絨毛は親の血からできます。
卵の黄身は小さい、僅かであるから、腹の中で、子宮の壁がありますと、そこから血が出る
、1.2の、毎月女性のメンスができるように、血がいっぱい出てくる。

そしてその出た血が固まって、絨毛になる。
そういうふうに、卵黄の胎盤、それから生まれてくると、しょうがないから、親の血をもらえませんから、
仕方ないから、腸の壁に絨毛がある、腸壁に絨毛がいっぱいある、
でここに食物が、絨毛の表面に付着して、そしてこの絨毛の壁の細胞になる。

その細胞が中側から血になる。
みんな血ができる場所は絨毛があるところである。
ところが骨髄には絨毛がない。またその材料もない。
骨髄ではその逆に、赤血球から脂肪になっておるだけで、こういうふうに、
食べ物から、あるいは親の血から、卵黄のほうから、できる状態ではない。

それからこれは私が実験をしましたものですが、食べ物の中に墨汁を加えて、与えますと、
その黒い、図の13の左の図、食物モネラ、食物モネラと称する。
食物モネラというのは、食べたものが胃や腸でよく消化されて、
どろどろのおかゆのようになったのを、モネラという。
浄化液、浄化されたもの。

それが腸の絨毛の表にいっぱいこう、付着する。
だからよくものを噛まないと、大きな塊になって、こんなふうなかたまりになっておると、
腸の絨毛を傷つけるだけであって、決して消化されません、吸収されません。

やはりよく噛んで食べないと。
それはもう腸の絨毛というのは非常に顕微鏡で見るような小さいものですから、
そこへ、よほど噛んだつもりでも、食べ物は大きな、こんな塊になります。
よくどろどろに、本当に細胞の大きさぐらいに、よく噛んで消化液で分解しておれば、食物モネラになる。

これが付着すると、ここでだんだんと内部の細胞になる。
そしてその腸壁の細胞の内側から、赤血球になる。
これは細胞分裂でなくて一つの中に胞子を形成する。
胞子形成のような過程でいくつも一緒にたくさんできる。

それは、写真で、そこに、BCと書いてあります、たくさんの小さな赤血球が、
大きな腸壁の細胞の中に、胞子形成するような状態にできております。
こういうふうに、人間の場合はたくさんの小さな赤血球が、細胞の中に胞子をつくるようにしてできると。

高等な動物、ことにカエルなんかでは、この腸壁の絨毛の外側に付いた食べ物がだんだんと細胞に、
血球になって運ばれる状態が示されています。
親の血液と胎児の血液の関係、下のほうは、母親の子宮の壁、その子宮の壁の中に来てる血管が、
いくつも、時々破れて、メンスのときと同じに、血管が、子宮の内面に破れて、血が出ます。

出たのが固まって絨毛を作る。それは、妊娠してない時はメンスの、
月経の時の血となって体の外に出ますが、妊娠をすると、その血がそこで固まって、絨毛を作る。
そして血が外へ出ないようになる。妊娠すればメンスが止まるというのはそういうこと。
そういうふうにして、血ができる。

●有核の赤血球芽細胞から無核の赤血球になるという既成説は考え方が逆である。
既成の骨髄造血説では、大きな細胞核をもった血芽球から小さい赤芽球となり、
それが更に小さい無核の赤血球になる(これは人や哺乳類に共通)と考えられている。
しかも、このような大きな有核の血芽球、赤芽球から極めて小さい赤血球になる
「赤血球の成熟過程」といわれているものほど矛盾した説はない。
生体ではそのような無駄をする筈がないし、第一に、
赤芽球の大きな細胞核が小さな無核の赤血球へ変る途中で、
その細胞核がどのようにして無くなるのかが明確に証明はなされていない。
核脱出説、核溶解説なども云われているがそのいづれも一種の想像説であり、
人間の場合一日2,000億個の赤血球造血の根拠として決して実証できるものではない。
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千島博士の話(解説)、こんな感じです。

70年くらい前の観察ですので、顕微鏡も今とは比べ物になりません。電子顕微鏡とかもありません。電球がついていて対象物を明るくする顕微鏡もありません。

千島博士は赤血球ができる過程で、血球芽細胞から赤血球になるときに、どういう仕組みで細胞核が消失するのか明確に証明されていないといっています
その説明ができないから芽細胞から赤血球への変化は間違いだというのです。
一種の想像でしかないといっていますが、核のない赤血球が各種の体細胞に変化するときに核が生成されるのはどのような仕組みなのか、全く説明がされていません。
それこそ一種の想像でしかないのではないでしょうか。

また、千島博士はどうやら鶏卵の胚を見おとしていたようです。
卵黄に比べたらごくごく小さい、ぼんやりとした白い点のようなもの。
大きさは1~2mmなので、薄暗い部屋での観察では見落としてしまうかもしれません。

一般的には、この胚が急速に細胞分裂して、成長して、ひよこになっていくと説明されるのですけれどね。
植物の種にあたる部分ですね。
胚には遺伝子やDNAが含まれていて、当然ヘモグロビンを作るための遺伝情報も持っていて、胚からつくられた細胞でヘモグロビンやヘモグロビンを持った血球が作られると説明されています。
現在はそのように説明されていますが、この大元となる「胚」の存在を認めない(発見できない、存在を確認できない)と
「卵黄が濃縮されて赤血球ができる」
なんていう珍説をいわざるを得なくなってしまいます。

ほかにも、どうやら千島博士は食物が消化管内で多くの酵素作用によってより細かな成分に分解されることを知らなかったのではないかと思われます。
アミノ酸や脂肪酸、糖やミネラル。
顕微鏡でも見えないくらいに小さく分解されることを知らなかったのかもしれません。
酵素とかも知らなかったかもしれません。

いろいろ考えると、千島博士って顕微鏡で観られないものの存在を認めていなかったのでは?
とも思ってしまいます。
自分の目で見たものしか信じないというのはなかなか立派な考えとは思いますが。。。
パスツールの実験とかも理解できなかったようですし。

まあ、千島学説って科学というより哲学ですもんねぇ。

あと、ふとおもったのですが、千島博士は鶏卵の観察や赤血球の観察、腸管柔毛の観察などなど、それぞれどのくらい行ったのでしょうか。
どれだけの検体を観察したのか、何回観察したのか、どのような条件で観察したのか、いろいろ条件を変えて観察したのか、自分の調べた範囲では回数や頻度についての記述は見当たらないのですよね。
まっとうな論文なら(大学の卒論であったとしても)これでは論文として受理されるレベルのものではありません。

今どきの千島学説信者は、
「千島博士の論文は権力者によってもみ消された」
「だから論文が残っていないのだ」
などと言っているようですが、そもそも論文として発表できるほどのものではありません。小学生の夏休みの研究と同程度。

なかでも観察の回数というのは気になります。
バクテリアが発生している?という写真も1枚しかないし。
まさかとは思いますが1回しか観察していない?

腸管造血と一言で言っても、2019年に報告されたコロンビア大学の
「ヒト腸同種移植片は、循環プールによって維持される機能的な造血幹および前駆細胞を含む」
という論文に出てくる「腸管造血」は腸管にある造血幹細胞から血球が作られるというもの。
現在定説になっている骨髄造血とおなじく、血液は造血幹細胞の分裂によって作られるというもの。
その造血幹細胞の存在場所が、骨髄以外にも腸管に認められたというもの。

それに対して千島学説でいう腸管造血とは、良くかみ砕かれ細かくなった食物が腸壁の柔毛細胞にとりつく。
とりついた食物が柔毛細胞に変化する。
元々あった柔毛細胞が腸の外側(体内側)に押し出されいくつかの血球(主に赤血球)に分裂する。
というもの。

食べた食物の栄養成分を腸管細胞(柔毛細胞)が吸収して細胞をつくるのではなく、食べた食物がそのまま新しい細胞に変化するというもの。

コロンビア大学の論文では、食べた食物は細かく分解(糖やアミノ酸や脂肪酸などなど)され、それを造血幹細胞が栄養素として吸収し、細胞分裂して血球を生み出すという仕組みになっています。

千島学説では造血幹細胞が細胞分裂することは否定しています。
また、食べ物が栄養素に分解され、それを細胞が栄養源として吸収することも認めていないように思われます。

今回のコロンビア大学の論文について、千島学説の正しさが証明されたと述べている文章も見かけますが、じつのところ千島学説を真っ向から否定する内容になっています。

2022年現在でも千島学説信者はいますが、他のトンデモ陰謀論者と似たような傾向が見られます。

千島学説を推奨している幾人かは
パスツール(1822ー1895)の行った「バクテリアは自然発生しない」という実験を否定しています。
実験の不備を突いて、「バクテリアの自然発生は否定されていない」というわけです。
この人たちはパスツールの実験やその後の追試験が19世紀以降一度も行われていないと思っているようです。
パスツール以外にバクテリアが自然発生しないことを確認した人がいないと思っているようです。

また、ウィルヒョウ(1821-1902)が唱えた「すべての細胞は細胞から生じる」ということをウィルヒョウ以外誰も確認していない(誰も細胞分裂を見たことがない)と思っているようです。

100年以上前の説を誰も確かめることなく信じていると思っているようです。

毎日のようにどこかで誰かが顕微鏡を見たりしているでしょうに。
味噌やしょうゆをつくったりお酒を発酵させたりしているでしょうに。
そういうことを誰もやっていないと思っているようです。

それだから60年、70年も前の「千島学説」を何の再検討もすることなく信じられるのでしょうね。

千島学説がらみでよく言われているのが
「当時の常識を覆す内容だったので黙殺された」というような陰謀論
「骨髄造血に対して腸管造血は当時の医療利権にそぐわないものだった」
「年間数十兆円の利権を失わないためにもみ消された」
などなど。

千島学説が発表された1960年代、
まだ骨髄移植は始まったばかりの手さぐり状態。軌道に乗りはじめたのは1980年代後半から。
利権のためにもみ消されたというには時代が合わない感じですね。
骨髄移植が認知される以前にはすでに棄却されていたことになります。
利権の邪魔だから消されたのではなく
何の魅力もなかったので見向きもされなかったのではないかと勘繰ってしまいます。

千島学説を推す人たちや信者の方々から、千島学説を実証するような研究なり観察なりが60年以上も一度も出ていないことは不思議でなりません。
一度も「バクテリアの自然発生に成功した」という話も聞きませんし、「食べ物が細胞(赤血球)に変化した」という観察結果も聞きません。
なぜなんでしょうね。


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