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執事喫茶SWALLOWTAIL 初めての帰宅 #あの日から10年

先日、はじめて執事喫茶に行きました。SWALLOWTAIL(スワロウテイル)というお店です。(HP

執事喫茶は、もう実はずっと行ってみたいと思いながら行くのを先延ばしにしていました。本当は高校卒業時に行こうと思っていたのだけれど、なんとその日にあの東日本大震災が起きてしまって行けなかったのです、、、

2011年の3月11日、あの日、私は友達と池袋にいて、SWALLOWTAILとは違う執事喫茶に行こうと時間を潰していたら震災が起きてしまい、延期に。あの日は池袋から新宿まで何時間も歩き、家族を心配させながらなんとか帰宅。その時の友達とはまた別の日に行こうねと行ったものの、その後大学生となり、疎遠に…。当時はLINEもなく連絡先も消滅。気づけば 「あの日から10年」。28歳になりました。

あの日から10年!執事喫茶に行けないままもう10年も経ってしまった!今行かなければまた10年経っても行かないのではないかと焦りに焦り、ひとまず一緒に行ってくれそうな友達を連れて初めて来店(帰宅)しました。友達って素晴らしい。

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とにかく最高でした。最高だったし夢のような体験でした。

まず最初にドアマンに予約時の氏名を伝えるのだけど、ドアマンが最初っからかっこいい。黒の燕尾服をまとった男性を前にものすごく恥ずかしくなって顔もなんだかよく見れなくて、もう立派な大人なのに、人見知りの子どもかと思うぐらい恥ずかしくなった。ドアマンや執事たちのビジュアルや立ち居振る舞いもかっこいいのだけれど、一番刺激的だったのは実は「」。

きっと執事たちは研修の過程で発声練習でもするのだろうなと思うぐらい、話し方や声の出し方が通常の店員と比べてかけ離れて上品で、異世界感を作っていた。お店に入る前から世界観の構築が始まっていました。

そして入店。「おかえりなさいませ、お嬢様」は、言われるとわかってはいたけれどやっぱりこれも恥ずかしい。ギクシャクしながら席に通される。各テーブルに1名、執事(フットマンと呼ぶらしい)が担当する。私のテーブルは室井さんという方でした。「帰宅」が初めてですとお話したら、「お屋敷」のお作法を教えていただいた。

アフタヌーン・ティーのお皿を取り替えるとき、紅茶を継ぎ足してほしいときはテーブルの上にあるベルを鳴らしてフットマンを呼んでくださいとのこと。そしていわゆるお会計については、「計算問題」と呼んでいるとのこと。

どういうわけか。つまり、

「ご多忙を極めるお嬢様(私)」の社会勉強の一環として、「出発のお時間」が近づいたら「簡単な計算問題」を出し、解いてもらう。そしてその「答え合わせ」をする、とのこと。「魔法のカード」も承っているが、その際は「お習字」(署名ね)をしていただく、というもの。

スゴいと思ったのは、「お会計」だとか「お支払い」等のお金にまつわる単語を全く出さずにお会計のシステムを説明してのけたこと!世界観の作り込みがやばい。そしてアフタヌーンティーのお皿を取り替えたり紅茶を継ぎ足すなんて自分でできるのにそこまでやってくれるだなんて、ここの「お嬢様」は本当になんにもできないのか、それとも「お嬢様」にそんなことをわざわざさせまいと思っているのか、、、彼らの「お嬢様」像を垣間見ることができました。

滞在時間は80分間。基本的には普通の飲食店と同じように、注文して料理が来て、友達と談笑でもしておけばいい。しかしここは執事喫茶。思った以上に内装が豪華だった。大きなシャンデリアが2,3,天井に吊るされ、暖炉があり、なんだかアンティークで歴史ある雰囲気だった。何より執事たちが全員燕尾服をまとっているのがなんとも、、、もはやそこは感動したというべきでしょうか。

一番最初は、「ああなるほどコスプレの要素も入っているのね」なんて思っていたけれど、燕尾服なんてなかなか見る機会がないし、着用されてる光景を目の当たりにすると非常に、、、目によい光景でした。

ティーカップもアンティークなもの、HPのカップセレクションに取り扱っているティーカップが掲載されているんだけれど、これも本物で美しくて、割とカップとか好きだから本物が使えるなんて結構いい経験でした。

1人席が結構多かったのが印象的でした。両サイドの壁際に沿って席があって、1席ずつに白いレースのカーテンで仕切られていて、このカーテンもとっても上品な感じ。ここに来る前までは1人で執事喫茶に行くなんて勇気のいる行為だなと思っていたけれど、全く悪目立ちなんかせずナチュラルにお嬢様たちはたたずんでいた。思い思いに読書をしたり、フットマンたちと談笑したりしていた。

中でも驚いたのは、あるフットマンとお嬢様が手話で会話をしていたことだ。手話に詳しいわけではないから見間違いかもしれないけれど、あれは手話だった、ような…。個人的にはこの光景が印象的だった。普段カフェやレストランで手話のやり取りを余り見る機会がなんてなくて、そのへんの飲食店よりもずっとホスピタリティ溢れているなって改めて思った瞬間でした。

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10年間、行きたいと思いつつもつい先延ばしにしていた執事喫茶に来れて本当に楽しかったし、激戦のWEB予約戦争を乗り越えて予約が取れてからもずっとワクワクし、80分間常にアドレナリンが出ていたのか、次の日はクタクタで全く仕事が手に付かないほどでした。※行ったのは日曜でした

少しだけ思ったのは、ディズニーのキャストと少し似通うところはあるのかなと思いました。スタッフとして世界観を作り、自分もその世界の一員となって「演じる」ところとか、手話もそう。世界観づくりの徹底ぶりにしびれました。ホストクラブと近い部分があったらどうしようとびくびくしていたけれど、「指名」制度はないし、まあ強いて言えば誕生日のお嬢様にお祝いの拍手をしている光景は、少しだけホストのコールと近いかもと思いました。ホストもある意味世界観を作って自分もその一員になっているのに近いから、突き詰めていけば似ている部分はあるかもしれないけどね。

またそのうち、行きたいですね、、、来月とかに。


#日記  #池袋 #アフタヌーンティー #SWALLOWTAIL #スワロウテイル #執事喫茶 #あの日から10年