香水の重ね付け商法について思うこと

香水について学べば学ぶほど、
香水の重ね付け商法には賛同しかねる。
ビジネス上客単価を上げる戦略として、
ある程度やむを得ない事情もわかるが、
香りのプロフェッショナルである調香師の
仕事を素人の余計なアレンジでぶち壊してまで、
1瓶でも多くの香水を買わせようする店側の姿勢が
浅ましく、配慮に欠け、卑しいと感じる。

特に、試香している客を取っ捕まえては
レイヤリング!!!!!!コンバイニング!!!!!!
と喚くスタッフがいる某ブランドなど最悪だ。
この店に出向いてフルーティ系のコロンを
探していたら、店員にムエット(試香紙)を
ひったくられ、ちぐはぐなウード系のコロンを
重ね付けして渡され、香りも気分も台無しに
なってしまった。

「表情が変わってぐっと大人っぽさが出ます
よねぇ〜〜?」
じゃないんだわ。
余計なお世話、ノイズでしかない。
人が心地よく中島みゆきを聴いてる隣で
聖飢魔IIを爆音スピーカーで流されたら、
誰でも悪魔みたいな顔つきになるだろ。
もしかして表情が変わるってそういう事なの?
だとしたらお前も蝋人形にしてやろうか。

このブランドは販売員だけでなく香水自体の
質も微妙で、驚くほど香りが持続しない。
その短命さは「コロンなのでぇ〜」で言い逃れ
できるレベルではない。香りが薄い、持たない、
ラベルも瓶も安っぽい、それでいて1瓶100ml入
で2万円以上と、かなり強気な価格設定だ。
ファミレスのドリンクバーで自己流カクテルを
作る感覚で、もう1本ついでに買ってけよと
勧めるのはどうかしているとしか思えない。

それから、店側の打ち出す高級路線に
似つかわしくなく、スタバのフラペチーノ
のごとく毎月限定の新作香水を発売している
点も不思議で仕方がない。
そもそも創業して30年そこそこ、創業者が事業
を手放して25年のブランドが、たった数週間
程度の開発期間で新作を調香して、原料を集め、
2万円相当の価値がある香水を生産するノウハウ
や技術なんか持ち合わせているのだろうか。
どう考えてもテキトーな限定品で
情弱を釣っているとしか思えない。
ジョーは情弱のジョーで合ってますか?

ブランド親会社は去年、中国バブル崩壊の
あおりを受けてアジア部門が業績不振に陥り、
株価が暴落したという。日本を含めた東アジア
での売上回収には一層力が入っているだろう。
そりゃあラベルだけ張り替えた日本限定品も
出るし、ある時期を境に美容系YouTuberやら
各種インフルエンサーが一斉にお勧めしてくる
訳ですわ。

とはいえ香水ビジネスの裾野が広がれば、
良心的で高品質な良い製品が生まれやすいのも
また事実だと思う。誰からも好かれる香り!
バズり香水!ブランド香水だいすき!映える!
の発想の下、喜んでお金を落としてくれる層の
存在には感謝しなければならない。

あれ、何の話してたんだっけ?
そうそう、店員が客のラーメンに勝手にコショウをぶちまけてくるラーメン屋はクソって話です!!!

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