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パップコーンで映画

水曜日担当の平林です。

パップコーンの3人が出演する映画を作るなら、どんな映画がいいか考えてみました。私は短編映画をたくさん作ってきたので、短編映画だったらどんなのが良いか考えてみます。カンヌ映画祭の短編部門を狙うとしたら、15分以内にしなければなりません。そして予算もあまりかからないように、考えなければなりません。なぜなら、いいアイデアがあったら実現出来るかもしれないからです。

ストーリーより先に場所を決めてみます。車止めとか人止めとかしなくていい様に、三浦半島の先にある城ヶ島の岩場なんかは良い気がします。私も何度も撮影して気に入っている場所です。見方によっては日本に見えなかったりしますので。

そこに3人がいるとして、バラバラの私服でいるよりは、何らかの共通の衣装を来ていたほうが、コンセプチャルな作品になりそうです。例えば全員が水着だと、あまりにもお笑いに寄せた感じが出てしまい、映画にならない気がしますし、全員白装束とかでも割とコントっぽくなっちゃう気がしますね。何がいいでしょうね?場所は海岸の岩場です。突拍子もなく、寿司屋の格好でもダメですね。映画にはならない気がします。とはいえ、ファーストカットで見る人を惹き付ける必要があります。「なぜこの人達がここにいるのか?」というツカミですね。

海外の人にも分かるということで言えば、ちょっと衣装代がかかるかもしれませんけど、宇宙服なんていいかもしれません。

ものすごい海岸のロングショットの中に、宇宙服の3人がポツンと岩の上に座っています。カプセル状のヘルメットはそばに置いてあります。うん、これはなかなかいいショットになりそうですね。私はこういうの好きですよ。

ここまで決めてからストーリーをどうするかを考え始めます。ここまで設定を決めてしまうと、実はあんまりストーリーに自由度はありません。でもいいんです。私の作戦は「ビジュアルインパクトをまず作ってから、その枠の中で何を起こすか。」ですから。

ストーリーではなく、ビジュアルの設定から作るメリットは、伝えたいビジュアルのブレがほとんど無くなることなんです。映画を見る人は「映像を見る」んです。これ、ものすごくあたり前の原則なんですけど、作る側はそこを意識してないことが多いです。往々にして、先にストーリーを考えて、そのストーリーに合うロケ地を探しに行くんですが、思い描いていたビジュアルと全然違うロケ地で撮らなきゃならないことの方が多いです。妥協の連続ですね。私はそれが嫌いなんです。仕方なくやることも多いですけど。

今回は「妄想」なので、ビジュアルをガチ決めしましたよ。

誰もいないだだっ広い海岸の岩場に、3人の宇宙服を来た男が座っている。この前提でどんな流れを作っていくか?パップコーンの3人でやるとしたら、「宇宙ステーションから宇宙船に乗って帰還したのに迎えが来ない」って設定が面白い気がします。あのパラシュートのカプセルで帰還するやつです。


芦沢「ここじゃねえんじゃねえの?」
須田「全部自動でやってんだから、ここじゃないの?」
松谷「宇宙ステーションから切り離される時、須田さん、肘で何か押して無かった?」
須田「押したって言うか、ぶつかっただけ。」
芦沢「え?何かのボタン押しちゃったの?」
松谷「いや、ハッキリは見えなかったんだけど、カチって聞こえたんだよね。」
須田「オレのせいにするなよ。押してねえよ。」
芦沢「でも何か押したんでしょ?」
須田「ぶつかりはした。いや、もういいじゃん。証明しようがないじゃん。」
松谷「これで最後にするけど、須田さんがたぶん何かを押したと思う。」
須田「これ3日前から話してるけどさ、結論出ないからさ。」
芦沢「たぶん、それが原因だわ…」
須田「いいよ。もうそれでいいよ。オレのせいでいいよ。」

松谷「須田さん、メシある?」
須田「もう無い。お前らさ、何で余分に持ってこなかったの?」
芦沢「ルールじゃん。」
須田「お前らさ、オレが余分に持ってきた宇宙食のおかげで生きてんじゃん。」
松谷「結果的にはね。」
須田「何で偉そうに言うんだよ。結果的にとか言うなよ。」
芦沢「その余分な300gぐらいで軌道が変わった、とかね…」
須田「何で全部食べ切ってからオレを責め始めるんだよ。」
松谷「責めて無いよ。300gの差って計算狂うとか、言う、けどね…」
須田「もう軌道が狂った話はいいじゃん。てか、何で迎えに来ないんだよ。あいつら。」

松谷「銀河系」
芦沢「もう、しりとり飽きた。」
須田「イスカンダル」
芦沢「やるなら、宇宙縛りじゃなくしない?」

須田「おーい!!!おーい!!!おーーーーーーいっ!!!!」
松谷「あれは上空1万メートルぐらい上飛んでるから見えないでしょ。」

芦沢「何かブタみたいなニオイがするけど。」
須田「オレの方見るなよ。宇宙服の中は蒸れてるけどさ。お前らだって同じじゃん。」
松谷「いや、ブタのニオイはしないけど。」
須田「だからってオレの方見るなって。ブタのニオイしてねえよ。」
芦沢「自分のニオイってさ、自分じゃわからないとか言うしさ。」
須田「ちょっと嗅いでみ?」
芦沢「いや、そういうのはいいや…」

いやいやいや。こういう細かいネタだとカンヌ映画祭には通りづらい気がしてきたぞ!もっと構造的にしなきゃダメですね。ビジュアル的とも言えるんですけど。

あるいは、NASAは迎えに来ないけど、スマホでピザを注文したら海岸まで持って来てくれた、みたいなのは、アメリカ系の映画祭は好きですね。

うーん、もっとどんどん深堀りして考えないと、イカンですね〜

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