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子ども番組「しまじろうのわお!」のはじまりについて

おはようございます!金曜日担当の勝俣です。
土曜日の朝から失礼致します。
私は普段ありとあらゆる映像を担当しているのですが、今日はそのうちの一つ、幼児向け教育番組「しまじろうのわお!」のはじまりについてお話したいと思います。

https://kodomo.benesse.ne.jp/open/tv/

なぜTVCM制作会社の私がこの番組をやることになったかと言いますと、
いわゆる競合プレゼンというものに参加し、8チームだったか10チームだったか忘れてしまいましたが、その中から勝利して選ばれたからです。
そもそも番組なんて作ったこともなかったのでどんな提案をしたら良いか非常に悩みました。
ただ、もし選ばれたとしたら、自分たちの生活の一部をこの番組にかけるわけで、、、だとしたらやりたいことを提案しよう。それで負けても悔いは無い。

そこでオリエントは全くかけ離れた企画提案をしました。
今でも覚えています。提案資料の一枚目には「すみません。僕たちは番組を作ったことがありません。」と正直に書いてあります。
これは、名コピーライター岡本欣也さんの仕業ですね。

私たちのチームには、岡本欣也さん、国井美果さん、平林勇監督、江里口徹平監督、朝日恵里監督という広告界を代表する素晴らしいメンバーが
未来を生きる子どもたちのために、集ってくれたのです。

2011年。番組が始まる前の年、何度も何度も会議をしてどういう番組にしていくかを話し合いました。発達心理学の先生や幼児教育のスペシャリスト達と過去の教育番組、海外の子ども番組などを一緒に見ながら、研究を重ねていきました。
私が一番感じたのは、面白い番組には、作り手が本気で面白がって作っているのが必ずあらわれているということです。

上質なものをみせることこそが教育だ。とも習いました。
子どもはこういうのが好きだろう。子どもだからこのくらいにしておこう。
こういう考えは絶対にしてはいけないと思うようになりました。今でもスタッフ全員がそこだけは必死に守りぬいています。

当時は2011年の震災直後だったこともあり、不安を感じ、内向的な世の中の空気があったと思います。外で遊ぶ子どももめっきり減っていました。
そんな中でのコンセプト作りはなかなかハードでした。

最終的に「そとへでよう。せかいはそとがおもしろい!」というコンセプトのもと「しまじろうのわお!」は走り出しました。
そとにはとんでもない大きな世界が広がっています。気持ちの解放。自然との共存。他者を認める多様性。クリエイティブシンカー。そんな沢山の想いをこのコンセプトにつめました。
これも名コピーライター岡本欣也さんの仕業です。

実際に番組のコーナーを作っていくときには三人の監督がそれぞれのコーナーを担当しました。私たちは普段TVCMだと、15秒の尺で仕事をしており、1秒の30分の1単位レベルで計算しながら映像を作っていました。
そんな3人の映像はどれも本当に素晴らしかったです。大人もワクワクしました。こりゃものすごいものができたぞ!と。
ただ、一本につなげてみると、1秒も無駄にしないスキのなさで、お腹いっぱい感がありました。
これを毎度毎度見てたら疲れるなとも思いました。本当に色々勉強になりますね。
そこから試行錯誤し徐々に今のような形になってきました。

私たちは番組の素人のくせに、当初から目標はでっかい方がいいということで、日本賞グランプリ(世界教育コンテンツの最高峰)、エミー賞受賞(世界番組コンテスト最高峰)を掲げていました。
目標は声に出すと近づくものです。最初はどうせ無理だろうと思っていましたが、昨日、日本賞で優秀賞(3位)を獲得しました!エミー賞も2016年にノミネートされています。昨年はアジアテレビ賞の幼児部門でNo.1を獲得しています。
こんなにも国内外から評価をいただけるなんて本当にありがたいです。

世の中の移り変わりとともに、環境も変化し、番組の取り扱うテーマも進化していきますが、
これからもやれることをめいいっぱい楽しんでやっていきたいと思います。

さて、本日(土曜日)朝8:30からテレ東系列で「しまじろうのわお!」やりますので、ぜひチェックしてみてください。

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