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親が子供の勉強を見ることの是非について

無塾で公立中高一貫校の受検に臨むということは、勉強は子供本人が主体的にやるか、親が面倒を見るかの事実上二択になりますよね。

その話をする前に、我が家が(ほぼ)無塾と言っている「ほぼ」の意味は何かと言いますと、6年生の秋以降にとある塾で開講されていた日曜特訓、そして直前特訓という授業には参加させたという事実があるからです。コロナ禍だったのでzoomによるリモート形式で参加させましたが、基本的には直前に送られてくる模擬試験のような問題を当日決められた時間に解き、それをzoom授業で解説してくれるというものでした。

それが唯一受けた「塾の講義」だったわけですが、それ以外には小学4年生から始めた「スタディサプリ」が塾に近い存在と言ってもいいかもしれません。ただ、どちらもインタラクティブではないのですよね。こちらの理解度に応じて説明してくれるわけではないですし、質問もできません。

そうするとやはり親が解説してあげることになるわけです。

親が子供に勉強を教えるのは良くないという話

一般に「親が子供の勉強を見るのは良くない」という話を聞きますよね。理由としてはお互いに感情的になってしまうからだ、ということのようです。まあ確かに分からないでもないですし、実際私も身に覚えがあります。

「この程度のことも分からないのか」
「問題をきちんと読んでいないからこうなるんだ」
「どうして見直ししなかったんだ」

親として自分の子供にはこのくらいのレベルでいてほしいという期待値というか願望があります。しかもそれは結構高い位置に設定されていることが常なので、子供の実際のパフォーマンスとそれとのギャップが感じられるとついつい感情的になってこう言いたくなってしまうわけですね。だから中立的な立場な赤の他人である塾の先生に習った方が良いというようなことが一般に言われているようです。

親がそういう態度で接すると、子供の方も感情的に反応しますよね。負けん気の強い子であれば怒鳴り返すかもしれませんし、自分に自信のない子であれば「どうせ僕はダメだ」と落ち込むこともあるでしょう。そうなるともはや勉強どころではありません。

しかし逆に言えば、そういう負の面さえどうにかして克服することができれば究極にインタラクティブで高効率な学習環境を、低コスト(親御さんの時給がものすごく高い場合を除く)で提供してあげられるはずです。そういうのを我が家では目指してきたわけです。

とは言え、やはり失敗続きだったと認めざるを得ません。
これは賛同してくれる方が多いとは思うのですが、勉強にしろ何にしろ上達のコツは、「うまくできなかったこと」の「できなかった理由」を分析して改善するというサイクルの繰り返しだと考えています。問題集で言えば、解けなかった、あるいは解いたけど不正解だった問題について何を間違えたのか、何を理解できていなかったのか、情報を見落としたのか、計算ミスしたのか、そういう分析をするわけです。
そういう手法は基本的には間違いではないと今でも思っています。

問題点は何かというと、これを繰り返すと「失敗にスポットライトが当たる」状態を続けることになってしまうので、コミュニケーションの仕方を間違えると親も子供も精神的に消耗してしまうのですよね。

ポジティブなフィードバックを心掛けたい

息子の中学受験は良い形で終わったとは言え、私もまだまだ修行中の身だとつくづく感じます。特にうちの息子は自分に自信を持ち切れない傾向があるので、失敗にスポットライトを当て続けるとモチベーションが著しく低下してしまいますので。

私は専門家でも何でもないのでこれが正しいという方法は紹介できませんが、悪戦苦闘する中で気づいた重要なポイントというのを以下に記しておきます。

・できなかった問題をできるようにするというのは必要な作業であって、失敗を責める意図はないということを継続的にお互いに確認する
・親も失敗を責めてはいけないし、本人も自分の失敗を責めてはいけない
・できたところはきちんと褒める(例えば50点だったら、半分はできたということなので、その部分をきちんと認めてあげる)
・失敗した理由をこちらから指摘するのではなく、自分の頭で分析させてみる
・そのうえで、その失敗ケースへの解決策も自分で提案してもらう

理想の状態からのズレを検知してフィードバックするというのが制御の基本なので、避けては通れないトレーニングなのだと思っています。

ただ、失敗を責める雰囲気を作ってしまうと、原因分析という建設的な作業には結びつきにくくなってしまいますのであくまでもポジティブな雰囲気でのフィードバックを心掛けなければと日々自戒しています。
エラーを叱って怒鳴り散らす野球のコーチのようになってしまっては、選手は畏縮するばかりですからね。



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