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鼻水のホームケア

鼻水は患者さんにとっても、医師にとっても悩ましい症状です。

鼻水は本来、鼻の中に侵入してきた異物を外に出すことに役立っていますが

一方では困った症状の原因となっています。

鼻がつまって、母乳やミルクを飲むときに呼吸がしんどくなって

十分に飲めなかったり

寝るときに鼻水がのどにたれこんできて

咳の原因になりよく眠れないといったことがあります。

鼻水のときによく出されるお薬として

抗ヒスタミン薬というものがあります

たとえばアリメジン®、ポララミン®、ジルテック®などです

しかしこのお薬「アレルギー性鼻炎」には効果がありますが

風邪の鼻水にはあまり効果が期待できません

鼻にアレルゲンが侵入してくるとアレルギー反応により、ヒスタミンが出て鼻水を出ます。

アレルギーの時はこのヒスタミンをおさえることで症状が改善されますが

風邪のときはウイルス等が原因となりアレルギーではないので、

ヒスタミンをおさえても効果は乏しいと考えます。

そして副作用も問題となります

お薬が血流にのってアタマのほうにもいくので

眠気を引き起こします。
(よく眠れていいからという理由で処方する医師もいますが、その睡眠の質は良くないです。。)

そしてアタマのほうに行くので、熱性痙攣やてんかんの患者さんではより痙攣を起こしやすくなります。

風邪のときの抗ヒスタミン薬の使用は、効果が乏しく、副作用もあるので注意が必要です。

基本的には風邪の鼻汁には鼻腔内吸引が最も効果があると思います

物理的に吸うことで呼吸がしやすくなり、鼻のたれこみによる咳の改善が期待できます

病院で吸引してもらうのが一つですが

自宅に鼻腔吸引器があるとなおよいです。

吸引器は電動のものをおすすめしています。

口で吸ったりする手動のタイプは吸引力が弱くて、おすすめしていません。

電動のものは持ち運べるコンパクトタイプと本格的なタイプとがありますが、

しっかり吸うなら本格的な電動タイプのほうがオススメです。

値段は安いものではないですが。。

毎日のように鼻吸引のために受診したり、鼻のたれこみなどで咳き込むことを考えますと、

値段以上の価値を持っていると思います

(鼻吸引メーカーとの癒着はありません。。。)

ちなみに

年齢があがると、鼻をかめるようになり鼻吸引器は卒業です

鼻をすすると、もちろん菌を奥におしこんでしまうので

大きくなったら

鼻のかみ方も教えて上げてくださいね

まとめ

・風邪の鼻水には鼻吸引が効果的(大きい子でははなかみ)

・風邪の鼻水に対する、抗ヒスタミン薬の効果は乏しく、痙攣のリスクを高める

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パパ小児科医
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