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胃腸炎に伴うけいれん

寒くなってきてノロウイルスなどの胃腸炎が流行する季節になってきました。

胃腸炎は脱水になり入院が必要になることもありますし、

家族にも感染して、一家全滅。。。という悲惨な状況になったりと何かと大変なものですが、

胃腸炎の時にはけいれんを伴うことがあるということをお話しします。

ただでさえ大変な胃腸炎に、けいれんも!と思われるかもしれませんが、

一部には予防できるけいれんもありますので、リスク回避という意味で知っておいていただけたらと思います。

まず胃腸炎の時に起こりやすいけいれんは以下です

① 低血糖

② 電解質異常

③ 胃腸炎関連痙攣

① 低血糖

胃腸炎の時には下痢嘔吐があり、食事がとれなくなりますし、

水分や食事を摂取してもすぐに嘔吐してしまったりして、十分に糖分が体に入らなくなります。

子供の場合は糖分の貯蔵が少ないために、食事がとれない状態が続くと、低血糖になりけいれんを起こすことがあります。

② 電解質異常

電解質、つまりナトリウムやカリウムなどです。

下痢の中には電解質が含まれますので、胃腸炎で何回も下痢をしますと電解質のバランスがくずれ、

意識障害やけいれんといった症状が出現します。

食事からの電解質摂取も少なくなるので、なおさら低ナトリウムなどが起こりやすくなります。

これら低血糖と電解質異常という点から考えますと、糖分や電解質を摂取してけいれんが起こりにくいように予防する必要がありますが、その補充にはOS-1やアクアライトといった経口補水液が適しています。

水分、糖分、電解質がバランスよく入っていて脱水や広い意味でのけいれん予防にも役立ちます。

嘔吐の時はあまり飲めないかもしれませんが、スプーン1杯を口に含んでは休み、1口のんでは休みを繰り返していきます。

それすら受け付けない場合は、病院で点滴をして補わなければなりません。

低血糖や電解質異常によるけいれんは、こういった対策である程度は予防できると思います。

③ 胃腸炎関連けいれん

胃腸炎にかかっている時に脱水や低血糖、電解質異常がなくてもけいれんすることがあります。それが胃腸炎関連けいれんです。(熱があってもなくても起こります。)

下痢嘔吐が出現してから5日以内くらいに起こり、2-3分の全身けいれんが群発します(=1日に何回も起こること)

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスやその他の胃腸炎でも起こります。

熱性けいれんの時によく使用される抗けいれん薬であるダイアップ®の効果は乏しく、

テグレトール®という抗けいれん薬がよく効くので、診断を見誤るとけいれんが何度も起こることになってしまいます。

こちらはなかなか予防や予測が難しいものにはなりますが、強いてあげるならロタウイルスについてはワクチンがありますので、ロタウイルスが関連したものについては予防効果が期待できます。

胃腸炎だけでもイヤなのに、さらにけいれんなんて、本当にイヤなものです。

それでも水分、糖分、電解質の摂取で防げるけいれんはありますし、

ワクチンもリスクを減らすことには役立つと思いますので、

これからの胃腸炎流行に備えて参考にしていただけたらと思います。

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