ナッツアレルギーのお話

重篤なアレルギーを起こすため、恐れられるナッツアレルギー


「うちの子、食べたことないけど大丈夫かしら?」という方は多いかと思います。

食品表示法によって決められている

特定原材料7品目(表示義務あり)

それに準ずる20品目(表示を推奨する) 

の中には「落花生(ピーナッツ)」「くるみ」「カシューナッツ」は含まれていますが、

全てのナッツの情報が示されているわけではないですし、

表示義務のある特定原材料はピーナッツのみです

ナッツ類はカレーのルーやドレッシングに使用されていることもありますし、個包装ではない屋台などで販売されているものはアレルギー表示が明確ではありません。

ナッツ類は厳密に除去することが難しい点があり

しばしば誤食によるアナフィラキシーが起こっていて、注意が必要だと思います。

ではどのように安全を確保するかという話になりますが、

血液検査によりある程度、先にリスクを知ることは可能です。

アレルギー採血で「ピーナッツ」は測定できますし

ピーナッツの中のアレルギー成分である「Arah2」は診断的価値が高いです

このArah2が4.71UA/ml以上ですと、

症状が出現する可能性が95%以上といわれています。※1※2

そのほか「皮膚テスト」も診断に有用です(検査できるかは施設によります)

全ての人に検査が必要というわけではないですが、

アトピー性皮膚炎やほかの食物アレルギーがあったり、

湿疹があったりとリスクの高い人については

測定して先にリスクを知ることができると安心かと思います。

ほかにアレルギーがなくこれまで湿疹などもなくて、リスクの低い人については

検査なしで、少量試してよいと思います。

もちろんナッツを豆のまま摂取するのは、誤嚥の可能性があるので少なくとも豆を食べるのは5歳以上になってからで、

乳児期に食べるとすると、ピーナッツペーストを混ぜたお料理や

ジーマミー豆腐などのピーナッツを含んだ加工品になります。

ナッツ類は栄養価が高いので

WHO(世界保健機関)の補完食マニュアル(つまりは離乳食マニュアル)にも

栄養素を高めるためにお粥にピーナッツバターを加える方法が示されています。

ナッツ類は大きくなるまで食べさせてないことが多いかと思いますが

離乳食を遅らせることでアレルギー発症が予防できるわけではなく、

早期に摂取していくことがアレルギーの予防の面からも推奨されます。

(もちろんアレルギーの心配がある人は、担当医と相談してください)

そして

ナッツアレルギーというと、

アーモンドはどうなんだ?ヘーゼルナッツはどうなんだ?

という疑問があるかと思いますが

ピーナッツが食べれないからといって全てのナッツが食べれないわけではありません。

ナッツ類は以下のとおり植物的に異なる分類ですので、個々に考える必要があります。

ピーナッツ:マメ科

カシューナッツ、ピスタチオ:ウルシ科

アーモンド:バラ科

くるみ、ペカンナッツ:クルミ科

ヘーゼルナッツ:カバノキ科 ハシバミ属

(ちなみにココナッツはヤシの実)

ピーナッツはダメだけど、アーモンドは食べれますいうことは普通にありますし、

ピーナッツはOKだけど、くるみはダメということもあります。

黒の太字にしたピーナッツ、カシューナッツ、アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツはアレルギー採血で測定可能な項目です。

カシューナッツと、ピスタチオは同じウルシ科ですので、カシューナッツアレルギーの場合はピスタチオも注意が必要になりますし、

ペカンナッツのアレルギーには「くるみ」のアレルギー採血が参考になると思います。

ペカンナッツ(もしくはピーカンナッツ)は聞きなれないかもしれませんが、

最近スタバのおしゃれな飲み物にも使われたりで使用が増えていると思います。

ヘーゼルナッツはアレルギー採血「ハシバミ」が参考になります。

アレルギー採血陽性=食べれない

というわけではなく、

最終的な診断は経口チャレンジテストなどで食べてみてどうなるかになりますが、

リスクを知るための参考にはなると思います。

ナッツは「なんとなく怖くて」除去されていることが多い食物ですが

実際には食べれることも多いので、一度相談してみるといいかもしれません。

※1 :「ピーナッツ」と「Arah2」は同時には測定できない。

※2 :Arah2が陰性でも症状がでることはある。

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