パートナーセールス歴15年の【しくじり先生】~ポンコツ営業おばけになるな~
はじめまして、中原 新平 @funfunsales と申します。
いつも楽しく拝見していたアドベントカレンダーに参加させていただくことになり、大変嬉しいです。機会を頂戴した主催のパートナーサクセス社の皆さんに感謝・感謝です。
＜パートナーセールスアドベントカレンダー2022年12月5日＞
私からはパートナーセールスあるあるなしくじり体験として、「怖～いおばけたち」をご紹介したいと思います。特に以下のような皆さんには喜んでもらえるのでは？と思いますので、目を通していただけるとありがたいです。
▼この記事はこんな人にオススメ
・パートナーセールスにチャレンジする・チャレンジ中の方
・W杯やお仕事の合間に一息入れたいパートナーセールス界隈の方
・パートナービジネスに取組み中の全ての方＼(^o^)／
はじめに（自己紹介とか）
私はウイングアーク１ｓｔ ※という企業に新卒で入社し、今年で15年目。
パートナーセールス、直販、営業マネージメント、セールスイネーブルメント、あらゆる飲み会の幹事など様々な役割を経験し、現在はPartnerSuccess部でパートナーグロースに向けた各戦略立案・実行をチャレンジ中です。
※当社のアライアンス戦略。（By アライアンスハック調べ）
さて、2005年からパートナー制度をスタートさせ、大変ありがたいことに18年で500社以上にご加入いただく弊社のパートナービジネスですが、新卒からパートナーセールスのキャリアをスタートさせた私は苦労の連続でした。
多くのお客さま、パートナーさん、社内の先輩・同僚の方々に助けていただきながら何とか一端のビジネスパーソンになれた？と思ってます。この感謝の気持ちを、しくじり体験として、パートナーサクセスに取り組む皆さんにお届けします！！（10年以上も前の話が中心のため、現在はもちろんアップデートされております＼(^o^)／）
ポンコツ営業1：案件くださいおばけ
・たまに現れては、「案件ないでしょうか」を繰り返す
「新機能をリリースしましたので勉強会させてください。XX商品は新機能を追加しました、別のXX商品もリリースしたんですよ。御社のお客様で提案できそうなところはないでしょうか？こんな事例もありますが参考になりますか。もし、ご紹介いただけるお客様いらっしゃいましたら連絡ください。」
自社のタイミングで現れ、一方的に自社のことばかり説明。
パートナー企業や担当者の役割など解像度が荒い状態で仕事をしてしまうようなケースです。そもそも勉強会の目的やゴール設定もなく、参加人数だけ迫るようなことはないでしょうか・・・
【除霊のおまじない】
営業担当としては必死に活動しているつもりかもしれませんが、相手にメリットがなければ全く意味のない活動です。
そのためには、事前準備として、パートナー企業の調査、関連部門の役割や担当範囲、営業戦略、営業予算や評価制度など、あらゆる情報網を駆使して事前に準備をすべきです。もちろん、あくまでも仮説でしかありませんので、最初から完璧な提案はできません。Championにあたるキーマンを見つけ出し、協力を仰ぐのがベターです。
パートナー企業にとっては、数多くある商材の１つでしかありませんので、勉強会では必ず、
「パートナーの営業が今提案すべき理由（why now）」
「両社協業による提供価値(what's partner＆ISV)」
をご提案（ご相談）することが、第一歩であると考えてます。泥臭くね。
ポンコツ営業2：頼りない営業マンおばけ
・自分が売れないものをパートナーになんとかしてもらおうとする
「この製品の特徴は？他社製品との違いは？
XX業界での活用事例は？提案時の注意点は？・・・」
営業がパートナーの提案従事者に製品を紹介するとだいたい聞かれることですよね。上記を自信を持って回答できないと、パートナーもさすがに扱ってくれることはありません。なお、自身に成功体験が少ない時期はどうしても顧客解像度が浅く、同じ事例を話しているようでも説得力がないな～と感じられる場合もあるかもしれません。
【除霊のおまじない】
メーカーである以上、プロダクト理解、特に価値や事例はしっかりと把握すべきです。可能な限り、既存顧客へのヒアリングやユーザーコミュニティなどでの発表、社内でのシェアリングサクセス事例共有会など、常に最新の事例を取得できる環境を用意できると良いと思います。どうしても最初は引き出しが少なくなりますが、自分が提案したお客様の反応や声も活用しながら、あらゆるパターンに対応できるよう、一緒に日々精進しましょう！
【除霊のおまじない】おまけ
こちらの例は、PMFする前のプロダクトを扱っていただく場合も同じです。営業マン自身が売り方を落とし込めていないタイミングでパートナーに何とかしてもらうというのは愚の骨頂。パートナーの営業と信頼関係を構築できている前提であれば問題ありませんが、立ち上げ時期やはじめましてのタイミングでやっちゃうと、たぶん他の商材も顧客へ紹介してもらうことはありません。新製品のリリース後なども順序を間違えないようにしましょう。
ただし、十分に握れているパートナー企業や信頼関係を構築できている営業であれば、逆に自分たちが営業モルモットになってやるから、売らせてくれと嬉しいお言葉をいただけることも多いです。
ポンコツ営業3：自分で抱え込むおばけ
・現場間で関係は深められるものの、イマイチ、ビジネスが発奮しない
「パートナー担当者はとてもいい人、当社の製品のことも気に入っていただき、パートナー側でも色々と検討（販売できるように部内に働きかけます、他部門にも紹介しますよ）いただくが、なかなか前に進まない。」
それでも営業担当としては、定期的に通い、ときには（少人数の）勉強会もさせてもらうなど頑張って取り組むが、なかなか案件の相談につながらない。こんなパターンを繰り返す・・・
【除霊のおまじない】
あくまでも担当営業は会社として担当を任されているだけであって、全ての行動を個人だけで完結する必要はありませんよね。
・アプローチ企業のポテンシャル選定／キーマン見極め
・担当者同士での合意ではなく、アライアンスは会社間の合意がスタート
上記プロセスを実施する上で、役員や役職者を適切なタイミングで活用するのも営業担当の大事なお仕事です。
また、先方の役割に応じて、訴求シナリオを変更することも重要です。担当者、部門長、経営層では、KPIや時間軸が異なるため、相手に合わせた目線（期待値）で提案し、合意へ持ち込みましょう。
なお、マネージャーが定期的に担当営業の活動プロセスに介入することで、他者の目を通して客観的な判断やアドバイスを行うことも必要です。自チームのメンバーの限られた活動リソースを適切な行動へ導いてあげることも重要な判断ではないでしょうか。
ポンコツ営業4：とりあえず契約しましょうおばけ
・パートナーの興味や案件ベースでパートナー契約を締結。後任がフォローするとパートナー自身もあまり認識しておらず、活動もほとんどしていない
「え？１件提案できそうなお客様がいらっしゃるのですか。それは大変ありがたいです。他にも提案できそうでしたらパートナー契約しましょうよ。プランですか？まずは案件進めながら考えましょう。」
担当営業として目先の１件に目が行ってしまい、協業の件は後回し。とりあえず先行して契約はしてあるものの、せっかく提案いただいた案件は残念ながら敗退し、そのまま担当者は異動・・・
【除霊のおまじない】
ビジネスは人が起点。営業マンが介在し、共感による着火でスタートします。最初のきっかけを作るフロントの営業マンの意識がその後の両社のビジネスを左右します。目先の利益ではなく、両社でのシナジーや長期的なプランを描いてから取り組みましょう。数年後、何を目的に契約したか分からずに、両社の後任ともに困るという結果になるかもしれません。（契約行為には両社ともに何かしらのコストがかかるということを忘れずにしたいところです。）
なお、ベンダーのフェーズによっては、質より量を追う時期もあるのかもしれません。また、加入したいパートナーが多くいらっしゃるのであれば、それを一方的にお断りすることは不要です。パートナープログラムの制度に応じて、最低限の質が確保される仕組みを用意するのが、組織や制度として対応できる解決策ではないでしょうか。
ポンコツ営業【番外編】：引継ぎ情報ありませんおばけ
・引継ぎ時の情報は案件情報と名刺リストのみ
さすがに引継ぎ情報ゼロというのはありませんでしたが、営業の個性が出るというか、色々なパターンがありました。
案件リストと名刺リストのみを共有してくれる人、Excelでキーマンをまとめている人、過去の打合せメモを共有してくれる人、キーマンだけでなく一人ひとり丁寧に後任紹介の場を設けてくれる人など・・・
組織が生き物である以上、企業にとって組織変更があるのは当たり前ですが、パートナー企業に迷惑だけはかからないように、会社としてしっかりと取組みたいですね。
【除霊のおまじない】
芽が出て花が咲くまでの時間軸が長いの（農耕型）がパートナーセールスの醍醐味でもあります。（エンタープライズセールスと共通点が多いのも介在するステークホルダーの多さからでしょうか。）
そのため、過去の活動情報をしっかりと会社の資産として残せるよう組織としての取組みが重要です。案件の結果だけではなく、以下をフレームワーク化して、蓄積できるよう仕組みやシステムで運用できるとベターです。
・パートナーアカウントプラン
・パートナー企業のお作法
・ビジネスプラン
・キーマンリスト など
おわりに
いかがでしたでしょうか？皆さんの身の回りでは、登場した怖～いおばけは居ませんか？もし見かけたら、ぜひ私に一声かけてください。
おばけをお祓いする術を数年かけて見つけ出すことができましたので、少しばかりは助言できるかと思います。
ライトな感じで遊び半分にご紹介していますが、実際おばけはよく出ると思います。わかる～やなるほど！など感想をいただけるとうれしいです！
アライアンスの勘所やチェックリストなど、他にもネタはありますので、気持ちが折れなければnoteで紹介したいと思います。笑
最後に、パートナーセールスのアドカレ2022はこんな感じで豪華な皆さま方です。ワールドカップも楽しみですが、こっちのぜひぜひ楽しんでいきましょう。ワールドカップ決勝戦を引き当てた人はだれだ・・！！
気になることなど何かあればお気軽にTwitterでコメントやメッセください。ぜひぜひ、お話しましょう！
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