娘か自分自身か

今日は久々に家族そろって夕食を食べました。たぶん3か月ぶりくらいかな。親とまともに顔を合わせたのも2か月ぶりだと思います。同居していますが、家族が家にいる時間は私はほぼ一歩も部屋を出ないように、または家に帰らないようにしていました。

この3か月、そうやって私はわざと家族と距離をとっていました。


私の両親は共働きで自営業です。私が小さいころから朝から晩まで働く生活をしています。休みは月に2,3日ほど。その貴重な休みも仕事の準備に使ってしまうので実質休みの日などありません。私が夜寝た後に両親が帰ってきて、私が学校に行く頃両親は起床するので、学生の頃までは本当に顔を合わせる時間が少なかったです。私が夜更かしして帰ってくる両親を待ったり、私が両親の仕事の手伝いをする時くらいしか本当に過ごす時間がありませんでした。

そういう環境なので、両親とは良くも悪くも距離があったと思います。

でもその距離はとても心地いいものでした。お互い「共に過ごす時間が貴重で大切」と思っているので、一緒に過ごせるときは常に笑顔で楽しい時間になるように心がけていました。話さずとも、互いが互いとの時間を大切にしているのがわかっていたので「仲良し親子」そのものだったと思います。私は明るくて楽しい娘でいられるよう学業も家での時間も一生懸命過ごしました。学生の頃まではそんな感じでした。


大学を卒業しても私は就職先が決まらなかったので、下宿先から実家に戻りそこから両親の仕事を手伝うようになりました。今までほとんど両親と過ごすことがなかったことから一転、一日の大半を一緒に過ごすようになりました。

最初は楽しくてうれしくて仕方がなかったです。とっくに成人している私ですが、子供のころからの「娘」としての自分はとても根強く残っています。両親の前ではいつだって「明るく楽しい良い娘」でいたいのです。だから私は変わらずそういう娘でいようとしました。

しかし一緒に過ごす時間が多くなり、両親との距離も昔より格段に近くなりました。距離が近くなると、今まで見えなかった両親も見えるようになりました。そして見せたくない自分も見られるようになりました。

仕方がないことなのはわかっています。人間は完ぺきではありませんからね。でも私はそれがどうしても耐えられなかった。生まれてから今までずっと見えてこなかった分、私の中で両親が「神聖化」している部分があって、それに反する人間的な面が見えるのが耐えられなかった。

そして私も、いつも明るくて楽しい人間でいられるわけではありません。体調が悪いときや嫌なことがあったときは腹黒い自分が出てしまったりします。そういう自分を両親に見られるのも耐えられなかった。


両親との距離が近くなったことで、初めて私は「両親といるのが辛い」と感じるようになりました。


それが辛くて、私は3か月前から両親と距離を取ることにしました。


距離を取っている間に考えたことは「たとえ距離をとっても、また両親と会えば私はまた娘としてそこにいようとするだろう」ということでした。距離を取って会わない間は、私は私でいられる。でも両親と過ごす時間は、私は反射的に娘を努めようとする。結局それじゃ今までと変わらないなぁと。

もちろん、素直に娘として接したい気持ちはあります。でもそういう気持ちではない時も私はそうしてしまうでしょうし、それが負担になるなら結局距離を取ったところで私は何も成長できないよなと思いました。でも両親と顔を合わせるのはやっぱりしんどかったのでずっと会いませんでした。


そして今日、都合で仕事が臨時休業になったようで、想定外に両親が家に帰ってきました。部屋に籠っていようかと思いましたが「刺身とか買ってきたから食べよう」と母から言われたので、腹をくくって食卓へ。

緊張して最初は食欲が出ず煮魚ばかり食べていましたが、徐々に慣れてきて刺身も食べました。一緒にいる間「自分として過ごしたい気持ち」と「娘として振舞いたい衝動」が私の中で渦巻いていました。なので終始ぎこちなくなってしまいました。それでも普通に会話はできたので穏やかな時間を過ごせたなとは思います。


たぶん私はこのままずっと娘として両親とは過ごすと思います。「自分」はいったん私の中にしまって、両親に見せたい娘という私を見せ続けます。

でもそれだと、3か月前のようにまた限界が来てしまいますよね。だから距離は今くらいとり続けようかなと思います。もう仕事は手伝わないし、私は自分の道を生きていこうと思います。もともと、両親に甘えの気持ちがあって手伝いを始めたので。いい加減に私の道を生きていこうとしないと、私はいつまでたっても「自分」を確立できません。何が私にとって良い道なのかとかわかりませんが、とりあえずそういうことです。


なんかまとまりよく書けませんでした。まだ自分の中で整理がついてないようです。また書きます。


ぱんなこった

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