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「星座」を見出すように、事業仮説を捉える

 事業開発とは「星座」のように捉えられるかもしれない。ふとそんなことを思った。

 いくつもの星の光から、意味ある形を見出すのが星座。事業作りも、いくつもの仮説から、価値ある事業モデルを見出す、という点でイメージが合う。
 自分で立てた仮説や、得られる情報群から、何が価値へと繋がるのか。俯瞰して、見極めていく必要がある。やみくもに、仮説にあたっていくわけにはいかない。捉えやすいように並べて、価値の繋がりを見出す。そのために「仮説キャンバス」というフレームを利用する。

仮説キャンバス

 「仮説キャンバス」上では、特に仮説の繋がりとして、状況ー課題ー代替手段ー提案価値ー実現手段に着目する。これらの仮説間で整合が取れているかどうかを第一に考える。この関連のことを「仮説の一本線」と呼んでいる。星々を繋いで形を見出す星座のイメージと合致する。

仮説の一本線

 仮説を立てていると、ある観点に心を奪われるということがありえる。例えば、ある特定の技術を利用することが課題や状況などの仮説よりも先に決まっている。あるいは、安易にあるユーザー像に限定し事業を組み立ててしまう。または収益しか見えなくなっている。
 いずれも目先の誘惑や不用意に置いた前提をもとに仮説を組み立ててしまう誤謬だ。特定の仮説に引っ張られてしまうと、「仮説の一本線」が見い出せない(星座が描けない)。

仮説の誤謬

 「星座」のイメージで捉えることで何に気づけるかというと、事業モデルには「奥行き」があるということだ。星座はあたかも平面で捉えられる。しかし、実際には星々に対しての距離がそれぞれあり、立体である。
 事業モデルもまた、平面な仮説キャンバスだけで捉えていると、提案価値の実現の先後や、アーリーアダプターの特定とその先に存在する顧客イメージなど、「奥行き」が埋没してしまう。

 逆に、単一の事業モデルのみが捉えられており、課題や想定顧客に広がりがないとしたら。単発の事業にとどまり、期待するような規模感は得られてないかもしれない。最初に構築する事業が一定の結果を生み出したところで、デットエンドになる恐れがある。
 仮説キャンバスを立体的に置いて、事業モデルの奥行きを捉えよう。具体的には、目先、中期、長期といった時間軸をイメージしてキャンバスを書き分ける。

事業モデルには奥行きがある。奥行きの分だけキャンバスを作る

 美しい星々の形を夜空に見つけるように。事業モデルの可能性を仮説の一本線と奥行きによって、取り出そう。

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