なぜ、組織を芯からアジャイルにする、のにコミュニティが存在するのか
アジャイルに取り組んでいく、ソフトウェア・プロダクト開発ではなくて、組織や他の業務において。「組織アジャイル」と呼んで、その啓蒙、推進、後押しをこの数年行ってきている。少しずつ、組織アジャイルの動きは増えている。
ただし、「どこからはじめたらいいのか」という疑問は当初から引き続き寄せられている。おそらく、その逡巡は「どこからはじめたらいいか分からない」というよりは「どこからでもはじめうるが、本当にそれでいいだろうか」の方に近い。確かに、はじめ方はさまざまある。
そう、「組織アジャイル」は一人からでも、チームでも、部門でも、そして組織全体としてのテーマになる。実際、どの粒度でも取り組みが存在する。どこからはじめるにしても、組織内でリファレンスするものはなく不安が漂ってくる。いきなり、スプリントなるもので仕事を回していく、ということに感じるハードルの高さは相当なものだろう。
ソフトウェア・プロダクト開発と異なり、組織アジャイルを進展させていく難しさはここにある。取り組み先が個人と組織ではかなり話の大きさに開きがある。組織アジャイルの情報源やコミュニケーションを誰かに求めたとしても、話が噛み合わない。ここでいうアジャイルとは、仕事術なのか?組織論なのか?という命題が見え隠れする。答えはどちらも、だ。仕事への取り組み方と組織のありたさというテーマは表裏になっていく。
多種多様な話になるからこそ、「コミュニティ」で互いの経験、知見を交換していくことに意義があると思っている。思えばソフトウェア開発におけるアジャイルも、そうして育まれてきたのだ。組織アジャイルの進展はまだまだ先が長いが、その進展はコミュニティとともに作っていくことになるだろう。
話の大きさに、良し悪しはない。ただただ、自分たちが居る場所を好きな場所に変えていく。そのための方向感と手立てに共通性を感じる。それが、組織を芯からアジャイルにする、コミュニティの「われわれはなぜここにいるのか?」に通じることでもある。
2024年に向けて新たなジャーニーの準備を始めよう。
(これは組織アジャイルを標榜する「シンアジャイル」コミュニティのアドベントカレンダーとして書いている)
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