地域のお母さんと子どもを見守るマミーズルームしろた
今回お伺いしたのは渋谷区で16年間ベビーマッサージやマタニティーヨガをお母さんに提供している「マミーズルームしろた」。
この日は曇天で寒い朝。それにもかかわらず、続々と地元にお住いのお母さんたちが集まっていました!気になるマッサージやヨガの様子と代表の代田さんの活動を始めたきっかけなどをお伝えします。
「お腹を使って息を吐いて〜」とお母さんたちの前でヨガをリードしているのは代田佳恵さん。代田さんが渋谷区に越してきたのは23年前で旦那さんの静岡からの転勤がキッカケでした。
当時お子さんは1歳。最初は誰も友達がおらず、お仕事もお休みされていたこともあり、誰も話す人がいませんでした。
移動も静岡にいた時は車移動だったのに、渋谷では全て抱っこでの移動...
公園に行っても友達ができず、寂しい思いをしたといいます。
そんな中で「もっと子育てについて相談できるところがあればいいのに」と始めたのがマタニティーヨガでした。最初は認知度が低かったものの、パパ・ママ学級(後述)の時に案内したり、ベビーマッサージも始めたことから段々と広がっていきました。16年前は電話での以来にFAXでやり取りをしていましたが、今はFacebookから申し込みがあることも。時代も随分変わりました。
高齢出産も活動開始当初に比べ増え、”個”が目立つようになってきた、と話す代田さん。高齢で出産したことで誰かに頼ることに躊躇したり、頼られることを煩わしく感じてしまったりする傾向にあるといいます。でも、マミーズルームしろたでは、集うお母さんたちに”横の繋がりを作る”ことをおすすめしています。
取材した当日あるお母さんになぜ通われているのか聞いたところ、確かに多くのお母さんが口を揃えて言っていたのが”繋がる場”でした。マタニティーの時のヨガで知り合って、子どもを出産してからまた再会。親子ともにマッサージやヨガを通して成長していきます。
代田さんは、渋谷区が主催しているパパ・ママ入門学級(初めて出産を迎える区内在住の妊婦とその夫を対象とした病院や市区町村主催の教室)の講師や、新生児訪問(2ヶ月まで)・母乳相談も行なっています。
現在は働くお母さんも増えてきたことから、出産直前の情報・産後の悩みや不妊治療の話などを地域で直接相談する人が減り、インターネットなどで情報を収集している人が増えているといいます。だからこそ、マミーズルームしろたでは集うお母さんたちに”横の繋がりを作る”ことをおすすめしています。
「最近はどんな悩みがある?自分のことでもお子さんのことでもいいよ」
「もう少し腹ばいの練習ができるといいね」
「近くのオススメの病院を紹介するよ」
ヨガやベビーマッサージをした後はクールダウンしながら自己紹介。その時の悩みを共有する時間。”他の人には言えないことでも、ここでなら話せる。” 多くのお母さんがそう思って、集っています。当日参加していたあるお母さんはご自身が妊娠していた時期から、保健所を通じて代田さんにお世話になっていたと言います。お母さんと子どもの成長を見守る、まさに地域のお母さんのような存在として代田さんがいらっしゃいました。
お母さんと子どもにとって、より良い環境をつくることを目指して前に進んでいらっしゃる代田さん。その姿は、とても優しく温かく、まさに地域のお母さんのような存在として私の目に写りました。
マミーズルームしろたの代田さんと渋谷papamamaマルシェ代表の神薗さん
代田佳恵(しろたよしえ)さん
1966年生まれ、助産師、看護師。2児の母。
1988年 信州大学医療技術短期大学 看護科卒業、1989年 同助産学特別専攻科卒業。神奈川県藤沢市民病院産婦人科勤務。その後結婚し、長女・長男を出産。
編集
草田彩夏(くさだあやか)
青山学院大学法学部4年。東日本大震災を契機に社会課題解決に興味を持ち様々な経験より子供の頃から「自分らしさ」を持つことができる環境が必要だと思う。現在の興味関心は幼児教育・親子関係など。渋谷papamamaマルシェメンバー。
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