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失望と希望の狭間に 第17節 藤枝対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

前節、またもやホームの長崎戦で大敗した鹿児島ユナイテッドFC。
私も現地まで応援に行きましたアウェイの藤枝戦を振り返ります。

藤枝のスタジアムは山の上にあるのですが、その頂上をくり抜いて掘ったような場所にある、少し珍しいスタジアムになります。スタグルも充実して、広場にも立って食べられるテーブルも用意されていて、とても快適でした。

サッカー専用のスタジアムなので、見やすくて良かったですね。

藤枝MYFC対鹿児島ユナイテッドFC

前節からのスタメン変更は2人で、井林、五領選手が外れ、戸根、圓道選手が入ります。いつも圓道選手が入るときは、福田選手が右に行くことが多いのですが、好調な福田選手を活かしたいのか、この日は左に福田、右に圓道選手が入りました。

試合開始直後、鹿児島が藤枝の532の3人の脇のスペース使えてボール前進します。前半は守備面でも慎重でしたが、ビルドアップもロングボール中心にして、不用意なボールロストからのカウンターを警戒して、失点を防ぐ意図があったと思います。

ただ小さいけどテクニカルな中原、星、外山選手がいて繋げるわけですから、ショートパスで進まないのは、戦術と選手選択が一致していないようには思いました。

彼らはロングボールが得意な選手ではなく、ボールを持ちつないで初めて活きる選手達ですからね。とはいえもともと鹿児島にはロングボール対応が得意な選手はあまりいないという事情もわかるのですが。

ロングボールは相手ボールになることが多かったので、もう少しボール保持の時間を増やして、相手の攻撃機会を減らしたいところでした。

7分 藤枝がサイドチェンジからのカウンターの場面。フィニッシュにまで持って行かれたが、きちんと両SBを含めて4人戻っていて数的有利な状況を作ってはいるので、ゴールになる可能性は低い

その後、藤枝もWBがプレスを強めてきて、鹿児島の攻撃を封じようとします。また藤枝のビルドアップはロングボール中心で、ボールを前進させる場面もありましたが、最後の崩しのクオリティは高くなかったので、久しぶりに前半を無失点で切り抜けます。
そういう意味では、藤枝の攻撃の中心選手たるシマブク選手がいなかったのは鹿児島にとっては幸運でした。
ただ時々見せるサイドチェンジからの攻撃だけは危険でしたが、その際も人数は残っていたので失点は防げました。

25分 鹿児島が藤枝のパスをインターセプトした場面。この時も藤枝の選手と鹿児島のCB二人の数的同数になっている
ただ前半はSBの二人の位置が、藤枝の二つ目のラインより後ろにいて、うしろのCB二人も含めてボールより後に6人いて、ポジションのバランスは改善されていた。先週以前はSB二人がこの位置よりも5mほど前にいて、被カウンター時に4人しか残らないことが多かった

鹿児島は前半、前からプレスに行く場面もありましたが、突破されたときのプレスバックも早く、ピンチの数も多くはなかったです。そして攻撃時もいつもよりSBのポジションを少し下げ、ひとりかふたりを残してリスク管理する場面が多かったですね。これが先週からの課題への大島監督の回答だったのかと思います。

前半は0−0で折り返せたので、鹿児島としては先制点を与えずに一安心
前半を無失点で折り返すのが、鹿児島の優先事項だったのかもしれません。

49分 鹿児島の攻撃の場面。この時も前線には4人いるが後に6人残っていて、SBの位置もそんなに高くないので、ここでボールをロストしてもカウンターの対応が可能

そして後半は442のミドルブロックに変更。
清水戦ではブロックを左右にもコンパクトにしたので、サイドのスペースを使われていましたが、この日はバランス良く配置。中央で縦パスを入れられるときも素早く動いてインターセプトできていましたし、サイドに出ても素早く寄せて藤枝の攻撃を制限します。

この日の鹿児島は守備の強度も高かったので、後半開始から鹿児島が押し込む時間が長くなります。本当ならこの時間帯で先制点を取っておきたかったところでした。実際、福田選手の決定的なチャンスもありました。

50分 鹿児島の攻撃の場面。右サイドで星選手と中原選手がワンツーで抜けだし、星選手が斜めのパスを入れる。この時、藤本選手の裏を外山選手がスペースへ向けてダッシュしている
このパスをCBにマークされている藤本選手がトラップしてしまうが、後にいる外山選手は完全にフリーでゴール前にいるので、スルーしていれば決定的なチャンスになった

ところが後半、攻撃時に鹿児島はSB高い位置に置くいつもの戦術へ移行。恐らく前半は0−0で行き、後半に勝負を賭ける作戦だったのかもしれません。藤枝は勝たないといけないチームでしたし、勝利が必要でしたから。

82分 藤枝のカウンターの場面。この時は両SBの位置が高く、後に4人しかいない
その後、縦パスを通されて3対2の数的不利な状況。この時はボールロスとした外山選手が全力でも戻りクリアして難を逃れた

しかし80分にいつもの悪い癖がでます。両SBが高い位置にいるときに、外山選手がボールロストして、そこから一気にカウンターへと持ち込まれます。このカウンターは戻ってきた外山選手によりクリアして難を逃れますが、そのCKのデザインされたセットプレーから失点してしまいます。

ほんの一瞬の隙でしたが、ここでフィニッシュまで持って行かれるのがJ2のレベルの高さ。J3だとここまで鋭いカウンターアタックは見られないですよね。

藤枝の先制点の場面。ショートコーナーではじめて、ここでは星選手がボールに向かえている。しかし本来人がいて欲しいゴール正面のPAの外には誰もいない
しかも一人が手前に走り込みスルーする。この時もチャーリーがボールに詰めている。誰もがシュートを打つと思ったので、外からフリーで入ってくる選手に気がつけていない。藤枝の選手が鹿児島の選手が前に行けないように、ブロックしているのもわかる
慌てて岡本選手が飛び出すがシュートを打たれて失点。この画角だとわかりづらいが、泉森選手のポジショニングがやや右に寄っているように見える。デザインされた見事なセットプレーでした

鹿児島も最後は猛攻を仕掛けて、CKのこぼれ球を野嶽選手が見事なシュートで追いつき1−1の引き分けに持ち込みましたが、それでも勝たなければいけない試合に引き分けたことで、選手達の顔には、喜びの表情は見られませんでした。

96分 鹿児島の同点の場面。ベンチの指示で野嶽選手が中央寄りに位置を修正。前にスペースを残した絶妙のポジショニング。そこから冷静にゴールの上にコントロールされたシュートを打てるのはただ者ではない。ただこの得点は相手GKのキャッチミスの側面もあり、もしパンチングしていたらそれで試合終了だった
最後のCKの場面。相手GKはファーにいて、ニアポストに誰もいないことが多かった。だから左利きの選手がニアに強いボールを蹴ればゴールになる可能性が高いのではないかと思い、見ていたが五領選手はベンチ外で、田中選手も途中出場だったので蹴る機会がなかった。左利きの場合、インスウィングのボールになるので、GKのポジションが右利きが蹴るより後になっていた。その部分も影響してのキャッチミスだったのかもしれない

普通ならカウンターからのセットプレーで失点したものの、守備の改善が見られて、今後が楽しみと言って、文章を締めくくるのですが、、試合の翌日に大島監督の解任が発表され、鹿児島ユナイテッド サポ界隈は揺れています。

その辺りはまた別の機会にお話しさせていただきます。
※と書いていたら浅野監督就任のニュースが飛び込んできましたが

次節はホームでの秋田戦。こちらも順位が近いので負けられない試合になります。現地の皆さん、熱い応援をお願いします。

We are challengers!
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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