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絶望と希望 第15節 清水対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

前節、ホーム仙台戦で惜敗した鹿児島ユナイテッドFC。
私も現地で応援した清水戦を振り返ります。

スタジアム自体はアクセスも言われているほど不便ではないですし、アウェイの雰囲気も最高。スタグルも充実しており、ピッチの見やすさも、天気も良く、富士山も見えて、控えめに言っても最高でしたね。また来年も行きたいなと思えたスタジアムでした。(もし同じカテゴリーならね笑)

仙台戦からのスタメン変更は5人。
野嶽、戸根、山口、端戸、チャーリーが外れ、渡邉、井林、千布、田中、藤本選手が先発します。

清水エスパルス対鹿児島ユナイテッドFC スターティングメンバー

【鹿児島ユナイテッドFC】
鹿児島の対清水戦に対する守備は、442で縦も横もコンパクトにするのが大島監督からのひとつの回答でした。
いつも442でコンパクト守ることはありますが、この日はいつも以上に幅も上下もコンパクトにして、中のスペースを使わせないぞという鹿児島の意思を感じました。

それ自体は悪くないのですが、それだとサイドが大きく空き、清水にサイドでボールを持たれます。それに対して鹿児島は素早くスライドして、寄せなければいけないのですが、そこのスライド強度が弱く、センタリングされる場面が多くなりました。

1分清水の中村選手のヘディングの瞬間、泉森選手の脚が上がっているのがわかる。この脚が地面についてから動くので、一瞬リアクションが遅れます。その一瞬でゴールかセーブかが分かれます

清水の攻撃がいやらしいのは、外を使われるの対策として少し左右のコンパクトさを緩めると、前線の選手が降りてきて、中央に縦パス差し込み、鹿児島は中央に圧縮、その結果としてサイドが空き、サイドから攻撃をされています。ボールホルダーに余裕があればセンタリングの精度も上がります。

鹿児島は先制点取られてからは、急いで攻撃するのではなく、ボール保持の時間を多くして清水の攻撃時間を減らしました。意図的かどうかはわかりませんが。正直清水との戦力の差が大きいので、同じように打ち合ったら不利で、鹿児島がポゼッションの時間を増やして試合を落ち着かせたのは良かったし、鹿児島の前プレスから何度かボールを奪取できていました。

ただ清水の守備強度は高く、高い位置でボールを奪取したとしても、すぐにプレスバックが来る。なので味方がマークを外す時間を稼ごうとボールをほんのわずかでも持つと、すぐにボールにプレスが掛かります。
かといって早くパスを出すと味方と合わずに、清水ボールになることやラインを割ることが多くなりました。

37分 鹿児島のカウンターの場面。外山選手が大きなスペースをドリブルで進むが、その後ろからブラガ選手が猛烈にプレスバックしてきて、前進の速度が遅くなり、味方が戻る時間を作る。もしプレスバックがなければ、左サイドで2対1の数的有利な状況を作れていたので、素晴らしいプレスバックでした
しかもその後、福田選手が1対1で仕掛けるところを藤村選手が縦に抜けてスペースを作り、普通ならそこに福田選手が切れ込んでシュートの場面なのですが、ブラガ選手はここでもそのスペースを埋めに行きます。清水は隙がありません

先制点を取られたとはいえ、前半鹿児島は清水のプレー強度に慣れてきていたので、まだまだ後半に期待が持てるはずでした。前半終了間際に失点するまでは。なのでこれは鹿児島に取ってはかなり痛い失点となりました。
これで清水は後半余裕を持って試合を進められます。

大敗した鹿児島の中の希望はGK泉森選手。4失点したとは言え好プレーを連発。彼がいなければ更に失点を重ねていたでしょう。とはいえ4点は取られていて、うち三回は手に触れています。全部止められたとはいいませんが、止める可能性を高めることは可能です。彼が高い身体能力を持っているのは明白なので、あとは細かい技術がついてくれば、リーグ屈指のGKになる可能性があるだけに、期待したいですね。

55分 鹿児島の攻撃の場面。岡本選手からスルーパスをライン間のスペースで受ける鈴木選手。こういうトップ下の選手がするようなプレーもできるのが鈴木選手の素晴らしいところ。

【清水エスパルス】
全体的に清水の選手はクオリティが高く、守備時も攻撃時も鹿児島を圧倒していました。選手のクオリティが高いので、鹿児島が寄せてもプレッシャーを感じることもなく、ミスも少ない。体も大きいし、スピードもあり、止める蹴るのレベルも高く、足元にピタッと止めるのが印象的でした。
もはやJ1レベルのクオリティだと思います。

60分 鹿児島の攻撃の場面。千布選手がミドルシュートを打つも枠を外れる。この時も清水の選手が寄せてきている。もし寄せがなければ千布選手は持ち直して、もう少しいいシュートが打てたと思う。しかも右脚のコースを切るあたりも素晴らしい

しかもその優れた選手が全員攻撃、全員守備でプレスを掛けるのですから、現在首位なのは納得です。とてもモダンなサッカーを体現しており、鹿児島が目指す姿が清水にありました。

特に10番カルリーニョスと11番ブラガかなりすごい選手でしたね。
先制点のFK場面、ブラガに対して藤村が寄せるのですが、ドンドン前進していきます。なのでさらに体を寄せるとファウルなりFKとなりました。
彼はファウルしないと止めるのが難しいのですが、その彼がプレスバックして守備をするのですから、言葉がありません。

68分 清水の三点目の場面。住吉選手に山口選手がマークに付いていたが、一瞬の加速で置いていかれている。
そのまま高い打点でヘディングシュート。この時も泉森選手の両脚が高く浮いているのがわかる。そのため一瞬動き出しが遅くなりゴール。ポストに当たっているので、素晴らしいヘディングシュートであるのですが

左サイドからの前進と崩しが多かったのは、右サイドのブラガ選手は比較的自由にポジションし、中に入ることも多かったからでしょう。
すると右で幅を取るのはSBの吉田選手なのですが、最初から高い位置を取るのではなく、清水が安定したポゼッションをするのを確認してから上がっており、カウンター時のリスクを回避していたように見えました。

清水が1回ゴールラインまで侵入してから後に戻してセンタリングされるのが多かったのは、奥まで侵入された場合、鹿児島は二人がカバーに行くので、上がってきたSBがフリーにになるからでした。
やはり1対1で負けない守備力の高いSBの不足が今の鹿児島の課題です。

驚いたのは65分に清水が選手交代をして5バックにしてきたことです。
それまでも清水のペースでゲームは進んでいました。
鹿児島が押しまくっていたわけでもありません。
それでも清水は5バックにして守備を安定させ、カウンターで追加点を狙うスタイルに変更しました。
この時点ではまだ0−2だったので、鹿児島がもし1点でも返せれば試合の流れはどう転ぶかわからな状況ではありましたが、昨年勝ち点差1で自動昇格を逃した反省から、勝ち点1も絶対に逃さないという強い気持ちを感じました。

75分 鈴木選手が左サイドからのセンタリングをヘディングでチャーリーにヘディングパスをする場面。DFラインが下がってできたスペースを認知して走り込む鈴木選手。得点にはなりませんでしたが、素晴らしいプレーでした

【総 評】
この試合の前に前節や前々節の清水の試合を見ましたが、正直勝てる気がしませんでした。選手のクオリティは高いですし、攻撃も素晴らしいし、守備の強度も高いです。同じカテゴリーで試合前に勝てないと思ったのは初めてでしたなので4点差で負けたのは、驚きではなくて納得で、受け入れられます。

問題はこの後で、今のままでは同じことの繰り返しになります。
守備に関しては、監督が練習から高い守備強度を求めているから、試合で出せます。そして高い守備強度の中で練習する攻撃も改善します。

ここからシーズン前半終了まで残り4試合。残留する勝ち点を40点と仮定すると前半時点で20点は欲しい。
現在、勝点13で前半終了まで残り4試合。長崎、藤枝、秋田、岡山が対戦相手。上位陣との試合も多くなかなか厳しい状況ではありますが、可能性を信じて、まずは目の前の試合に全力プレー、全力応援するしかありません。 

We are challengers!
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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