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微妙な判定と苦戦の中の勝利 第5節 鹿児島対藤枝

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは、仙太郎です。

先発メンバーは先週と同じでしたので、早速試合の分析を進めていきたいと思います。

開始早々の4分に鹿児島は決定的なチャンスを作り、先制点上げたかに見えましたが、これは惜しくもオフサイドと判定されました。この判定については後ほど述べますが、先にプレーの流れとポイントを解説させていただきます。

プレーの開始は鹿児島がGK白坂選手へバックパスするところから始まります。白坂選手が相手FWから素早いプレスを掛けられたので、ツータッチで広瀬選手にパスを出します。ただこの時、広瀬選手は時間がなかったのと、白坂選手からのパスが少し後ろだったことで前を向いてボールを受けることができませんでした。ポジションを取ることができませんでした。

その結果、広瀬選手は後ろ向きでボールを受けて、藤枝がプレスを掛けに来ます。しかしそのプレスをものともせず、広瀬選手は体をひねりながら、縦パスを入れます。それを受けた中原選手が、前を向き五領選手にパスをして一気にボールは前進しました。

これCBからしたら絶体絶命のピンチなんですけど、広瀬選手の何がすごいかというと、ボールを受ける前に首を振り、前の状況を確認しています。そしてボール受けて、プレスを受ける状況でもう一度前を見てパスを出しています。

これCBのプレーじゃないですよね。中盤の選手(特に中央の)は360度周りの状況を見る必要があるので、首を振って周りの状況を見ます。だから木村選手や中原選手は常に首を振って、周りの状況を見ています。でもCBは前を向いてプレーするのが普通なので、プレスを掛けられている状況で、振り向いて前の状況を確認してプレーするのは普通ではないです。

先週に引き続き広瀬選手を激賞してしまいました。本来、この時は白坂選手が一度ボールを止めて。相手FWを引きつけて、広瀬選手が適切なポジショニングを取れるまで時間を作らなければならなかったのですが、相手のFWの寄せが速く、すぐにパスを出さなければいけませんでした。

そこからのプレーはすでに説明した通り、普通のCBには真似ができない素晴らしいプレーでした。これは普通に見ていると、苦し紛れに前に蹴ったボールがたまたま中原選手に渡ったように見えますが、そんなことはありません。

その広瀬選手のパスがフリーの中原選手に渡り、鹿児島は一気にボールを相手PA近くに進めます。中原選手は素早く五領選手にパスを出し、五領選手が相手SBと1対1の状況を作ります。

そして五領選手が中に少し切り込んで、FWの有田選手にシュート(気味のパス?)をします。ただこのボールは有田選手には触れず、藤枝のCBが脚でシュートを防いでコースが変わったボールを米澤選手が押し込みました。

五領選手のシュートを打った場面、黄色点線がオフサイドラインで米澤選手はオンサイドのポジションにいます

これを審判はオフサイドと判定しましたが、これはオフサイドではないと思います。五領選手がキックした瞬間は米澤選手はオフサイドの位置にいません。五領選手のボールが相手CBの脚に当たって、こぼれたボールを米澤選手が押し込んでいます。オフサイドの判定の瞬間は、五領選手が蹴った瞬間です。なのでこれは間違えた判定だったと思います。

ルールブックでは下記のような記載があります。

オフサイドポジションにいた選手が、次のような場合で利益を得る、または、相手競技者を妨害したときにオフサイドになる。

・ ボールが、ゴールポスト、クロスバー、審判員または相手競技者からはね返った、あるいは、それらに当たって方向が変わってきた。

・ ボールが相手競技者によって意図的にセーブされた。

相手競技者から跳ね返った場合は、オフサイドになると書いてあります。この場合も藤枝の選手が脚に当てたボールが米澤選手に渡っています。確かに米澤選手がシュートした場所はオフサイドかもしれませんが、この場合のオフサイドポジションにいたか、どうかの判定は五領選手が最後に触った瞬間です。

その瞬間に米澤選手がオフサイドポジションいればオフサイドの判定で間違いないのですが、その時の米澤選手のポジションはオンサイドだったので、これはミスジャッジだったと思います。

ただ審判の方には最大限のリスペクトをもって接したいので、言っておくと、この判定はとても難しかったと思います。米澤選手は最後までプレーに関与していない(普通審判はボールを持っている選手とパスを受ける選手、この場合は有田選手を見ていて3人目の米澤選手まで見ることはかなり困難です)ので、これを瞬時に判定するのはかなり難度の高い判定だったと思います。

というわけで幻の先取点となりました。ただこのアンラッキーな判定が、最後にラッキーとして鹿児島に帰って来ることになります。

ここだけでまたも長文になってしまったww

反省!

▽鹿児島の先制点
前半14分の先制点のきっかけは中原選手の浮き球のパスから始まります。中原選手が意表を突いた浮き球のパスを相手DFラインの裏に出し(これは恐らく裏に抜けようとした米澤選手に出そうとしたと思いますが、米澤選手は相手にブロックされて裏に抜けることができませんでした)、ロメロ・フランク選手が動き出します。ただこのボールは相手CBが先に体をいれて藤枝ボールになるのですが、ロメロ・フランク選手が後ろからプレッシャーを掛けたときに、その選手がロメロ・フランク選手に体を当ててボールをキープしようとしたんですね。

ところが藤枝の選手が体を当てた時にバランスを崩して倒れてしまい(手がかかっていた疑惑はありますが)、ボールはロメロ・フランク選手が拾いゴールに向けてドリブルをします。ロメロ・フランク選手は一度中にパスを入れるようなキックフェイントで大きく切り返し、相手のCBを振り切り、GKが止めに出てきた瞬間、中に浮き球のパスを出します。その浮き球を有田選手がジャンピングボレーでたたき込み、先制します。

これは中原選手の浮き球のパスとロメロ・フランク選手のキックフェイントが秀逸でしたね。

有田選手は無理にゴールに近づかずゴール前の大きなスペースで待っていて、素晴らしいポジショニングだったと思います。

前半の前半までは鹿児島が主導権を持ってプレーできていたのですが、前半の後半になり、藤枝の1人の選手のプレーで流れが大きく変わりました。

▽藤枝の決定的なチャンスと危険な鈴木選手

今シーズン初の無失点ゲームだったのですが、危険な場面はありました。そのなかでも前半39分は決定的なピンチでした。

この時、鹿児島のDFラインの裏に藤枝の鈴木選手から浮き球のパスを出されて、決定的なピンチを迎えます。岡本選手は完全に裏を取られています。岡本選手は裏に抜ける選手と前で受ける選手の2人を同時に見なければならず、裏を取られてしまいました。ただこの時、優先して守るべきは裏のスペースなので、岡本選手の判断ミスとなりました。

ただ岡本選手だけを責めるのは酷でした。本来、手前で受ける選手は中原選手が見なければいけないのですが、前に出て相手CBにプレスを掛けにいき、簡単に横パスを出されてかわされています。実は中原選手の前に米澤選手が先にプレスに行き、それも簡単にかわされていて、この連続して相手にかわされたのは、軽いプレーと言われてもしかたないと思います。

またこの位置から藤枝の鈴木選手から浮き球のパスが出てくることを予想するのもかなり難しく、それだけに鈴木選手の創造的なプレーは素晴らしかったと思います。

画面では見えていませんでしたが、白坂選手のポジショニングが少し低かったと思います。もう少し前に出ていれば、ボールをクリアできていたと思います。ボールは少し前に流れたので。

たださすがにシュートされる時の白坂選手のポジショニングは的確で、藤枝の選手はフリーではありましたが、簡単なシュートではありませんでした。なのでギリギリを狙ったシュートになり、ポストを直撃することになります。しかも白坂選手は、すぐに立ち上がって適切なポジショニングを取ったので、こぼれ球のシュートは枠を外します。これは単純なシュートミスではなくて、白坂選手の適切なポジショニングのおかげです。

このシーン以外にも藤枝の7番 鈴木選手には何回も裏のスペースに浮き球のパスを出されて、鹿児島は手を焼きました。とても危険なプレーヤーでした。何回も得点になりかねない浮き球のパスを毎回ピンポイントで入れてきました。

少なくとも後半は、鈴木選手をマンマーク気味にしてマークしないと、厳しくなるなと思ったのですが、後半はあまり鈴木選手にボールを持って前を向く場面が少なかったのは、幸運でした。

▽攻める藤枝と守る鹿児島

後半は暑いコンディションもあり、鹿児島が前からプレスを掛けられなくなりました。これは先週も触れましたが今後、暑い季節になると鹿児島の弱点になります。

ボールをクリアしても、ボールを拾えないし、相手のボールホルダーにプレスを掛けにいけません。そうすると自由にボールを展開されて、苦しい状況が続きます。ただ鹿児島は前から行くのを諦めて、ゴール前を固めて守ると意思統一ができていたので、何回もセンタリングされましたが、中を固めて守れていたので、決定的なシーンは多くはなかったです。

藤枝の右WGの選手のドリブルは危険でした。疲れてくるとドリブルについて行けないので、脚を出してひっけけてPKということもよくあるのですが、ただあまりこの攻撃も見せてこなかったので、鹿児島としては助かりました。

そしてなんとか守り切れそうな後半のアディショナルタイムに入ったところで米澤選手が追加点を入れて、試合を決めました。

ただこれはオフサイドでした。ルール上は後ろから二人目の相手選手がオフサイドラインになります。この時、藤枝GKはCKで上がっていたので、ボールの前には、藤枝選手は1人しかいませんでした。

ボールの位置がオフサイドラインになります。米澤選手は明らかにボールより前にいるので、これはオフサイドになります。線審のポジションも間違っている。

藤枝GKの内山選手がこのプレーの瞬間、手を上げてオフサイドをアピールしていますが、彼のジャッジは正しいです。この時、線審の方は最後のDFの位置を走っているので、線審の方も間違えているかと思います。

最初のジャッジミスとプラスマイナスでゼロって感じですかね。

先週も激賞したDF陣ですが、さすがにこの日は暑くて後半はばててしまいました。バテたのはDF陣だけではなく、全員後半は運動量が落ちて、ボールをクリアしても、なかなか押し上げてボールホルダーにプレスがかからず、何回も連続で攻め込まれて苦しい展開でした。

ただ藤枝が比較的にサイドから単調な攻撃を多かったので、ゴール前を固めて防ぐことができました。藤枝の攻撃で脅威だったのは、さきほども触れましたが、7番の鈴木選手でしたが、後半は鹿児島が引いて守ったので、彼の浮き球のパスが使えるスペースがなく、また彼がボールを持つ機会が多くなかったのは幸運でした。

これで勝ち点11点で福島、いわき、鹿児島と並び、鹿児島は得失点差で3位です。この時点では順位は気にしませんが、気持ちはいいですよねww。

それではまた来週お会いしましょう。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

PS:今週、もしかしたら鹿児島に帰省できたら、白波スタジアムに行けるかもしれない。

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