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厳しい千葉の風 第22節 千葉対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

前節、ホームでシーズン初めての連勝を果たした鹿児島ユナイテッドFC。
私も現地応援に行きました、今シーズン初のアウェイ勝利を目指した千葉戦を振り返ります。

前節からのスターティングメンバー変更はなし。
浅野監督が今の戦い方に自信を持っていることの表れですね

ただ鹿児島は試合開始直後から千葉の守備強度の高さと、ロングパスを絡めた攻撃で押し込まれ、前半から10分過ぎまで千葉の攻勢が続きました。
ただ鹿児島も千葉の攻撃に徐々に対応して反撃を開始。
そしてそこからの攻撃で16分に先制することに成功。

8分 千葉のシュートの場面。千葉のセンタリングを野嶽選手がヘディングでクリアしたボールを千葉の選手がヘディングで味方にパスして、シュートされた場面。サイドには圓道選手が対応していたので、もう少し中にポジションを取りたかった

その後も鹿児島のペースは続きます。
鹿児島のシュート数は前半だけで10本、千葉5本と数字上は圧倒していました。

ただ鹿児島は先制はしたものの、千葉の守備組織を崩せてはいませんでした。枠内シュートは前半千葉と同じ数字でしたし、鹿児島はPA外からのミドルシュートも多いし、PA内に入っても相手にブロックされているシュートも多かった。千葉の守備強度は高く、決して最後まで諦めない粘り強い守備をしてきて、数字ほど鹿児島が優勢ではなかったと思います。

10分 鹿児島の攻撃の場面。千葉のビルドアップに鈴木選手がプレスを掛け、福田選手と挟み込んでボールを奪取した場面。これを藤村選手が拾ってゴールへ向かう。この時、藤本選手はまだ動き出していない。この時、中のスペースへ移動するとどうなっていたか
千葉はビルドアップでCBが大きく開いていたので、中央に大きなスペースがあった。この前に藤本選手が中央に動いていたらパスを受けてシュートも打てていたし、もし逆サイドの千葉のCBが中に詰めてきたら、外側から圓道選手が走り込んで来ていたので2対1の決定的な場面を作れていた

とはいえ先制して鹿児島のペースは続いたのですが、37分にひとつのミスから追いつかれてしまいます。岡本選手のトラップミスから、ボールを奪われてそこから失点。鹿児島の選手の戻りも早く、守り切れそうだったのですが、田口選手の見事なヒールシュートでした。
前半終了間際の失点だったので、これは試合の流れを変えました。

もうひとつ千葉は野嶽選手のところを意図的に狙っていたと思います。
ここが守備の弱点と思われていたんでしょうね。
右サイドからの斜めのロングパスも効果的で、一気にボールを前進されていました。千葉は3トップが幅を取って、4バックで対応が難しい逆サイドのSBである野嶽選手のスペースを狙っていて、それが功を奏していました。

15分 鹿児島の先制点の場面。鈴木選手が寄ってくると、千葉のDFも付いてくるが、ここで鈴木選手が胸で福田選手にパスして入れ替わり、福田選手がフリーでゴール前に侵入
福田選手は恐らくシュートだと思うが、ただ当たり損ねて緩いボールがGKとDFライン間を緩いボールが抜けていく。これで一瞬、そのままボールがゴールラインを割りそうな予測をしたのか、逆サイドから走り込んでくる圓道選手を見られていない。
福田選手の前で藤本選手が相手DFを引き連れて、潰れたことでパスが福田選手へ。シュートはこれも当たり損ねたが、千葉のDF二人の股間を抜けてゴール。少しの運もあった。ただシュートを打った後に、プレーを止めずにゴール前にもう一度入ってくるところに福田選手の成長を感じる。偶然入るゴールはありません

さらに鹿児島が誇る両ウィングも厳しくマークされます。
圓道選手もマークが厳しく、なかなか突破できませんし、福田選手が突破しても、千葉の選手が粘り強く付いてくるので、その後のシュートの精度が低くなります。

またスピードスターの河辺選手は本当にがっつりマークされていて、縦に突破されないように対策されていました。
それでも突破しかけると今度はファウルで止めると対応が徹底しています。
そして突破を躊躇すると、素早く寄せてボール奪取。
見せ場を作ることができませんでしたが、千葉の対応も見事だと言えるでしょう。後半になると周りのサポートが遅くなり孤立することも多々あり、そこからボールを奪われるケースもありました。

32分 岡本選手の素晴らしいパスの場面。パスコースないはずなのに、千葉の選手が一瞬、中のパスコースを切りに体重移動した瞬間に縦パスを高い位置を取る外山選手に通す。ただ外山選手の体の向きが外側を向いているのと、トラップが足下に止まってしまったので、寄せてきたSBにプレッシャーを掛けられて、センタリングは中で合わなかった。ここが先週の野嶽選手との違いで、野嶽選手はMF、外山選手はSBなので、中央でプレーするのにクオリティの差はある

後半の失点の場面はオフサイドだとは思うのですが、それは置いておいて振り返ります。ゴールをしたメンデス選手と外山選手が体の大きさが全然違っていて、その二人がゴール前で1対1になっている。
アウェイの大分戦でも見られたミスマッチで、どちらが有利かは言うまでもありません。外山選手も押しているんですけど、押し返されて、ヘディングシュートを決められます。PA内なので、こちらが押し倒せばPK取られますから、ここで合わされたら防ぎようがありません。

36分 千葉の同点ゴールの場面。岡本選手がトラップするが、千葉の選手がプレスを掛けてくる。岡本選手がこれが見えていたが、それでも止めてかわせる自信があったと思うが、ボールが足下に入り倒れてしまい、ボールを失ってしまう。
それでも鹿児島の戻りは早く、数秒後にはゴール前に選手がいる。ただ全員が下がったため、ペナルティスポット辺りにスペースができていて、そこに走り込んで来た選手がシュート。
この時、ミドルシュートを防ごうと戸根選手と福田選手が前に出たところ、フリーになった田口選手が見事なヒールシュートを決める。

後半、千葉のプレス強度が落ちずに鹿児島は1点リードされてからも有効な攻撃ができませんでした。千葉の選手は体大きいし、プレスを掛ける距離も近く、隙があればボールにアタックしてくる。
ドリブルにも諦めずに追いかけて、体を寄せる。
そこからのボール奪取も多々あり、鹿児島は苦戦を強いられます。

セットプレー以外では点が入る気がしませんでしたが、セットプレーでも千葉の高さに負けました。
こういうときは上から落ちてくるボールを蹴る千布選手が欲しいところでしたが、出場はなし。

55分 鹿児島の攻撃の場面。福田選手がひとりドリブルで進んでいく。千葉のCBが自分の持ち場を離れて福田選手へ対応。合計3人で寄せている。それでもシュートに持ち込む福田選手は素晴らしいけど、ゴールの可能性としては高くはない

千葉のビルドアップはショートパスも使えるし、中も使えるので、ボールの奪いどころが見つけにくかったです。
さらに先ほど述べたように、千葉は意図的に鹿児島の小さなSBにロングボールをぶつけてきます。4バックの鹿児島に、5人、6人の選手をぶつけてきます。そうなると鹿児島は当然、中央を閉めるので、サイド空きます。
そこへロングパスをして、一気にボールを前進。よく考えられた戦術でした。

総 評
試合を通して、千葉の守備強度が高く、鹿児島の攻撃は苦戦しました。
千葉は相対的に、フィジカル面で優れていて、なおかつ技術もしっかりしていて、戦術理解度も高く選手のクオリティは高かったです。さすが昇格争いをしているチームでした。

67分 千葉の決勝点の場面。外山選手も頑張って押し返しているのですが、メンデス選手の方が体格がいいので、押し込まれてしまい、そこに上から落ちてくるボールを蹴られると防ぐのは難しくなります
メンデス選手のヘディングシュートの時、千葉の選手がGK泉森選手の前にいて視界を妨げているので、明らかなオフサイドなのですが、なぜか見逃されてゴールが認められます。この時、線審の前にCKを蹴った千葉の選手がいたので視界が妨げられた可能性はあります

高いレベルの千葉に対して、鹿児島もよく対応していたのですが、ひとつのミスから失点しました。岡本選手を責めたいわけではありません。ミスはどんな選手もあるし、その後も勇気を持ってボールを持ち攻撃を組み立てていましたのは見事だったと思います。
ただひとつ言えることは、レベルの高い相手には、ひとつのミスで試合を決められてしまうということです。

浅野監督就任後、初黒星。
だが負けないチームはないので、問題は次の試合にどうするか。
少なくともこれくらいの守備強度の相手を崩していかないと、上位とは戦えません。

負けたからと言って、全部ダメだったわけではなく、できたところもあるわけで、できなかった部分を修正して、さらなる成長を期待したいと思います。

We are challengers!
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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