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ライン間の攻防と試合の分岐点:鹿児島の戦術的挑戦 第28節 鹿児島対清水

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは。仙太郎です。

中断明けから3連敗した鹿児島ユナイテッドFC。なんとか勝ち点を得たい首位 清水との試合を振り返ります。

鹿児島ユナイテッドFC対清水エスパルス スターティングメンバー

前節からのスタメン変更は2人。渡邉、武選手が外れ、河野、沼田選手が入りました。

前節までと鹿児島は守備戦術を変更しました。清水に対して前からのプレッシングをやめ、ミドルブロックに切り替えました。その結果、ライン間をコンパクトに保ち、清水がライン間でボールを受けることが難しくなりました。結果として、清水は鹿児島の守備陣(4-4-2)の2列目の前でボールを受けることが多く、守備が安定していました。

19分 FW北川選手がライン間でボールを受けて、ファーストタッチでターンして前を向きドリブルで仕掛けてシュート。この時は岡本選手が上手く縦に誘い角度のないところから、打たせたので失点を回避できた。乾選手もフリーになって抜群のポジションにいる。もし乾選手にパスが出ていたら、もっと危険な場面になっていただろう

当然ながら、中のスペースを締めると外が空くため、サイドから何度か侵入される場面がありましたが、中をしっかりと守れていたため、失点は回避できました。ただし、乾選手や北川選手がライン間に侵入し、ボールを受ける場面もあり、ピンチになりましたが、CBの2人、特に岡本選手の判断が素晴らしく、失点を防ぐことができました。

ただ、サッカーというスポーツはどんなに素晴らしいプレーができていても、たった一つのミスで試合が決まることがあり、その怖さが際立ちます。PKの判定は非常に厳しいと感じますが、ペナルティエリア内では笛を吹かれるリスクがあることを考えてプレーする必要があります。

37分 清水のCBから縦パスが入った場面。広瀬選手が前に出て北川選手を潰すものの、ワンタッチで乾選手にパスを出される
そこから清水のFW二人が縦に走り、空けたスペースを乾選手がドリブルして、シュート。この時も岡本選手が一度逆を突かれたものの、見事に付いていきコースを限定させて失点を回避

特に後ろから行くとファウルを取られる可能性は高くなります。有田選手はルーズボールに向かっていったのでしょうが、清水の住吉選手は有田選手が来ているのをわかっており、体を入れてPKを狙ったように感じます。このあたりは住吉選手の巧妙さが際立ちます。

3バックにしたこと自体は悪くなかったと思いますが、かなりぎこちなく、あまり練習していない感がありました。ただ、これによりウィングバックを高い位置に上げられる利点があり、そのために野嶽選手が投入されたのでしょう。

43分 鹿児島のチャンスの場面。トランジションの応酬から鹿児島ボールになり、素早く前線に浮き球のパス。それを鈴木選手が胸でトラップし落として、有田稜選手がダイレクトシュートも、ボールを打つ場所が高すぎてゴールを外してしまう。この時、田中選手がスペースに走り込んで来ていたのでパスの選択肢があってもよかった

前節の清水は、SHとSBが前に出て積極的にプレスをかけていましたが、鹿児島相手にはそれをせず、ミドルブロックできっちり守ってきました。アウェイでの試合であり、下位チーム相手に負けられない状況であったため、慎重な試合運びだったのでしょう。

鹿児島もかなりコンパクトに守っていましたが、それでもライン間でボールを受けられる場面が何度かあり、苦戦しました。特にCFWの北川選手が下がってきたときにマークするのが難しかった。
しかし、後半に乾選手や北川選手が交代した後は、鹿児島も守備が安定し、カウンター攻撃もできるようになりましたが、最後の最後で得点を奪えませんでした。

45分 清水のカウンターの場面。ドリブルで運ばれて右サイドへパスを出される。この時も岡本選手が縦に誘い込み、角度の少ない所からシュートを打たせて失点を防いだ

それでも清水の前線の四人のクオリティは高く、特に乾選手は別格のクオリティでした。アウェイの試合では出場されなかったのですが、相手ながら素晴らしいプレーを連発していました。

個人を攻撃したいわけではなく、今後同じようなミスを繰り返さないために書きますが、PKの場面では外山選手が中に絞るべきでした。そうすれば、有田選手がファウルを犯したスペースに外山選手がいてクリアできたはずです。中央でCBがヘディングで競る場合、SBは必ず中に絞るのがセオリーです。

センタリングされる前に、外山選手が稲葉選手に指示して住吉選手のマークを受け渡しているように見えます。おそらく自分は大外の選手をケアしようという意図があったのかもしれません。

前半 アディショナルタイム 清水の攻撃の場面。乾選手がドリブルで持ち込みシュートフェイントからのパス。完全にフリーで走り込まれるが、外山選手が一度は縦に走る選手のカバーに行くが、その前に首を振り、後から走ってくる選手を認知。パスが出されるや否や、ターンして走り出しシュートコースを限定して失点を防いだ素晴らしいプレー

PKの場面について、ファウルかどうかを問われればファウルだと思います。後ろから行っているのは印象が悪いです。有田選手が来ているのをわかって体を入れたプレーはクレバーでした。ただ、その前に住吉選手のオフサイドとハンド疑惑もありましたが、ハンドについては有田選手の陰になり、主審からは見えていなかったので仕方ないでしょう。

49分 鹿児島のカウンターの場面。広瀬選手が積極的に前に出てボールを奪取。すぐに中原選手へパス。中原選手がツータッチで広瀬選手へリターンパスを返すと、広瀬選手がダイレクトで有田稜選手へ縦パスを入れ、清水のプレスを回避
有田稜選手が前を向きドリブルするが、すぐに右サイドを走る鈴木選手へパス。ここはもうワンタッチ、ツータッチしてCBを引き出してから左サイドを走る沼田選手へパスを出した方がゴールの可能性は高かった。ただこの時、清水の右SB 吉田選手が先に戻っている。こういう目に見えない帰陣の速さが清水が首位にいる理由のひとつ


有田選手のせいで負けたとは思っているサポーターはいないと思います。ここ2試合、チームは成長しているので、前を向いて次の試合に向けて良い準備をしていきましょう!

85分 PKを取られた場面。ロングボールを入れてくる清水。CKの後だったのでCBの住吉選手が前に残っていた。稲葉選手がマークしている
ただ稲葉選手がマークして空けたスペースにボールがこぼれるが誰もいない。ここに住吉選手と有田選手が急行するも住吉選手がわずかに先に到達し、有田選手とボールの間に体を入れる。勢いのついた有田選手が止まれずに住吉選手に接触し、後から倒してファウルを取られてPKとなった。一度ゴール方向へ走りながらも、すぐに方向転換してボールに追いついた住吉選手の身体能力の高さはすごい。この時、外山選手が中に絞っていれば、先にボールに触れた可能性は高い


サッカーはチームスポーツです。たった一人のミスで負けることはありませんし、たった一人の活躍で勝つこともありません。

勝つ時もチームで勝ち、負ける時もチームで負ける、それがサッカーです!

次は甲府とアウェイで戦います。残り試合は少ないですが、諦めずに応援しましょう。 私も現地応援に行く予定にしています。現地応援される方、よろしくお願いします(台風が心配ですが….)。

We are challengers!
チェストー!鹿児島ユナイテッド!




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