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大島サッカーを振り返る

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

第17節藤枝戦を引き分けで終えた翌日、大島さんの監督解任が発表されました。

第17節終了時点での成績が3勝5分9敗の勝ち点14。
順位が18位で19位との栃木との勝点差は1で、降格圏外の17位 ロアッソ熊本との差が勝点3。

藤枝戦も課題の守備に改善は見られたし、主導権を握れていたのですが、結果は引き分け。

ただ降格圏にいて徐々に勝ち点差が開く状況の中で、解任に踏み切ったクラブの判断も理解できます。実際、解任のニュースを聞いたときには、驚きはしませんでした。

そこで9ヶ月間と短かったですが、大島前監督の時代を振り返りたいと思います。

まず最大の功績としては昨年J2昇格を成し遂げたことです。

昨年の昇格は大島監督なしでは成し遂げられなかったことは間違いありません。大嶽監督時には守備強度が弱くて、得点は取れるけど失点も多いチームでしたが、大島監督就任直後から、守備強度が確実に上がり失点は激減。その結果、攻撃力も上がり快進撃を続けます。最後は少し躓きましたが、最終戦で引き分けて昇格を果たしました。

もともとコーチとしてチームにいたとはいえ、短期間で守備強度を上げて改善するのは、簡単なことではありません。恐らくコーチ時代にも問題意識はあったのでしょう。

そして迎えたJ2開幕ですが、序盤は悪くなかったのですが、大分戦で3失点したあたりから失速しました。

大島監督が監督に就任してからまだ1年経っていません。
例えばアーセナルの監督、ミケル・アルテタも就任当初の成績は芳しくありませんでした。その時、解任していればマンチェスターシティと優勝を争う今のアーセナルはないでしょう。

実際、すぐに監督を解任するクラブも多くあります。
そして監督を頻繁に変えるクラブの成績が良くないのも事実です。
サッカーの戦術って、短時間に選手に落とし込めるほど簡単ではないんです。

鹿児島の補強予算は限られていて、J2の中では下位で、選手獲得も限られる中での指揮は難しかったと思いますが、だからといって引いて守るサッカーもよしとせず、攻撃的な戦術を改善しよう、突き詰めようという姿勢が大島さんのサッカーからは見られました。

(できれば監督経験のある)ベテランのアシスタントコーチとかにサポートしてもらえれば、良かったかと思いますが、そこは人選や予算も含めて内部のことはわからないので、なんとも言えません。

ただそういう人が横にいれば、戦術面やマネージメントの面で助けて、負担を減らすことができたかなという思いはあります。

監督とコーチって似ているようで、仕事は全然違うんですよね。簡単に言うと監督は決める人、コーチは教える人です。そして監督は選手との距離があります。どの選手を先発させて、ベンチに入れるか、当然ベンチ外の選手もいて、選手生命を左右しかねない存在であり、誰にでもいい顔できるわけではありません。

だから監督は孤独です。コーチと相談はできるし、アドバイスを求めることもできます。ただコーチとは違い、誰を使うか、どこからプレス掛けてボール奪うか、どうボールを運び、崩し、得点するか。すべては監督次第です。最後に決めて責任を取るのは監督です。

そういう意味だとそれまで選手と近いコーチというポジションからいきなり監督になった大島さんは戸惑ったと思います。

また日本的な文化だと、上のポジションの人に意見を言うことがはばかれるような雰囲気もあるので、上のポジションの人から意見を求める必要がありますし、どんな意見も否定せずに受け入れる姿勢も大事になってきます。

最近は試合後の大島さんのインタビュー見るのが辛かったですね。追い詰められているのが、表情から見えたので。

そういう意味では、しばらくはプレッシャーから解放されて、少しゆっくりしていただければと思います。そしてこの経験を次の指導者としての活動に活かして欲しいと思います。今年、大嶽さん率いるFC大阪の失点数がリーグ上位の少なさというのも、経験から学んでいるのだと思います。

日本中の指導者がプロの監督になることを夢見ていて、それを実現できた大島監督。

大嶽監督就任から大島監督に引き継がれたこの2年半は、試合を分析するのが楽しかったですね。毎試合いろいろトライしているのが見えて。

やろうとしているサッカーは興味深いですが、簡単でないので、短時間でできる訳でもなかったと思います。ただプロの監督はそんなに時間をもらえるわけでもなく、結果も求められます。

7年半コーチとしてやってきて、いきなり監督になり昨年の結果を見ても優秀な指導者であるのは間違いなく、今後また監督やコーチの就任依頼があると思うので、次は対戦相手として会えることを楽しみにしたいと思います。

チェストー!大島康明!

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