81日目 共通のものさし

教員時代、子どものある持ち物で困っていたことがあった。
それは、「分度器」だった。

分度器は、メーカーによって大きさがさまざまである。
大きさが違う程度ならまだいい。困るのは、「0°」の位置が違うことだ。
表現が難しいが、ものによっては、分度器の底辺から始まるものもあれば、一段上がったところから始まるものもある。
この違いが、指導のしにくさを生むことがあると感じていた。
見えている景色が違い、数を読み違えることが多かったのだ。

全員が同じものを使えばそれで解決する、とは思わない。
だが、この経験を通して学んだことは、共通の視点を持つことの重要性だ。

それぞれに考えることは大切だが、そこに共通の視点があるかどうか。
方向性をそろえていく上で、「共通のものさし」があることは、強みである。

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